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高島礼子、信じられなかった“主演”オファー。女同士の見せ場は大変な撮影に「2人ともアザだらけだった」

1988年、『暴れん坊将軍III』(テレビ朝日系)の御庭番・梢役で女優デビューした高島礼子さんは、1993年に『さまよえる脳髄』(萩庭貞明監督)で映画初主演を果たし、『陽炎2』(橋本以蔵監督)、『EM EMBALMING』(青山真治監督)など次々と主演映画が続き、さらに『特命リサーチ200X』(日本テレビ系)、主演ドラマ『女弁護士水島由里子の危険な事件ファイル』シリーズ(フジテレビ系)をはじめ地位を確立していく。

そして1999年、『極道の妻たち 赤い殺意』(関本郁夫監督)に主演し、4代目“極妻”としてシリーズ5作に主演することに。

 

◆『陽炎2』で任侠の女役に飛びついた

高島さんは、1996年から『特命リサーチ200X』に出演することに。これは「ファー・イースト・リサーチ」という架空の会社にクライアントから寄せられるさまざまな難題をエージェントたちが解決していくという情報バラエティ番組。

宇宙人やUFO、都市伝説、心霊現象などから病気、健康まで、幅広いジャンルで真相に迫っていく。

「最初は『200X』ですから、2000年を目指してということで、ポスターの撮影をするときも、私は携帯電話を持ってカッコつけていたんですよね(笑)。

すごく覚えているんですけど、『これはドラマ?』みたいな感じで、みんなわからなかったんですけど、オンエアが始まってから、こういうものだったんだって(笑)。お話をいただいたのはラッキーでしたね」

-斬新でおもしろかったです-

「そうですよね。ジャンルがいろいろあって、視聴率もすごく良かったのを覚えています。あれからまたいろいろ情報番組的なものが増えたなあって」

-あの番組が始まった年に2本目の主演映画『陽炎2』がありました-

「それまでは、誰かのお姉さんだったり、誰かの奥さんだったり、普通の役が多かったんですけど、『陽炎2』では任侠の賭博師。そんな強い女性の役のオファーをいただいたというところで飛びつきまして。

あの作品は松竹さんで、京都で撮影しました。これもまたプロの集団で、第1作は樋口可南子さんが主演で、一つ出来上がっている作品のパート2ということで、スタッフさんも最高な人が揃っていました。

ものすごく大変な作品ではあったんですけど、そのときに制作部でペーペーだった人が、今映画製作で社長をやっているんですよね。ちょうどこの間会って、『大変だったね』って、その話で盛り上がったんですけど(笑)」

『陽炎2』で高島さんが演じたのは、“不知火おりん”の異名を持つ城島りん。15歳のときに姉貴分である“般若のお由良”こと高木由良(小柳ルミ子)に拾われて一人前の胴師に仕込まれた。

由良には借金のカタとしてりんをヤクザに売ったという過去があったが、りんはそのことを知らず、由良を訪ねてやって来る…。

-小柳ルミ子さん、迫力ありましたね-

「そうなんですよ。ルミ子さんともいまだに付き合いがあるんです。それくらい濃い撮影現場であり、思い出深い撮影でした。

『陽炎』は3作やらせていただいたんですけど、そんなに昔から今でも付き合っている人はいないです。なぜかいまだに連絡をとっている人がいるという思い出深い作品です」

 

◆『極道の妻たち』シリーズで4代目“極妻”に

1999年、高島さんは『極道の妻たち 赤い殺意』に主演。以降、4代目“極妻”としてシリーズ5作品に主演することに。

-お話があったときはいかかでした?-

「信じられなかったです。『極道の妻たち』って、岩下志麻さんがとてもカッコよかったし、女優さんはみんな好きなんですよ。だからあのときは、ちょっと信じられませんでした。

とくに、私は『暴れん坊将軍』を1年半で辞めちゃったので、東映さんをちょっと裏切ったみたいな形になってしまって、江戸に来てからしばらくお話がなかったんですよ。

だからまさかまさかの東映さんから、しかも『極妻』というところで、ちょっと考えられなかった。『嘘でしょう?』っていう感じでした。いまだに信じられなさすぎて、そのときの記憶は消えていますね」

-4代目の“極妻”となったわけですが、ものすごく合っていましたね-

「ありがとうございます。私は東映さんからデビューさせていただいて育ったという思いがあるので、ここで東映さんにちょっと返さないといけないという思いがあって。いつもそんな感じでしたね、『返さなきゃ、返さなきゃ』っていつも思っていました」

-律儀(りちぎ)ですね-

「元からそういう性格だったのか、もしかしたら、若いときは自分だけで生きているみたいな感覚があって、初めてみんなに助けられるって言うのかな? みんなで頑張るということを経験して。

レースのときは、みんな横一線で頑張っていた。でも、上下関係のあるところが初めてで、本当に助けられるということがどういうことなのかわかったというか、ありがたいと思いました。

やっぱりつらいんですよ。決して楽じゃない。京都は楽じゃないので(笑)。そこで手を差し伸べてくださった人たちの優しさは忘れられないです。本当に感謝です」

-撮影はいかがでした?-

「私は任侠映画が好きで、藤純子(現:富司純子)さんの映画などもよく観ていたんですね。私は絶対岩下(志麻)さんを超えることはできないんだから、自分らしくやるしかないって思いました。

志麻さんのようになることは無理なんですよ。だからこれは開き直って、当時私がやっぱり憧れていた強い女性、カッコいい女性をやればいいんだなあって思いました。

設定も最初は、かたせ梨乃さんという姐さんがいて、私が極妻としてデビューしていくという設定でした。本当にそのまま極妻としてリアルに成長していく成長期だったので、自分の理想のカッコいい女性を演じればいいんだなあって」

-カッコよかったですよね-

「ありがとうございます。やっぱり先輩、梨乃さんがとてもカッコよかったので、私もカッコいいと言っていただけるとすごくうれしいです」

-完成した作品をご覧になっていかがでした-

「『極妻』って音楽がいいんですよ。すごく音楽が良くて、それを観ていると本当にうれしかったですね。でも、自分はもっとできたんじゃないかなとか、つい思っちゃうんですけど」

 

◆『極妻』の女同士のケンカシーンでアザだらけに

高島さんの『極妻』シリーズ主演作品は5作品だが、当初は主演が続くのかどうかわからなかったという。

「終わったときにいつも『次やりたいです』とは言っていたんですけど、毎回確定はされていなかったんですよ。主演をどんどん変えていくという説もあったので、次にあるという確信はまったくなかったです」

-5本出てらっしゃいますが、とくに印象に残っていることは?-

「『極道の妻たち 死んで貰います』(関本郁夫監督)の東ちづるさんと川でケンカをしているシーンが結構大変だったのをよく覚えています。

『極妻』では女同士のケンカシーンもおもしろいところじゃないですか。だから、これは頑張らなきゃいけないなあって、当時はまずケンカのシーンはとにかく一生懸命やりました。

東ちづるさんとは川でケンカだったので、足元がツルツル滑(すべ)るんですよ。着物がはだけるから着物の下にサポーターができないというので、2人ともアザだらけで、結構血みどろだったんですよ。本当に血みどろで、バイキンが入るんじゃないかって心配でした。

気をつけてやると言っても、やっぱり実際本気でやっちゃうじゃないですか。結構ゼーゼー言いながらやっていたのを覚えています。足元ばかり見ていられないですし、あれはなかなか大変な撮影でした」

-苦労しながら撮影しただけあって、リアルでした-

「そうですね。皆さんそれぞれケンカのシーンはありますね、毎回。斉藤慶子さんのときは、河原を歩いてくるんですけど、斉藤さんが『目が悪いから見えない』っておっしゃるんですよ。だから、『転んだらどうしよう。何でコンタクトをしないんだろう?』って思いながらやっていました(笑)。皆さんいろいろありましたね」

-あれだけ子分を従えていると気持ちいいでしょうね-

「そうですね。気持ちいいですね(笑)。ああいう芝居をしていると、もう恥ずかしいというのがなくなりますよね。みんなの前で決めゼリフを言うにしても、普通は恥ずかしいとか、そういうのがあるのでしょうけど、あまりなかったです。

『極妻』は、ヤクザものなんですけど、実は女のほうが男っぽくて、そういう女性の強さをわかりやすく表現できる作品というイメージで見ていましたよね。

悩み多き女性にパワーを送ってあげられるような作品って、女性がカッコいいこういう作品なのかなって。だからすごくわかりやすいと思いました」

-あれだけ愛される男になりたいという男性陣の声も多かったですね。羨ましいって-

「なるほど。そういう考えで観るんですね(笑)。でも、俳優さんはすごく楽しんでいました。女は登場人物が少ないじゃないですか。男ばかりたくさん出てくるんですけど、みんなキャラがかぶりたくないわけですよ。

だから、『お前、そのサングラスをするのか?わかった。じゃあ俺やめるわ』とか『俺はタバコにするわ』って、子どもみたいな会話がずっと繰り広げられているんですよ(笑)。

男の人たちがみんな楽しんでいて、『おりゃおりゃー』っていうのも含めて、俳優さんて子どもみたいだなって思いました(笑)」

-だから、皆さん結構キャラが濃いんですね-

「そうなんです。みんな『お前がそうするんだったら、俺はこうするわ』みたいな感じで戦っているからキャラが濃いんです。だから、そういった意味では、やっぱりキャラ作りって大事だなあって」

-とくにあれだけ男性陣がワンサカいると、控えめにしていたら印象に残らないですからね-

「埋もれちゃうんですよね。だから、小道具でも芝居でもどこか光らせないといけないって。でも、そういうその他の役は私もずっとやって来たので、『たしかにそうだ。こうやっていくといいんだ』って思いました」

-高島さんは、ずっと主役かメインの役という印象がありますが-

「いえいえ、それこそ江戸で仕事をはじめたときは普通の役が多かったので。『陽炎2』に至るまでは、あまり目立たない、メインではない普通の役が結構多かったです」

『極妻』シリーズ5作品の主演に加え、『監察医・篠宮葉月 死体は語る』シリーズ(テレビ東京系)、『御宿かわせみ』シリーズ(NHK)、『キソウの女』シリーズ(テレビ朝日系)などテレビドラマシリーズにも主演することに。

2000年に吉永小百合さんと共演した『長崎ぶらぶら節』(深町幸男監督)で第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2011年には、『のり子、ソウルへ行く!』(KBS)で初めて韓国ドラマに挑戦するなど多くの作品に出演。

2023年2月24日(金)に公開される映画『いちばん逢いたいひと』(丈監督)では、白血病を発症した娘を支える母親役に。次回後編では撮影エピソードなども紹介。(津島令子)

ヘアメイク:佐々木大輔(TRINE)
スタイリスト:村井緑
衣装・ネックレス:MOGA(モガ)
アクセサリー(ピアス、リングブレスレット):ABISTE(アビステ)


© TT Global

※映画『いちばん逢いたいひと』
2023年2月24日(金)よりシネ・リーブルほかにて公開
配給・宣伝:渋谷プロダクション
監督:丈
出演:倉野尾成美(AKB48) 三浦浩一 不破万作 田中真弓 大森ヒロシ 丈 崔哲浩 中村玉緒(特別出演) 高島礼子

白血病を克服した少女と、そのドナーになった男の数奇な運命を、実話をもとに描いた奇跡の感動作。ある日突然、授業中に倒れた11歳の少女・楓(倉野尾成美)は、検査の結果「急性骨髄性白血病」と診断され、そこからつらく長い闘病生活が。同じ頃、IT企業を経営する柳井健吾(崔哲浩)は、最愛の娘を白血病で亡くしてしまい家庭は崩壊。そんな健吾にとって、唯一の誇れることは、見知らぬ人の骨髄ドナーになったということだったが…。