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トヨタのタナック、タイトル獲得へ負けられない一戦。 第12戦ラリー・スペイン開幕

WRC(FIA世界ラリー選手権)第12戦「ラリー・スペイン(10月25日〜28日開催)」がまもなくスタートする。

©WRC

全13戦を予定している2018年シーズンも、残り2戦。いまだ接戦が続くチャンピオン争いも、いよいよ佳境に入ってきた。

「ラリー・スペイン」は、WRCカレンダーでは「ラリー・デ・エスパーニャ(RALLY DE ESPANA)」と記載される。

この“DE”とは、スペイン語の前置詞で、文章の使い方にもよるが、大抵の場合は英語の“of”にあたる。

ちなみに、ポルトガル語やフランス語などでもDEを同じく前置詞として使っているので、WRCカレンダーの第4戦「ラリー・フランス」もカレンダー表記では「ラリー・デ・フランス(RALLYE DE FRANCE)」と記載されている。

しかし、「ラリー・ポルトガル」では通常の英語表記だ。この他にも、ラリーという単語自体も、WRCではRALLYとRALLYEという2種類の記載を大会によって使い分けている。

フォーミュラレースではこうした記載は統一されているのだが、ラリーではもともと各地の主催者の力や地域色が強かった名残があり、また世界的に元々の名称認知度が高いため、こうした記載も統一されていないようだ。

◆全13戦で唯一のミックスサーフェイスラリー

今回の「ラリー・スペイン」は、全13戦で唯一のミックスサーフェイスラリー。

ターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)の両方を、毎日コースが入れ替わる形で走行する。

©WRC

このため、マシンは毎日、規定で決められた短い時間のなかで、翌日に向けて大きくセットアップを変更しなければならない。

ドライバーとコドライバーだけではなく、チームのサービス力という総合的な力が試されるラリーになりそうだ。

そして、最終戦までもつれそうなドライバーズチャンピオンシップ争いは、現在、1位ヒュンダイのティエリー・ヌービルが189ポイント、2位フォードのセバスチャン・オジェが182ポイント、そして3位トヨタのオット・タナックが168ポイントで続く。

トヨタのタナックは、このラリー・スペインで上位2台を上回る必要があり、それが出来ないとタイトル争いからは脱落する可能性もある。

一方、チームの成績を競うマニュファクチュアラーズタイトルは現在、1位トヨタで317ポイント、2位ヒュンダイで297ポイント、3位フォード273ポイント、そして4位シトロエン187ポイント。

こちらはトヨタが徐々にリードを広げていて、WRC復帰後2年目、そして1999年以来のタイトル獲得に期待がかかる。

ラリー・スペインが開催されるのは、観光都市として有名なバルセロナから海岸沿いに西へ100キロほど離れたタラゴーナ周辺。

タラゴーナには古代ローマ時代の闘技場や水道橋が残っていて、この古代遺跡群は世界遺産に登録されている。

SS数は18。お披露目となる木曜日のSS1はバルセロナ市内で開催される。

金曜日は6つのSSで、そのほとんどがグラベル(未舗装路)となる。土曜日は7つのSSでターマック(舗装路)に変わる。日曜日は4つのSS。

この舗装路は、サーキットレースのように路面状態がキレイなSSが多く、トヨタのヤリ-マティ・ラトバラは「チャンピオンシップでいちばん状態が良いターマック(舗装路)」だと太鼓判を押す。

ヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンは「金曜日、長いグラベルコースで僕たちはマシンの限界を引き出す。しかし、土曜日になると路面は舗装路になり、僕たちはマシンからさらなる先の限界を引き出さなければならないんだ」とラリー・スペインでの難しさを語る。

◆ タナック「勝負は金曜日」

チャンピオンシップを争う上位3人のドライバーにとっても、ここは譲れないラリーだろう。

©WRC

現在3位につけるタナック(トヨタ)は、“金曜日”が勝負になると言う。

「もちろん楽じゃない。グラベルでは先にスタートすると路面のクリーニング役も果たさなければならない。しかし、距離も長く、ここで有利な状態でいなければ厳しい。翌日からのターマックではオジェが圧倒的な速さを見せるからね」と、土曜日以降はターマックで圧倒的な強さを見せるオジェ(フォード)を止めるのが難しいとの認識を示した。

©WRC

そのオジェは、「ラリー・スペイン」は大好きだと語る。

「ここはファンにとっても楽しいラリーだよね。一度に2種類のラリーが楽しめる。僕たちにとっても挑戦だ。僕個人的には、最初がターマックで後がグラベルの方がやりやすいけどね(笑)」(オジェ)

そして現在トップにいるヌービル(ヒュンダイ)は「ミックスサーフェイスは、WRCのなかで違うチャレンジだよね。でも、僕たち以上にチームにとってチャレンジになると思う。どう対応するかで状況が変わる」と、ドライバー以上にチーム力が影響すると予測した。

また今大会、元世界王者セバスチャン・ローブ(シトロエン)がスポット参戦する。

©WRC

ローブは舗装路では無敵の強さを誇り、グラベルラリーだった今シーズンのラリー・メキシコでも、途中のパンクがなければ優勝争いをしていたほどの腕前の持ち主だ。

ローブの状態次第では、チャンピオンシップ争いに波乱が巻き起こる可能性もある。

話は変わるが、すでにWRCでは来年に向けたニュースがいくつも飛び込んでいる。

まず、来年開催が期待された「ラリー・ジャパン」は2019年カレンダーには選ばれなかった。日本のラリーファンは東京五輪と同じ、2020年開催に期待を持ちたいところだ。

そして、トヨタチームのドライバーラインナップにも変更があった。

若手のエサペッカ・ラッピがトヨタチームを離れ、2019年からシトロエンに移籍。そして英国人ドライバーのクリス・ミークが、新たに2019年のトヨタチームに加入することが発表された

©TOYOTA GAZOO Racing

2019年のトヨタチームは、ラトバラ、タナック、ミークという経験豊かなドライバーラインナップとなる。

さて今大会、トヨタはマニュファクチュアラーズタイトル獲得に向けてどんなラリーをするのか?

タナック(トヨタ)はドライバーズチャンピオンシップで最終戦に可能性を残すのか?注目の「ラリー・スペイン」は間もなくスタートする。

デイ1の現地スタート時間は18時8分。日本時間では26日午前1時8分を予定している。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

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