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ハナコが語る、“テレビでウケる”コントのつくり方「いつもよりもっとシンプルでいい」

キングオブコント優勝経験のあるハナコに加え、ゾフィー、かが屋、ザ・マミィといま勢いのある“第7世代”のコント師が集結。視聴者から投稿された悩みや失敗を笑いに変えて、この4組がシャッフルコントを披露する『お助け!コントット 生放送でコントに挑戦!1時間スペシャル!!』が9月28日(月)に放送される。

今回は、収録を終えたばかりのハナコ(菊田竜大、秋山寛貴、岡部大)にインタビューを敢行。収録の舞台裏やテレビと舞台の違い、番組企画同様にコントにしたいと思えたプライベートでのエピソードなどを語ってもらった。

 

◆「目の肥えたスタッフさんが笑ってくれるとホッとする」

――『お助け!コントット』では、ゾフィー、かが屋、ザ・マミィとのシャフルコントに挑戦していますね。

岡部:普段からめちゃくちゃ仲がいいメンバーだから、コントをやってるときも、打ち合わせしてるときも、1日中ずっと楽しいんですよ。休憩中もずっと裏で笑ってるみたいな。『東京 BABY BOYS 9』もそうでしたけど、そのメンバーで、テレビで番組をやれるのは夢みたいです。

菊田:僕もこのメンバーに会うと、学校の友だちに会う感覚と同じで、テンションが上がるんですよ。ただ、思い入れとか感慨深さは、とくにないです。いろんな芸人さんから、“テレビでコントできていいね”って言われるんですけど、ああ、いいんだろうなって。

秋山:ぜんぜんピンと来てないんだ(笑)。

――テレビのコントだと、普段のライブとは準備することが違うのでしょうか?

岡部:セットや小道具が使える分、準備はすごく大変です。ネタからカメラワークや小道具の打ち合わせを含めて、期間は1ヶ月くらいなのに、体感としては、長い時間をかけて単独ライブの準備するのと同じくらいの濃さを感じました。

秋山:この1ヶ月は『東京 BABY BOYS 9』やラジオコントなど、他の仕事と並行していたので、ほぼ毎日なにかの打ち合わせをして、本当にバタバタでしたね。

――『お助け!コントット』でも、多くのネタを準備していたのでしょうか。

岡部:ネタ会議でも、ホワイトボードを2つ使っても全然スペースが足りずに、何度も消して進めてました。

――苦労して準備した結果、収録現場での手応えを教えてください。

秋山:まず新ネタで人に見せるのがはじめてだから、スタッフさんにウケると安心しますね。

岡部:これまでにスゴい先輩たちを撮ってきた、目の肥えたスタッフさんが笑ってくれるとホッとするというか。

秋山:リハでウケなかったら足す人もいましたね。今日の収録だと、ザ・マミィの林田(洋平)君。常にウケたいって気持ちがあるのか、繰り返し撮ると同じことを言わない感じでした。

 

◆「テレビのコントはいつもよりもっとシンプルでいい」

――舞台のライブとテレビでは、コントの作り方も違うのでしょうか。

秋山:まだコツを掴みきれてないんですけど…。『東京 BABY BOYS 9』では、1回目の収録でカフェのセットで収録を終えて、2回目にもまた同じセットで収録をする。そこに向けて、すでに知ってるセットのアイデアを考えるのは、新鮮な感覚でした。まず、同じセットで2回目があるってスゴいなって。

岡部:今日みんなで話していたのは、テレビのコントはいつもよりもっとシンプルでいいよねってこと。ただ変なヤツが出てきて、そいつが変なことをするだけでおもしろくなるから。

普段のライブみたいに、設定、設定って意識してやると、テレビの画面を通して見たときに、意外とわかりづらかったり、変に野暮だったりする。稽古をしてても、“最初のフリの部分はもっと短くていいよね”って削っていくこともありました。ただ逆に、このテンションでキングオブコントにもっていったらウケないよねって話もしていて。

秋山:ああ〜そこはぜんぜん別モノだよね。

岡部:キングオブコントだと、もっと凝った設定で、裏切りのあるシナリオが必要。でもテレビの場合は画力(えぢから)が重要で、変な顔や変な声でめちゃくちゃおもしろくなる。それぞれの違いを意識するようにはなりましたね。

――秋山さんは『Mr.ビーン』シリーズがお好きとのことで、あの作品はセットがしっかりしているからこそのおもしろさもあると思います。テレビのコントだと、少し似た部分もあると思うのですが。

秋山:『Mr.ビーン』って、主役の隣にいる名もない登場人物がツッコミを担っているんですよ。変なことをやっているMr.ビーンを、ちらちら見るとか。

いまテレビでやっているコントでも、まさに同じことをやってるなとは思います。『コントット』だと、ザ・マミィの酒井(尚)君のちょっとした目線がおもしろかったり。『東京 BABY BOYS 9』では、ゾフィーのサイトウ(ナオキ)さんが眉間にシワを寄せるだけで、笑いが起きたりして。

テレビだと、舞台と違ってカメラワークがあるのが大きな違いだと思うんですよ。ちょっとした表情、目線の動きだけでウケるのは、いままでになかった体験です。

――菊田さんは、こういったネタの話題には加わらないんですか?

菊田:はい。ネタに関しては話すことがないので、入る余地がないですね。

 

◆『NEXT 国宝級イケメン』神尾楓珠とコント「イケメンの顔を見て笑うって、新感覚」

――今回は髙橋ひかるさん、神尾楓珠さんと一緒にコントをやりましたが、いかがでしたか?

菊田:ああ、緊張はしましたね。あんまり演技が下手だと思われたくないし。

秋山:演技にプライドを持ってたんだ。…え、それ本音?

菊田:…なにか言わないとダメだと思って、適当なこと言っちゃいました。すみません。

秋山:やっぱりそうか。でも、髙橋さんと神尾さん、ふたりともめちゃくちゃうまかったですね。舞台ばっかりやってきた僕たち芸人がいま初体験している、ぼそっと言ったほうがおもしろいとか、そういうやり方が上手。

コント番組のゲストとして呼ばれたからってことで、もっと大げさにやっちゃうのかなと思ってたんです。“違うだろ!”“なんでだよ”とか。でも、ずっと自然な演技で、シチュエーションでやると、俳優さんの方が強いのかなと思うくらい。

岡部:今回のコントでは、周囲の女性が騒いでいて、イケメンの神尾君が“イケメン役として”困惑する場面があるんですけど。ずっときれいに戸惑ってて、仕草も全部完ぺき。やりすぎて臭くもならない。理想のイケメンでした。

菊田:たしかに、仕草はすごかった。イケメンなのに、イケメンの顔してたもんね。あと、イケメンの顔を見て笑うって、新感覚でしたね。

――『お助け!コントット』では視聴者の“悩み”や“失敗”をシャッフルコントで“笑い”変えていきます。今回採用されなかったけど、おもしろかったお悩みはありますか?

秋山:いや〜めちゃくちゃありますよ。

岡部:たとえば、マッサージ中に寝てしまって、起きたら終わってたけど、寝てる間に本当にマッサージしてくれてたのかな…とか。これもコントにしたかったな〜。

――では、最近あった出来事で、これはコントにしてみようかと思ったエピソードはありますか?

秋山:3人でタクシーに乗ったとき、岡部が行き先を“中目黒”と伝えたのに、ライブ会場の“なかのZERO”に連れて行かれそうになったことですね。

岡部:僕が“なかのZERO”って言った可能性は、完全にゼロですけどね。聞き間違えるのも難しいと思うんですけど、(運転手さんも)ぜんぜん譲らないんですよ。

――菊田さんは、なにかコントにしてみたい出来事はありましたか?

菊田:いまのと同じような話なんですけど。マンションの駐車場の入り口に車を停められちゃって、入れないことがたまにあるんです。つい最近も、家に帰ったときに車が停まってて、運転手もいなくて。あれは困りましたね。

岡部:…え、どこが似てる話だったんですか(笑)。

 

◆岡部、幅広い役をこなすも「特に何も変えずにやってる」

――いまの鋭いツッコミのように、ハナコのネタでは岡部さんがツッコミ役に回ることもありますよね。『お助け!コントット』では、配役はどうやって決めるんですか?

秋山:設定と役柄ですね。できたネタの設定で、なんとなくハマる人を決めています。若くておとなしそうだったら僕や林田君が担当して、威厳のある役なら岡部。ぎゃあぎゃあ騒ぐ感じなら、ゾフィーの上田(航平)さん。

――たしかに、秋山さんの演じる若者の役はリアルに感じます。普段から若く見られがちですか?

秋山:そうですね。今回の『お助け!コントット』では女子高生の役をやっているのですが、周りはみんなカツラをつけてるのに、僕だけ地毛でやってました。

映画館でも遊園地でも、大人料金って言うとどの受付の人もちょっと不安そうで。居酒屋でも、20代半ばまではよく年齢確認されてましたね。

――逆に、岡部さんは若くも年上にも見える、不思議な風貌に感じます。コントで演じるキャラも、若者から年配まで、男女問わず幅広いですよね。

岡部:ああ、たしかに。でもどんな役をやるときでも、特に何も変えずにやってますね。ただ、相手によって反応が違うんですよ。“老けてるね〜”って言われることもあれば、“若いね”って言われることもあって。

――表情の作り方などで意識することは?

岡部:高校生の役なら、高校生の気分でやってはいるんですけど。それくらいかな。メイクも、だいぶ上の年齢の役をやるときは少し足しますけど、40代前半くらいまでの役なら、そのままやっちゃいます。

 

◆秋山、脚本の仕事に「いつかチャレンジしてみたい」

――岡部さんは朝ドラへの出演も話題になっていますが、その素晴らしい演技力を生かして、俳優の仕事を増やしたいという気持ちもあるのでしょうか。

岡部:そうですね。この春からそういった仕事もいただくようになったので、機会があればぜひ。

――俳優業をこなすお笑い芸人も多いですが、憧れる、尊敬する人はいますか?

岡部:事務所の大先輩、ネプチューンの(原田)泰造さんです。二枚目の役もやって、すごくかっこいいんですよね。ただ最近は僕も女優さんに告白される役を演じることもあって…。

秋山:これはすごいよね。

――菊田さんは、今後やってみたい仕事はありますか?

菊田:ファッションとゲームが好きなので、この2つに関する仕事はやってみたいです。

――最後に、秋山さんは挑戦したい仕事はありますか?

秋山:脚本の仕事は興味あります。まだ自信がないので、勉強してみたいという感じですけど。シソンヌのじろうさん、バカリズムさんみたいにドラマの脚本を担当する方もいるじゃないですか。自分にできるとは思わないけど、いつかチャレンジしてみたいです。

――じつは少し書き溜めてる脚本があったりします?

秋山:ないです、ないです。コントしか書いたことがないので、まだ10分以上の尺の話を書いたことはないです。

――将来的には、連続ドラマ、舞台、ドラマなどにも挑戦してみたいと。

秋山:うわ〜…できれば、まずはライトな企画からはじめられたらと。でも、いずれはやってみたいです。

<取材・文:森ユースケ、撮影:映美>

※番組情報:『お助け!コントット 生放送でコントに挑戦!1時間スペシャル!!
2020年9月28日(月)23:15~24:15、テレビ朝日系24局(関西地域のみ24:30~25:32に放送)

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