子犬系チート男子“京本大我”はなぜ恋愛対象として見られないのか<ハマる男に蹴りたい女>
<恋愛コラムニスト・DJあおいの『ハマる男に蹴りたい女』第5話分析コラム>
再就職先は女だらけの下宿管理人! 人生の沼にハマッた元エリート・設楽紘一(藤ヶ谷太輔)が、住人のズボラお仕事女子・西島いつか(関水渚)と“オトナの一つ屋根の下ラブ”を繰り広げるラブコメドラマ『ハマる男に蹴りたい女』。
毎話“じれキュン”必至のストーリーを、Twitterやブログで独自の恋愛観を語り著名人にもファンが多い謎の主婦・DJあおいが深掘り&考察する恋愛コラム連載。毒舌(?)ながらも愛のある言葉でストーリーを分析していきます。
前回、設楽くんのプライドを見事打ち砕いたいつかちゃん。
プライドの高さは己の弱さを隠すための壁ですから、その壁の向こうには嘘偽りのない設楽くんの姿があるはず。言ってみればそれは全裸を晒すようなことですから、その壁を打ち砕いたいつかちゃんのことを特別視しないわけがないんです。
これは設楽くんの気持ちが大きくいつかちゃんに傾くイベントであり、後はその気持ちをシンプルに伝えるだけでハッピーエンドなのでは…と思った刹那、子犬系男子たる野生の嗅覚なんですかね? なんと香取くん(京本大我)が銀星荘に引っ越してくるという混沌待ったなしの展開へ。
ひとつ屋根の下で三角関係とは、当事者の気持ちにリンクするとラブコメディというよりもサスペンスホラーに近いものを感じてしまいました。
しかし、ナオ姉(西田尚美)もなぜ香取くんに入居を勧めたんですかね?
あれだけ設楽くんのことはなんでもお見通しで、いつかちゃんに対する気持ちもうっすら勘付いているでしょうに。わざわざ恋敵となる香取くんに入居を勧めるとは、設楽くんの嫉妬心を煽るための策略なのか。それとも、ただ単に香取くんを気に入っただけなのか。ナオ姉の性格を考慮すると後者の可能性が高いのではないかと、観察が趣味のすずちゃん(久保田紗友)なら言いそうな気がしますね。
さて、晴れて銀星荘の一員となった香取くんですが、臆面もなく衆人環視の前でいつかちゃんに猛アピールを開始します。
ここまで恥ずかしげもないと逆に清々しく爽やかでもあり、その威風堂々とした好意はまさにイケてるメンタル略してイケメン。外見だけではなく内面までイケメンとは(おまけに料理も上手)。こんな男にこんなアプローチをされて心が揺るがない女なんているの?と思うほどのチートっぷり。
恋敵であるはずの設楽くんにさえ紳士で友好的な振る舞いをする始末ですから、設楽くんも敵対心を燃やしつつもどこか憎めない様子です。違う形で出会っていたらきっといい友達になれていたのかもしれませんね。
そんな三角関係の渦中にあるいつかちゃんですが、親友であるミチコ(ラランド・サーヤ)にサラッと胸中を打ち明けちゃうんですよね。香取くんのことを「恋愛対象として見られない」って。
もちろん男性として高く評価していて、きっと理性では「この人と一緒になれば間違いない」と確信しているのでしょうけど、その理性にどうしても感情が追い付けないといった感じ。
これは仕事に情熱をもつ女性のアルアルなのですが、仕事の仲間にどんなに素敵な異性がいたとしても、仕事の仲間というだけの理由で恋愛圏外になってしまうんですよね。
仕事は交感神経で行うもの、恋愛は副交感神経で行うもの、実は仕事と恋愛の相性は悪く、仕事に情熱を燃やすほど仕事の仲間は無条件に恋愛圏外となってしまうのですよ。そういうバリキャリタイプの女性は仕事圏外の場所に恋愛を求める傾向がありますね。
ほどほどにやっていれば同じ職場でも恋愛感情が入り込む「隙」もできるんですけどね。奇しくもいつかちゃんは二年前から生活のすべてを仕事に全振りしていた身ですから、香取くんの敗因は「同じ仕事仲間だったから」ということになりますね。
一方設楽くんですが、バイト先のナオ姉のお店でちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまいます。
以前勤めていたカヅキビールの後輩である武田くん(西垣匠)が来店して、エリート時代の設楽くんのワンマンぶりを容赦なくディスるという目を覆いたくなるようなイベント。しかもいつかちゃんと香取くんも居合わせているという最悪のシチュエーション。
ナオ姉の咄嗟の対応で鉢合わせになることは避けられましたが、設楽くんの気持ちにリンクすると共感性羞恥が発動していたたまれないですね。
またも過去の自分の失態に打ちのめされるとは、そろそろメンタルブレイクしてもおかしくはない頃、肩を落とす設楽くんにまたしてもいつかちゃんの救いの手が。
「逃げちゃダメです」その言葉に呼応するかのように武田くんを追いかける設楽くん。そして過去の自分の行いを誠心誠意謝罪します。
あのミスター負けず嫌いが、元後輩に頭を下げるんです。これだけでも設楽くんが変化していることがわかりますよね。これがプライドという高い壁の影に隠れていた本当の設楽紘一なのでしょう。
でも、武田くんは決して設楽くんを嫌っていたわけではなかったようで、むしろ慕っていたからこそ身勝手なプライドで辞めてしまったことに憤慨していた様子。ちゃんと慕ってくれる仲間がいたことを、この謝罪によって思い知らされたのではないでしょうか。
自分の中でも変化を感じ取っている設楽くん。謝罪ができた、今度は感謝だと言わんばかりに、いつかちゃんの顔を見た途端、その頭をいつかちゃんの肩に埋め(肩ズン)「ありがとう」と一言。
肩ズンはオープンマインドの証、実質告白のようなもの、足りないのは言葉だけ。「管理人さん、私のこと好きなんですか?」といういつかちゃんの言葉に促され、ついにその時が。
「俺はあんたのこと、す…す…(沈黙)全然抱ける!」
思わずズッコケてしまいました、「設楽くん!そういうとこやぞ!」と声に出てしまいました。
まだまだ二人の受難は続きそうな予感、さらに銀星荘には新たなカオスが。来週からの展開にまったく予想が追いつきませんね。
※番組情報:オシドラサタデー『ハマる男に蹴りたい女』
毎週土曜よる11:00~11:30、テレビ朝日系24局
藤ヶ谷太輔、関水渚、京本大我、久保田紗友、西垣匠、サーヤ(ラランド)、田渕章裕(インディアンス)、金子隼也/西田尚美、大地真央
※ 『ハマる男に蹴りたい女』 最新回は、TVerにて無料配信中!(期間限定)
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