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“言葉を失った”歌舞伎役者・中村福助。「もう一回、歌舞伎をやりたい」8年間の闘い

テレビ朝日系列の全国24社が共同で制作しているドキュメンタリー番組『テレメンタリー2021』。

10月10日(日)、テレビ朝日の制作による『言葉を失った歌舞伎役者~中村福助 それでも舞台に向かう』が放送される。

大名跡“中村歌右衛門”の襲名直前、脳出血に倒れた九代目 中村福助。8年間にわたる後遺症との闘いにカメラが密着した。

◆大名跡襲名直前の悲劇

人気・実力を兼ね備えた歌舞伎役者・九代目 中村福助。

女形のトップとして数々の大役を務め、2014年春には“女形の大名跡”といわれる“中村歌右衛門”を襲名することが決まっていた。

ところが襲名直前の2013年11月、突然悲劇が。重度の脳出血を起こし、なんとか一命はとりとめたものの、重い後遺症が残った。

福助の身にふりかかった後遺症とは、右半身のまひ、そして言葉がうまく出てこない失語症。

普通の生活もままならない状況で、ましてや歌舞伎役者としての再起は絶望的と思われた。

◆「もう一回、歌舞伎をやりたい」

術後ほどなくして、リハビリがスタート。

腕や脚を動かすための地道な訓練や、基本的な単語や文を繰り返す言語のトレーニングを懸命に続けるが、医師がとくにポイントと考えたのは失語症。なぜなら、歌舞伎の舞台に戻るためにはセリフをしゃべれることが必須条件だからだ。

思うように気持ちが伝えられない、もどかしい日々…。そんななかでも福助がハッキリと口にしたのは、「もう一回、歌舞伎をやりたい」という強い意志。

舞台への思いを胸に、家族と医師の支えを受け、“失った”言葉を少しずつ取り戻していく福助。

そして2018年9月、福助は4年10か月ぶりに歌舞伎座の舞台に復帰。

演じたのは、人気演目『金閣寺』の慶寿院尼(けんじゅいんに)役。わずか3つのセリフだったが、見事にこなして万雷の拍手を受け、リハビリを担当してきた医師をも驚かせた。

2020年、世界中で猛威をふるった新型コロナウイルスは歌舞伎公演にも大きな影響をもたらした。

しかし、その間も福助は舞台への思いをあきらめることなく、2021年9月には再び歌舞伎座への出演をはたした。

今回は3年前の復帰以来、もっとも長い距離を舞台上で歩くことに。昔のように動けなくても、しゃべれなくても、それでも舞台に向かう福助。舞台への執念と8年間の過酷な道のり、そして彼の“今”を伝えていく。

※番組情報:テレメンタリー2021『言葉を失った歌舞伎役者~中村福助 それでも舞台に向かう
2021年10月10日(日)あさ4:30~5:00、テレビ朝日ほか(※放送日時は系列各局によって異なります)

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