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俳優・中山麻聖、映画撮影でパンチ連打からの平手打ちが…そこで学んだ“あること”

高校卒業後、本格的に俳優として活動をはじめた中山麻聖さん

NHK大河ドラマ『篤姫』、舞台『ミュージカル テニスの王子様』など、テレビ、映画、舞台に多数出演。2009年には、小学校4年生のときに両親が離婚して以降、離れて暮らす父・三田村邦彦さんと『旅の香り~四季の名宿めぐり~』(テレビ朝日系)ではじめて共演。そして2012年、初主演映画『アノソラノアオ』では親子役を演じている。

◆「自分には何もない」と思い知らされて

高校時代も俳優の仕事をしていた中山さんだが、卒業後は内装のアルバイトもしていたという。

「高校を卒業してすぐだったと思います。芝居をやっている友だちがいて、この仕事に理解がある人がいるということで紹介してもらいました。

急にオーディションが入ったり、仕事が入って来られなくなっても大丈夫というケアをしてくださったので、本当にお世話になりました」

-主役もいろいろされていますが、それまでオーディションはかなり受けたのですか?-

「もちろん、いっぱい受けました。何本といわれても、もう覚えていないくらいありました(笑)」

-モデルのお誘いもあったのでは?-

「いえ、あまりモデルの方などはなくて。お芝居がしたくてやっていたので、とにかくどんなものでも芝居のほうに行きたいという思いが強かったです」

若手イケメン俳優として人気ドラマや映画、舞台で活躍していた麻聖さんだが、2010年、自分を見つめ直すため、事務所を辞めてゼロからスタートすることにしたという。

「次のことなど、本当に何も決めてなかったので、1年間放浪していた感じなんですけど、そのときに自分には何もないということを実感しました。

ものすごく不安でした。不安しかなかったです。『このまま何も決まらないんじゃないか』って思って」

-それまでにもすでにいろいろな作品に出演されていましたが、自信には?-

「ないです。出演作があるから大丈夫というようなものは、自分には一切ないです。運と縁というのもあると思いますが、自分のなかでは変わらず崖っぷちにいる気持ちでいないと、だめになってしまうと思うので。

その頃のことを思い出すだけで怖くなっちゃいますね(笑)。本当に何もないし、何をやればいいかとか、もう何もなかったですから(笑)。

最近になって、やっと少しだけ、本当に少しだけなんですけど、いろんなことが見られるようになったかもしれません。

ちょっと前からですけど、本多劇場やアゴラ劇場などにおうかがいして、舞台を見させていただくことが増えてきています。月に何本かですけど、見たあとは…。

楽しいんですけど、考えちゃってますね。『自分だったら、どうするんだろう?』とか、すごい不安に襲われることが多いです。

考えれば考えるほど、深いところに行ってしまって…。それがお芝居の魅力だったりするんですけど(笑)」

◆父・三田村邦彦さんと父子役で共演!

2012年、『アノソラノアオ』で映画初主演をはたす。この映画では、麻聖さんがお芝居で初めて父・三田村邦彦さんと父子役で共演することに。

※映画『アノソラノアオ』(ナシモトタオ監督)
2004年の新潟・福島豪雨で母親を亡くした陽介(中山麻聖)は、映画の専門学校に通っているが、父親(三田村邦彦)には反対されている。学校で知り合った仲間や地元の友人たちと一緒にSF映画の撮影を始めるが、監督が事故で亡くなってしまう…。

-お父様との共演はいかがでした?-

「役者としても人間としても尊敬しているので、いつか共演できたらと思っていましたけど、意外とはやく実現してうれしかったです」

-お父様は麻聖さんのお仕事については何かおっしゃっています?-

「父親のスタンスとして、自分から何かアドバイスをするということはしたくない人みたいで。

それは、『必殺シリーズ』(テレビ朝日系)で共演した藤田まことさんの教えらしいんですけど、『聞かれたら答えるけれども、聞かれなかったら言いたくない』というのがあって。

『アノソラノアオ』のときも、芝居の話は一切2人でいるときはしてなかったです。

でも、僕が相談したことに対しては、ものすごく全力で答えてくれるので、それはすごくうれしいです」

-あの映画では、父親に殴られるシーンもありましたが、はじめてのことだったのでは?-

「はい。1回も殴られたことがないので、あのときはじめて父親の拳が入りましたね」

-実際に当たったんですか-

「はい、実際に当たりました。あれも本来ですと、僕が縁側で立ち上がって、一発バチーンっておやじがたたいて僕が部屋に帰るというシーンだったんです。

でも、目の前に父親が立つということが、普段はなかったので、思っていた以上に僕が成長していたんでしょうね。

一発目に空振りをしたので、『あっ、すかしたな』って思って、これで終わって僕が部屋に帰るだけだなと思ったら、ものすごい連打がきたんですよ。

それこそアドリブなんですけど、5、6発殴られて連打がやんだので、『何してるんだろう?この人』って顔を上げた瞬間、最後に平手でバチーンって頬に入って…。

あまりにもそれが衝撃的すぎて、そのときは痛みが一番強かったんですけど、終わってみると、うれしかったり、悲しかったり…いろんな感情が出てきて。

監督はそれを見て『実の親子だからできたことだと思うし、それがリアルだからありがとうございます』っておやじに言っていて、『あっ、そういうことなんだな』って。

僕がやろうとしていたことは、すべて段取りにしか過ぎなかったり、言われたことをやろうとしていただけで、その人の目的というのが、はっきりしてなかったというのがあって。

あのとき、おやじからは言葉じゃなくて芝居で教わったというのは、すごく思いました」

-スクリーンで、あのシーンをご覧になったときはどうでした?-

「『あり得ないものを見ているな』って(笑)。僕がおやじに殴られているというのは、兄たちも見てくれたんですけど、『あー、やられているじゃん』って笑って見ていました。

撮影が終わって改めて見て、やっぱりうれしかったです。父親と同じ画のなかにいて、芝居ができているというのは、なかなかできそうでできないことだと思うので。素直にそれは一番うれしかったですね」

◆夢は父と時代劇で共演

-今後もまた共演の機会があると思いますが、やってみたい作品はありますか?-

「僕はおやじと時代劇をやるのが夢です。できれば映像がいいんですけど、いろんな妄想はあります。寡黙(かもく)な稼業(かぎょう)を継いでいる息子がいるとか」

-親子で必殺シリーズというのは?-

「それはやりたいです。おやじがやっていた『必殺シリーズ』の飾り職人の秀のかんざしは、この世に3本あるらしいんですけど、1本はおやじが持っていて、1本は撮影所にあって、もう1本はどこにあるかわからないそうなんです。

その1本をおやじから僕が受け継いでるんですよ。今、そのかんざしは僕の部屋にあるので、『いつでもいけます』という状態ではあるんですけど(笑)」

-親子2代で「必殺シリーズ」、すごいですよね-

「いつか、もしできたらいいですね。仕事人じゃなくても、時代劇をずっとやってきたおやじと一緒に時代劇をやりたいという夢はあります」

-お父様にその話をされたことはあるのですか-

「旅番組をおやじとやらせてもらっているときに、チラッとそんな話はしたんですけど、『まだお前にははやい』みたいな感じで軽くいなされた記憶があります(笑)」

-お父様とはずっと定期的に会われていたのですか?-

「そうですね、1年に1回とか、数カ月に1回ですけど、成人してからは、ほぼコンスタントに会っています。おやじが再婚して妹も生まれたので、会いに行きました。

すごく可愛いんですよ。生まれたときからくっきり二重(ふたえ)で、おやじが溺愛していて(笑)。 生まれたときから二重ってなかなかないじゃないですか。

生まれた瞬間に、『おやじの子だ』ってみんなで言っていました(笑)。すくすくと育っているので、どんな子になるのか楽しみです」

とても愛しそうに話す眼差しに優しさが満ちあふれている。次回後編では、映画『轢き逃げ 最高の最悪な日』(水谷豊監督)と映画『牙狼<GARO>-月虹ノ旅人-』(雨宮慶太監督)のエピソードと撮影裏話も紹介。(津島令子)

(C)2019「月虹ノ旅人」雨宮慶太/東北新社

※映画『牙狼<GARO>-月虹ノ旅人-』
Blu-ray&DVD 発売中!配給:東北新社
原作・脚本・監督:雨宮慶太
出演:中山麻聖、石橋菜津美、水石亜飛夢、螢雪次朗
松田悟志 渡辺裕之 / 小西遼生 京本政樹(特別友情出演)
この世の闇に棲みつく魔獣ホラーと戦う魔界騎士たちの姿を描く「牙狼 GARO」シリーズ最初の主人公で雷牙(中山麻聖)の父である冴島鋼牙を演じる小西遼生をはじめ、渡辺裕之、京本政樹らこれまでシリーズを彩ってきたキャストが集結!

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