『クレヨンしんちゃん』ひろし役交代時の秘話。先代・藤原啓治さんが託した“手紙”
『お願い!ランキング』(テレビ朝日)のほか、YouTubeチャンネル「動画、はじめてみました」でも好評配信中の「声優コレクション」。
三ツ矢雄二と浪川大輔がさまざまなゲストを迎え、“声優”にまつわるトークを繰り広げる人気企画だ。
5月18日にYouTubeチャンネルで公開された動画には、アニメ『クレヨンしんちゃん』で野原しんのすけ役を務める小林由美子と、野原ひろし役を務める森川智之が登場。
ともに “2代目声優”ということで、知られざる声優交代の舞台裏について明かしている。
◆2人の“ひろし”、意外な絆
2016年から野原ひろしを演じている森川。それまでひろしの声優を務めていたのは、2020年に亡くなった藤原啓治さんだ。
「藤原啓治さんが病気でお休みすることになって代役になりました。代役としてちゃんと務めなくちゃというプレッシャーがすごくありましたね」(森川)
そんな考えで頭がいっぱいだった森川。最初の2カ月ほどは他の声優とは別で収録し、スタッフたちと稽古のようにディスカッションしながら役を作り上げていったという。
ここで三ツ矢が、「藤原さんと、もともとつながりはあったんですか?」と質問。これに森川は、次のように答える。
「声優としてのデビューが近くて。最初のアニメシリーズのときに彼がスタジオに来て、あの風貌でひょうひょうと演じていたんです。全然うまくできなくて口が合っていないのに、堂々としていて、『この人すごい人だな』と思いました。蓋を開けてみたら、それが彼のはじめてのアニメーションだったんです。お互いデビューが近いので、モブキャラやガヤ、兵士1とか2とかをいっぱい一緒にやって、それから30年くらいのつきあいがあります」(森川)
ひろし役の2人の声優は、実は新人時代から数々の作品で共演してきた30年来の盟友だったという事実が判明。
これを受けて浪川がさらに「ひろし役を引き継ぐときには、(藤原さんに)何か言われたりしたんですか?」と尋ねると…。
「実はスタッフの方を介して手紙をもらったんです。『森川しかいないから頼むぞ』っていうお手紙をもらいました。その手紙は今もすごく大切にしていて、仕事部屋の引き出しにずっと入れてるんです。今スタジオでひろしを演じていますけど、傍らに彼(藤原さん)のひろしもいて、一緒にマイク前で演じているという思いが自分のなかにあるんですよね」(森川)
今もなお続く2人の絆を感じさせるこのエピソード。浪川も感慨深い様子で「いい話ですね」と微笑んでいた。
動画ではこのほか、野原しんのすけ役の小林由美子が“しんのすけ交代”の裏側を告白。
国民的アニメキャラクターを演じるうえで苦労したこと、役づくりのために”とらわれすぎていたこと”などを赤裸々に語っている。
さらに森川は、これまで演じてきた人気キャラの声を演じ分けて「外郎売り」にも挑戦。必見だ。