スケートボード日本勢の強さを支える「パーク職人」 元ダンプ運転手からスケボー好きが高じて転身
テニスの現役を退いてから「応援すること」を生きがいにしてきた松岡修造が、東京2020や未来に向けてがんばる人たちを応援する「できる宣言」。
同コーナーで、東京オリンピックで脚光を浴びた競技「スケートボード」を支えるある人物が紹介された。
◆スケボー冬の時代からサポート
茨城県つくば市にある「AXISスケートボードパーク」。
このパークを作った木村將人(まさひと)さん(51歳)は、日本で唯一本格的なパークを作ることができる“パーク職人”だ。
女子パークで銀メダルを獲得した開心那選手にも練習場所を提供するなど、活動をサポートしてきた。
そんな木村さんがこのパークを作ったきっかけは、抑えきれない“スケボー愛”だという。
「スケートボードが大好きなんです。元々はダンプの運転手で、運転手仲間がスケートボードをやっていたんですね。現場の休み時間にトラックの中からスケートボードを引っ張り出してきて滑っているのを見て、『すげーおもしろそう』と思ってはじめてしまいました」(木村さん)
今から20年前、木村さんはスケートボードが好きすぎるあまり、本場アメリカへ。そこでいくつものスケートボードパークを目にし、感銘を受ける。
帰国後は、スケボーグッズを原価で入手できるよう、自らスケボーショップをオープン。さらに、パークを作るためにアメリカから特別な機械も購入した。
それが、こちらのコンクリートを噴射するマシーン。
「あれは800万円くらいします。最初は大冒険でしたね。賭けだった」(木村さん)
当時はスケボーに需要がない時代。なかなか発注がこなかったという。
しかし2016年、起死回生の出来事が起きる。スケートボードが東京オリンピックの正式競技に決定したのだ。
「連絡がいっぱいくるようになりました。1個作るとそこに視察に来るじゃないですか。スケートボードパークとはなんぞやということで、『これは普通に作れないよね。誰が作れるの?』となった時に、うちに電話がかかってきました。ローンを返せると思いました(笑)」(木村さん)
◆スケボーできる環境も支援
そんな木村さんには、パークを作るのと同時に、大切にしている取り組みがある。
それは、スケーターを雇用すること。仕事を与え、スケボーができる環境をサポートしている。
木村さんの会社の従業員である渡辺雄士さん(35歳)は、「若い子たちと一緒にスケボーもできるし、仕事も一緒にできる。スケボーする人間に対して無償で提供してくれるのが、すごくありがたい」と感謝している。
木村さんのサポートはスケーターだけにとどまらない。子どもたちにもスケボーを教え、すそ野を広げている。
「みんなによろこんでもらって、『やっぱり木村さんに作ってもらうパークは楽しいな』って言われたいです」(木村さん)
「全国に楽しいスケートパークをたくさん作る!」――。そう宣言する木村さんに修造は、「全国木村パーク!!」とエールを送っていた。
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系