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ジャルジャル・後藤「スクール水着で暴れててんけどな(笑)」自宅でネタ収録後、何事もなかったかのように家族で食事

斬新な発想と世界観でネタを生み出し、バラエティ番組、映画、ヌード写真集、海外公演、YouTubeやオンラインネタサロンなどさまざまなチャレンジを続けているジャルジャルの後藤淳平さんと福徳秀介さん。

約8,000本という圧倒的な数のネタを持ち、2018年からYouTubeで毎日ネタ動画をアップし、2039年まで続ける予定だという。2010年には映画初出演にして『ヒーローショー』(井筒和幸監督)に主演。俳優としても注目を集め、後藤さんは映画『銃』(2018年)や映画『記憶にございません!』(2019年)に出演。初主演映画『ロックンロール・ストリップ』が現在公開中。

◆三谷組の撮影現場は夢のなかみたい

2019年、後藤さんは三谷幸喜監督8作目となる映画『記憶にございません!』に出演。この映画は、市民の投石によって記憶を失くしたことで“悪徳総理大臣”から“善良なおじさん”へと変貌した黒田啓介(中井貴一)が、日本を本気で変えようと奮闘する政界コメディー。後藤さんは、「影の総理」とも称される内閣官房長官・鶴丸大悟(草刈正雄)の秘書官・八代を演じている。

-出演されることになったのは、監督のご指名だったそうですね-

「そうです。『すごい普通の人がおるな』って思ってくれたらしくて。普通の人を探していたというわけではないでしょうけど、三谷さんの映画ってキャラが濃い人が多いじゃないですか。そこにほんまにノーマルの感じで出てほしかったみたいです。

はじめてお会いしたときに『テレビにすごく普通の人が出ているなと思ったんですけど、生で見ても普通ですね』って言われました(笑)。『普通でええこともあるんやなあ』って」

-三谷組はいかがでした?-

「いやあ、いまだに嘘みたいです。そうそうたるメンバーすぎて、夢のなかみたいな感じ。周りがすごすぎて。

経験がないので緊張しっぱなしでしたけど、監督が結構気を使ってくれて、待ち時間とかしゃべりかけてくださいました」

-クールな人かと思ったら、実は人間味のある秘書というユニークな役でしたね-

「はい。髪型とかもそうですけど、キャラに入ってやることができたので、結構すんなりできました」

-完成した映画をご覧になっていかがでした?-

「このなかに自分がおるというのが、すごい不思議でした」

-ご両親も喜ばれたのでは?-

「すごい喜びました。三谷さんの作品が大好きなので。これは、親孝行のひとつかもしれないですね(笑)」


(C)木下半太・小学館/タッチアップエンターテインメント
映画『ロックンロール・ストリップ』テアトル新宿ほか全国順次公開中
配給:有限会社ベストブレーン
監督・脚本:木下半太
出演:後藤淳平(ジャルジャル) 徳永えり 智順 三戸なつめ 坂口涼太郎 品川祐 ほか

◆単独初主演映画でストリップ?

後藤さんと言えば、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「踊りたくない芸人」でもおなじみだが、現在公開中の単独での初主演映画『ロックンロール・ストリップ』ではダンスシーンも披露している。

※映画『ロックンロール・ストリップ』
映画監督を夢見る弱小劇団の若き座長・木村勇太(後藤淳平)が、劇団員ともにストリップ劇場で渾身(こんしん)のパフォーマンスを繰り広げながら奮闘する痛快エンターテインメント。

-今回は単独映画初主演ですね-

「はい。『ヒーローショー』の頃はまだ何もわからないまま、コンビで出させてもらって、あとは三谷さんの映画もそうですけど、ワンポイントでちょっと出させてもらうという感じやったんですよね。

だから、マネジャーさんからこの話を聞いたときには、単独主演というのははじめてやし、何か恥ずかしいというか、不安になりました。

チョイ役とは違う、僕の出来次第で全体のよし悪しも変わるだろうし、大丈夫かなって。

でも、台本を読んだら、僕が芸人をはじめた頃と重なるところもあったので、『これならできるかもしれない』と思って引き受けることにしたんです」

-この作品は木下半太監督の自伝的小説が原作ということで、プレッシャーもあったと思いますが-

「そうですね。プレッシャーもありましたけど、監督がずっと楽しそうやったんで、それに救われたというか。

ほんまにキラキラしながら監督している様子を間近で見ていたので、それに引っ張られてみんな楽しくできました」

-監督からは何か特別言われたことはありますか?-

「はい。『後藤君も芸人の駆け出しの頃、同じような思いをしているだろうから、その頃の気持ちを思い出してやって欲しい』というぐらいですね、言われたのは。

僕も下積み時代に、『自分らはいける』という根拠のない自信はあるんやけど、何をどうしたらいいかわからへんというもどかしい思いがあったので」

(C)木下半太・小学館/タッチアップエンターテインメント

-撮影で印象に残っていることは?-

「いっぱいあるんですよね。まあ、裸のシーンとかもあったんですけど、共演者の坂口(涼太郎)君のダンスや動きがすごすぎて(笑)。

あんなのは台本に書いてないんですよ。ト書きにも、ここで腰をめっちゃ振るとか、クネクネするとかいうことは書いてないんです。

だけど、坂口君はもう完全に台本を超えてきていて、ダンスもめちゃくちゃキレキレじゃないですか。それを見てちょっと圧倒されてしまって(笑)。

『すげえなあ』って思って。だから、それにも食らいつかなあかん、邪魔をしたらあかんというので、ダンスの練習は僕、頑張ってやりました(笑)。先生につきっきりで、動画も撮って、それをあとで見て練習したり…大変でしたね」

-運動神経がいいですし、ネタでも結構海パン姿になったり、ヌード写真集もあったので、裸のシーンも違和感ないですね-

「そうですね。裸のシーンはそんなに僕も躊躇(ちゅうちょ)なくできるんですけど、ダンスがね(笑)」

-体型も昔から変わらないですね-

「そうですね。あまり変わらないですね。それこそ、からだ自体にも特徴がないというか、普通のからだで(笑)。昔、ラグビーをやっていたときにはもうちょっと筋肉があったんですけど、筋肉がただ落ちただけという感じです」

-『しくじり先生』(テレビ朝日系)で、実は緊張したり動揺しているのに顔に出ないからそう思われないと言ってましたね-

「そうなんです。あまり焦っている感じとかが表に出ない。こういうお芝居もそうなんですけど、客観的に見たときに、僕が思っている、感じている半分くらいしか、表情には出ていないというか…。

自分ではもっとやっているつもりなのに、画面で見たときに全然やれてないなあって。

『ヒーローショー』のときは、セリフが少なくて雰囲気系の役やったんで、それでもいけたんですけど、今回はそれが自分のなかでは、『もうちょっと何か出せたんちゃうかなあ』っていうのがあって」

-なかなか芽が出ないジレンマ、焦燥感がよく出ていましたね-

「いやあ、もっと表に出したいんですけど、なかなか出ない(笑)。

コントをやるときは、決まったセリフがあるわけではなくて、自分たちで考えたキャラになりきって気持ちをしゃべるだけやけど、映画では用意されたセリフを自然にしゃべらないといけないじゃないですか。

それがすごく難しいんですよね。普段しゃべっているときは、手をどこに置いているかとか、動きとかを意識していないので、どうしたらいいのかわからない。どうしても動きが固くなったりして苦労しました。

でも、根拠のない自信だけはあるんやけど、まだ何者でもない若者が、夢をつかむために仲間とともにもがき、あがきながら奮闘する尊さやまぶしさは感じてもらえる作品だと思います」

◆自粛期間は家でリモート配信、子どもたちの反応は…

私生活では2011年に結婚、7歳になる長男と5歳の次男のパパ。新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛期間はYouTubeの配信も自宅で収録したという。

-約2か月あまりの「STAY HOME」期間、お子さんたちは喜んだでしょうね?-

「そうですね。家でコントをするんですけど、リモートで。どう思ってるんやろうなぁと思って。

スクール水着を着て暴れまわったりとか、むちゃくちゃなこととかもやっているんですよね(笑)。変な格好したりとか、変なことをめっちゃ言ったりとか、それを同じ空間にいてるんですけど、どう思っているのかなって。

最初のうちは興味を示していたんですよ。でも、だんだんそれが日常になってきて、景色と化して(笑)。

ものすごい変なことをやっていた後で、みんなで食卓を囲んで『いただきます』とか言って、ご飯を食べたりしているんですけど、それに関して何も触れてこないんですよ。

それがジワジワおもろなってきて(笑)。『さっきまでスクール水着で暴れててんけどな』って(笑)。それが妙におもしろいですね。

『子どもたちは何を感じているんやろな?』って思います。聞かないですけどね。『何か質問あるやろう?』と思いながら食事したりしていますよ」

-お子さんたちは何を思っているのでしょうね?-

「それが当たり前やと思っているんでしょうね(笑)」

-今後はどのように?-

「僕らは2006年から毎年欠かさず単独ライブをやって来て、単独ライブを軸に考えていたんですけど、コロナウイルスの影響で『JARUJARUTOWER2020-ジャルってんじゃねぇよ-』も中止になってしまいました。

単独ライブができないってなってリモートで、YouTubeを使って配信をやるようになりましたし、今後もネタというのを軸に、いろんな楽しんでもらいかたができるんじゃないかなって思っています。

やっぱり僕らの強みは、ネタ数と自分たちが楽しんでいることやと思うんです。高校の頃、相方とお笑いして遊んでいたときのワクワクを忘れないで、お互いに即興で気になったことを言い合っているうちに、それがネタになっていくという感じ。

僕らはふたりともお酒が飲めないし、タバコもギャンブルもやらないので、お笑いをやっているときが一番楽しい。

即興でやっているうちに、予期していなかったような形が出来上がったりして、それがおもろい。なんぼでもできますね。

あと、有料会員にネタサロン『ジャルジャルに興味ある奴』というのをやっているんですけど、そこをもっと充実させていけたらなというのがありますね。これから色々変わっていくでしょうからね」

芸歴17年。コロナで中止になったコントライブ『JARUJARUTOWER2020 -ジャルってんじゃねぇよ-』を映像作品にしようという計画も。コロナ禍でもポジティブに新しいチャレンジを続けるジャルジャルの活躍に期待が高まる。(津島令子)

スタイリスト:中村陽子
ヘアメイク:伊荻ユミ
衣装提供:CAVE (TEL 06-6543-0320)

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