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小堺一機、16年ぶりドラマ主演作は“令和”バランスの人情物語「とっても密なんですよ(笑)」

4月16日(金)に放送される『明治ドラマスペシャル ずんずん!』

直木賞作家・山本一力による同名小説を原作に、ひとりの牛乳配達員が起こしたささやかな“奇跡”を感動的に描き出す。

(c)山本一力/テレビ朝日

今回、主人公の牛乳配達員・田代龍平役を演じているのは、ベテラン・小堺一機。コメディアン・名司会者としておなじみだが、俳優としても映画・ドラマ・舞台で唯一無二の存在感を発揮してきた。

そんな小堺にとって、今作は16年ぶりのドラマ主演。作品や演じたキャラクター、そして鈴鹿央士、阿部純子ら若手俳優たちとの共演について話を聞いた。

――今回演じた“タツさん”こと田代龍平のキャラクターについて、どう感じましたか?

小堺:「昔はタツさんみたいな人がいっぱいいたんですけど、今は少なくなりましたよね。僕の子どもの頃なんかは近所の人のことやアパートの隣の人のことを知っていたりしたものですが、なかなかそうもいかないですし。

なにより、密になっちゃいけない時代に、このドラマ、とっても密なんですよ(笑)。タツさんは他人の生活にどんどん入っていくし。でも、それって自分のためというより、自然とほっとけなくなるんですよね。

自分がデビューしたての頃、怒られてばかりでうまくいかなかったときに優しくフォローしてくれた大道具さんのことを思い出しました」

(c)山本一力/テレビ朝日

――時代とのズレを描きつつも、それだけ魅力のある人物であると。

小堺:「そうですね。脚本もとてもリアルで、タツさんが『そういう人情ごっこはやめてください』って言われたりするところがバランスが取れているなと思いました。決して全員が賛成する人ではないかもしれないけど、心のどこかで『この人、いいな』と思ってもらえたら嬉しいです」

――若い世代の俳優さんたちとの共演はどうでしたか?

小堺:「もちろん僕も台本をきちんと読んでいろいろな芝居を用意して臨みますが、相手の芝居を受けることで、予想と違う芝居ができるんですよね。

たとえば『シュークリームお好きですか?』というセリフひとつにしても、現場で相手の方と向かい合って演じることで、自分も想像していなかった言い方が自然と出てくる。栗本役の鈴鹿(央士)くんをはじめ、若い共演者のみなさんが多かったので、今回のドラマではそういう経験がいっぱいありました」

(c)山本一力/テレビ朝日

――ドラマでは世代間ギャップも描かれていますが、小堺さんはそういうギャップを感じることはありますか?

小堺:「よく関根(勤)さんとも話すんですけど、僕の頭の中は25、26歳でとまっているんですよ(笑)。当たり前のことですが、最初にこの世界に入った時は全員年上でしたから、その感覚なんです、今も。

はじめてドラマに出たときは、本番で10回以上NG出して、照明さんにスタジオの上から『今日終わんねえのかよ』って文句言われましたから。それでもうまくできなくて、最後は棒読みでなんとかオーケーになりましたが、放送を見たらカットになってたという…(笑)」

(c)山本一力/テレビ朝日

――時代とはいえ、なかなかハードな経験ですね。

小堺:「昔は棒読みの役者さん、けっこういたと思うんですけどね(笑)。それに比べて、今の若い人はしっかりしていますよ。セリフもきちんと覚えていますし、自然に芝居ができることはすごいと思います。鈴鹿くんや阿部(純子)さんとは撮影の合間に最近見た映画の話をしましたし、勉強熱心で頼もしいです」

◆「好き」と「我慢しない」がバイタリティの源

(c)山本一力/テレビ朝日

――台本を読んで、こんな時代だからこそ“人と人が向き合って話すこと”の大切さをあらためて感じました。

小堺:「やっぱり生き物なんでね、人間は。今はリモートでもビジネスが確立されつつありますけど、何かが違うというか。たとえば実際にスターを目の前で見たときって、感動の大きさがまったく違うじゃないですか。

今はなかなか難しいと思いますが、人と人が直接会って話すという行為には、五感以外の何かで感じることって絶対にあると思うんですよ」

――ところで、今年65歳の小堺さんの働くことへの意欲やバイタリティはいかがですか。

小堺:「僕らはそもそも呼んでもらわないと仕事にならないですけど、家電製品にたとえるなら常にスタンバイになっているのが理想ですよね。

芝居の勉強といっても、どこまでが勉強かなんてわからないじゃないですか。もしかしたらYouTubeだって役に立つかもしれない。

何でも『勉強』のためにって思うといやらしくなってしまうけど、僕の場合、単純に『好き』なだけなんです。『勉強しよう』と思って映画を見ても、頭に入ってこないんですよ。ただ、あんまり好きすぎて、ついネタバレしてみんなから怒られちゃうんですけどね(笑)」

(c)山本一力/テレビ朝日

――では、そんな小堺さんにとって活力の源は何でしょう?

小堺:「“我慢しない”ことですね。節制することでストレスになって具合が悪くなることってあると思うんです。僕は見たい映画があったらその日のうちに時間をつくって見にいくようにしています。

一度、大病を患ったときに思ったんですけど、病気をしちゃうとそのことばかり考えて何もできなくなってしまうんですよ。アントニオ猪木さんじゃないですが、元気であることが本当に大事だと思いますし、そういった思いを胸に、これからもしずしず歩いていこうと思います」

“しずしず”と自身のこれからについて話した小堺だが、かたや今作で演じた田代龍平は、“ずんずん!”と力強く人とふれあっていくキャラクター。

そんなお節介で世話焼きの“タツさん”が令和の時代に繰り広げる人情ドラマ、必見だ。

<取材・文/中村裕一>

※番組情報:『明治ドラマスペシャル ずんずん!
2021年4月16日(金)よる11:15~深夜0:15、テレビ朝日系24局(地域によって放送時間が異なります)

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