ライバルなのに、「がんばれ清宮」って。中田翔が明かす、“一番弟子” 清宮幸太郎への特別な思い
テレビ朝日が“withコロナ時代”に全社を挙げて取り組む初の試み『未来をここからプロジェクト』。
日曜あさの情報番組『サンデーLIVE!!』内で放送中の『TOKYO応援宣言』では、「未来は褒めることから」と題し、褒められて飛躍を遂げたアスリート、褒めることで選手を伸ばしたコーチの逸話など、スポーツにまつわる“褒めエピソード”を紹介している。
12月13日(日)放送の同番組では、日本ハムファイターズの中田翔(31歳)を特集。後輩である清宮幸太郎(21歳)との秘話を語ってもらった。
◆ライバルなのに…「がんばれ清宮」
2020年、キャリアハイとなる31本のホームランを放ち、勝負強いバッティングで打点王のタイトルも獲得した中田翔。
ワイルドすぎる風貌からは想像がつかない“意外な一面”があるという。
「僕、褒められて伸びるタイプなんです。(後輩にも)褒めて伸びるタイプっていると思うので、『エグいな今のバッティング』とか『あの当たりスゴイな』と言ったりしますよ。そんな言葉で伸びてくれるのであれば、チームとしては大きなことですから」
なかでも目をかけている後輩が、清宮幸太郎。
実はこの2人には共通点がある。中田は高校時代、当時最多となる87本の本塁打を記録。一方、清宮は歴代最多111本のホームランを放ち、ともに鳴り物入りで日本ハムに入団した。
「やっぱり同じドラフト1位で入って、清宮の方が注目度はスゴイですけど、ああやって(注目されて)入ってきて、エラーしようがホームラン打とうが遅刻しようが何しようが(スポーツ紙の)一面ですから。あの苦しさは僕もありました」
お互いに経験した周囲からのプレッシャー。ただ、共通点があるというだけで目をかけているわけではない。
「ファーストとしてはライバルだし、あいつが打ったら僕は試合に出られないんですけど、清宮、清ちゃんに関してはちょっと違う感情が入ってしまうというか、『おまえもツライよな、おまえもがんばってるよな』っていう。練習がんばっている風景も見ているし。何もやってないわけじゃないですよ。あいつはがんばっているんですよ。だからなおさら『がんばれ清宮』って思っちゃうんスよね。ライバルなのにね」
◆「おまえは打ってチームのみんなをよろこばせればいい」
しかし、そんな清宮は入団から3年間、思うような成績を出せていない。もがき苦しむ清宮との間にあった秘話を中田が明かしてくれた。
それは2020年シーズンのロッテ戦。1点リードで迎えた9回2アウト1、2塁。あとアウト1つで勝利となる場面で、清宮はファーストを守っていた。
しかし、1塁ランナーを刺そうとしたキャッチャーの送球をとることができず、同点に追いつかれ、その後敗戦。グラブに当てていただけに、悔いの残るプレーだった。
これに対して、中田はこんな言葉をかけたという。
「そこで僕はしっかりと、30分くらい話したかな。『ミスは誰でもするし、みんなそうやって怒られて成長してきているんだから、その分おまえは打ってチームのみんなをよろこばせればいいわけだから』って。『はいがんばります』って泣きながら言っていたけどね。だから『おまえ、スゴイ感動してるな』って言ったら、(清宮は)『感動しています』って。涙流すくらい悔しかったんだから、やると思いますよ今後」
どんなときも清宮を褒めつづける中田翔。そんな彼にとって「褒める」こととは…。
「選手をやる気にさせる。褒めるってそういうことだと思いますし、褒める側にも責任はあると思うんですよね。褒めてその選手が手を抜きだしたら元も子もないじゃないですか。だから褒めることは選手を成長させる、またワンランク上のレベルに送り届けてあげるというか、それくらいすごく重要なことだと思います。(清宮は)僕の一番弟子っていうことにしといて、あいつが活躍したら俺の手柄だし。活躍しなかったらチームのせいだから」
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系