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土井善晴、『おかずのクッキング』最終収録は笑顔で。「番組が私を鍛えてくれた」

3月26日(土)の放送で48年の歴史に幕をおろす長寿料理番組『おかずのクッキング』

このほど最終回の収録が行われ、土井善晴さんがメッセージを語りました。また、収録後にはセレモニーが開催され、歴代アシスタントたちが駆けつけました。

番組は、善晴さんの父である料理研究家・土井勝さんがメインを務める『土井勝テレビお料理教室』として1974年4月にスタート。当時は月~金曜の夕方5分間の放送で、勝さんのやさしい関西弁と家庭料理のレシピが人気を集めました。

善晴さんは、1988年4月に番組初出演(当時31歳)。1993年春に番組を引継ぎ、現代の暮らしにあった日本の家庭料理を追求。2000年10月以降は毎週1回25分番組というスタイルになりましたが、軽妙な語り口と作りやすいレシピで長年多くの人に親しまれてきました。

2015年夏からは、日本の家庭料理のかたちを見直す“一汁一菜”の提案を度々発信しています。

◆最後のレシピは“春の一汁一菜”

最終回で紹介するのは、せりの菜飯、筍のお吸いもの、だし巻き卵という、シンプルながらさわやかな“春の一汁一菜”。

冒頭、善晴さんは「今日が“最後の晩餐”ですからね、みなさん」とカメラに向かって語りかけ、「…これ、言おうと思っていたんですよ(笑)」とニヤリ。軽やかにジョークを交えながら収録をスタートし、米のとぎ方、だしの取り方など家庭料理の基本ともいうべきところから丁寧にレクチャーしました。

だし巻き卵をふわっと焼き上げる手順についても詳しく説明。卵をかえす要領を教える段では「そう簡単にはできませんよ!」と難しさを強調しつつ、「でも、ときどきやっていたらできるようになる。それが人間のすごいところなんですよ」と、料理する人をやさしく応援する言葉も。

番組の最後、アシスタントの堂真理子アナウンサーから花束を贈られた善晴さんは、「最初はカメラに向かって微笑みかけることができなくて、アナウンサーの人はすごいなと思っていたんです。それが34年やってきて、最近ようやくできてきたかなと思います」と満面の笑み。

「とにかく“一汁一菜”でみなさんが元気に幸せになって、自分たちらしい豊かさを作ってほしい。料理を作って食べるという基本に本当の幸せがあると思います」とメッセージを送っていました。

◆歴代アシスタントとスタッフに感謝

収録後は番組48年の歴史をたたえるセレモニーが行われ、過去にアシスタントを務めた渡辺宜嗣、藤井暁、櫻井健介、久保田直子アナウンサーなど番組にゆかりのあるメンバーが集合し、思い出を語り合いました。

なかでももっとも盛り上がったエピソードは、渡辺が起こした“舞茸事件”。アシスタント就任時、料理経験ゼロだった渡辺は、善晴さんから舞茸をほぐすよう頼まれ、粉々にちぎってしまったことがあったのです。

善晴さんは「キノコを潰す、なんて料理人には絶対できないことだったんです。でも、おかげであれから舞茸をみじん切りにした“舞茸そぼろ”など料理のバリエーションが広がりました。どんなこともきっかけにしてレシピを作ってきました」と懐かしそうに当時を振り返っていました。

さらに、善晴さんは「2カ月で60ほどのレシピを考えなければならず、1週間に1回は必ず徹夜という状況でなかなか大変でした」と父・勝さんから番組を受け継いだ頃の苦労を明かし、「何よりもそれが私を鍛えてくれたと思います。ですから、『おかずのクッキング』がなかったら、今の私はありません」と感謝を語り、スタジオからは大きな拍手がわき起こっていました。

なお、「一汁一菜から始めよう!」が巻頭特集となった番組テキスト最終号は、発売直後から品切れが続出し、異例の増刷が決定しています。

◆土井善晴 コメント(全文)

『おかずのクッキング』は、父の代からはじまって48年続きました。振り返ってみれば48年前、私は高校生でした。その後、父が体調を崩して、私が番組を受け継ぎましたが、当時、私は修業を終えて2、3年しか経っておらず、血気盛んな若者でした。

当時は月曜から金曜までの帯番組で、テキストに掲載する分も合わせて2カ月で60ほどのレシピを考えなければならず、毎号毎号、とにかく何か新しいことをやらなければという思いで苦しみました。

1週間に1回は必ず徹夜という状況でなかなか大変だったのですが、何よりもそれが私を鍛えてくれたと思います。ですから、『おかずのクッキング』がなかったら、今の私はありません。

そして、“一汁一菜”という提案は、『おかずのクッキング』をきっかけに生まれました。この考えはコロナ禍の今、多くの人のなぐさめとなり、料理をする意味、家庭の意味をあらためて思い返すところまで広がりを見せています。

番組は終わりますが、“一汁一菜から始めましょう”というテーマが伝わったのなら、何も言うことはありません。とにかく一汁一菜でみなさんが元気に幸せになってほしい。そして、料理をする人を大切にしてください。それが家族の中でいちばん大事なことだと思います。

また、日々、手料理を作ることはフードロスにも持続可能な社会にもつながります。さらに、“手洗い”も日本の食文化のはじまり。料理はそういった面でも人間の健康、身を守ることにつながっています。

日本の食文化を伝え、残していくために、私もまだまだ頑張っていきたいと思っています。

※番組情報:『おかずのクッキング
毎週土曜あさ4:55~5:20、テレビ朝日ほか

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