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「ふるさと納税」でアフリカの陸上選手を支援。「日本が発展しているのは…」

写真提供:久野真一/JICA

テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。

今回修造が訪れたのは、群馬県前橋市にあるグラウンド。練習をしていた外国の選手たちに「グッドモーニング!」と元気よく声をかける。

すると返ってきたのは、日本語の「おはようございます」という言葉。「Where are you from?」と修造が尋ねると、「南スーダン!」とまたしても日本語が返ってきた。

彼らは、東京オリンピック・パラリンピックに出場する南スーダンの代表選手団。選手4名にコーチ1人の計5名、それぞれが陸上競技のメンバーだ。

◆内戦の影響から逃れてきた五輪選手たち

南スーダンはアフリカ大陸に位置し、2011年に独立した世界で最も新しい国。

日本の約1.7倍の国土を持つこの国では、独立する前から60年以上もの間、宗教や民族の衝突から紛争がくり返されてきた。2013年から現在まででも、病気や栄養失調も含め、40万人もの人々が亡くなったという。

母国での生活について選手たちは、「ずっと内戦の影響を受けてきた」「寝るところも、食べるものも手に入れることができない」と語る。

国内で行われる陸上の大会では、砂利道のトラックを裸足で走る選手がいるような有り様で、五輪本番までまともな準備ができる状況ではなかった。

そんな中、救いの手をあげたのが群馬県前橋市だ。前橋市は、どこの国の選手団よりもはやい去年の11月に選手たちを日本に招待し、母国よりも良い環境で練習してもらおうと支援を行っている。練習時の通訳やコーチも市民ボランティアが務め、5人のために28人がサポートしているという。

そして、衣食住も全面サポート。ちなみに食事面に関して選手団のお気に入りは、“ファミレス”だとか。

©テレビ朝日

さらに、選手たちが日本に馴染めるよう、週に4回の日本語学校での授業も行っている。熱心に勉強する選手たちは、めきめきと日本語を上達させているのだそう。

◆支援資金は驚きの…

ところで、彼らを支える資金はどこから出ているのかというと…実は「ふるさと納税」!

「ふるさと納税」は、全国どこでも自分の好きな自治体に納税をすることができる制度で、その使い道まで納付者が選ぶことができる。前橋市ではふるさと納税を通じ、全国から南スーダン選手団をサポートできるようにしていた。

こうしたバックアップもあり、今では前橋市にすっかりなじんできた選手たち。

正月には日本伝統の餅つきも体験。市民たちを大いに盛り上げた。

©テレビ朝日

選手たちは前橋で生活するなかで、東京五輪に向け、ある思いを抱いたという。選手団のアブラハム選手は、次のように語る。

日本が発展しているのは平和な国だからだと思います。だから僕らの国も平和を学んだら、きっとよくなると信じています。オリンピック、パラリンピックを通じて、『みんながお互いに愛し合うべき』。これがみんなに伝えたいメッセージです

南スーダン選手団のできる宣言は「We will carry our experience of Tokyo2020
Back to South Sudan and help bring Peace!(平和のために東京2020の経験を南スーダンに持ち帰りたい)」。修造は「できる!」と本番でも彼らを全力で応援することを誓った。

©テレビ朝日

※番組情報:『TOKYO応援宣言
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系