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【WRC】大混戦のタイトル争い、トヨタ4連勝なるか。第11戦ラリー・グレートブリテン

WRC(FIA世界ラリー選手権)第11戦「ラリー・グレートブリテン(10月4日〜7日開催)」がまもなくスタートする。

©WRC

昔はRACラリーと呼ばれ、ラリー・モンテカルロに次ぐ古い歴史を持つ老舗ラリーだ。ちなみにRACとは王立自動車クラブ(the Royal Automobile Club)のことで、日本ではJAFとよばれる日本自動車連盟(Japan Automobile Federation)にあたる。

全13戦を予定している2018年のWRCシーズン。いよいよシーズン終盤に入ってきたが、ここに来てトヨタが第8戦ラリー・フィンランドから3連勝を飾ったことで、ドライバーズチャンピオンシップ、マニュファクチュアラーズタイトル、それぞれが大混戦となっている。

個人タイトルのドライバーズチャンピオンシップは、現在1位ヒュンダイのティエリー・ヌービルが177ポイント、2位トヨタのオット・タナックが164ポイント、そして3位フォードのセバスチャン・オジェが154ポイントで続く。

一方、チームの成績を競うマニュファクチュアラーズタイトルは、現在1位はトヨタで284ポイント、2位ヒュンダイで279ポイント、3位フォード244ポイント、そして4位シトロエン169ポイントとなっている。

個人タイトル、チームタイトル共に最終戦まで勝負は継続しそうなだけに、残り3戦どのチームも勝負を仕掛けると同時にミスが許されない。

ラリー・グレートブリテンは、この季節、雨や霧などが多いウェールズ地方で開催されているグラベル(未舗装路)ラリー。グラベルラリーだけに、予想外の出来事が発生しやすく難しい。2011年と2012年にここで勝利しているトヨタのヤリ-マティ・ラトバラも「勇気が試される非常に難しいラリーだ」と語る。

©TOYOTA GAZOO Racing

また「ラリー・グレートブリテンは挑戦であり、潮目をいかに掴めるかが重要です。昨年は表彰台を争い5位でした。ラリー・グレートブリテンでは、3つの要素が絡み合います。雨、夜間走行、そして霧です。昨年も夜間走行時にすごい霧がありました」(ラトバラ)と、雨や夜間走行に加えて、視界が遮られる霧が走りと結果に大きな影響を与えるという。

 

◆「何が起きてもおかしくないトリッキーなラリー」

さらに今年は最終日のパワーステージに変化があるため「他のラリーイベントとは違う戦略で日曜日に挑むことになるだろう」と関係者は予測する。

©TOYOTA GAZOO Racing

通常パワーステージは最終日の最後に行われ、上位5台のドライバーは総合結果とは別に最大5ポイントのポイントを獲得するチャンスがある。それまでにデイリタイアなど不運に見舞われたドライバーも、この最後のSSでポイントの巻き返しが図れる。

しかし、今回のラリー・グレートブリテンでは、最終日に予定しているSS19からSS23のうちパワーステージに設定されたのは、日曜日2本目のSS20。

素人考えでは、最終のSS23から早い時間帯のSS20に変更しただけだと思いがちだが、ここにはWRCルールの落とし穴がある。

SS20のパワーステージ加算ポイントは、最終SS23までを走りきったドライバーの上位5台が対象となる。つまりSS20でトップを取っても、残り3つのSSでリタイアした場合、SS20のポイントは加算されない。

では、SS20以降は安全マージンを取れば良いと思うのだが、もし総合順位で他のドライバーと1秒、2秒差を競っていた場合、そういう訳にもいかない。WRCルールの関係上、最終日の展開次第では少々ファンには分かりにくいパワーステージとなりそうだ。

チャンピオンを争う上位3台のドライバーたちにとっても、ラリー・グレートブリテンは気を許せないラリーとなるだろう。

公式インタビューを受けたランキングトップのヌービル(ヒュンダイ)は「ここは通常のラリーより早朝からスタートして、夜遅くに終わるから体力的にも厳しいラリーだ。僕たちはラリー・ターキーで残念な結果に終わった。そしてラリー・グレートブリテンは何が起きても不思議じゃないトリッキーなラリーだ。間違いなく戦いは激しいものになるだろうね」と語る。

現在3連勝のタナック(トヨタ)は「僕自身はドライコンディションの高速ラリーを希望したいけど、このラリー・グレートブリテンでは期待どおりの天候にならないことは誰でも知っている。幸いここに向けたテストでは、雨に見舞われて、十分すぎるほどにマッド(泥)ラリーのテストができた。チャンピオンシップに関しては、ここに来てすべての可能性が生まれてきた。そして僕たちは良い状態でこのラリーに挑めると思う」と、シーズンの目標をチャンピオン獲得へと高めた。

©WRC

そして、5年連続王者であり、タイトルを防衛したいオジェ(フォード)は「シーズンでもっとも難しいラリーのひとつだ。なかでも森林区間を走るときは、うまくグリップを操らなければならない。ある種の芸術だよ。天候の変化に常に慣れていかなければならないが、もしドライコンディションのラリーになったときは面白い結果が生まれそうだ」とドライコンディションに自信をのぞかせる。

©WRC

SS1は現地時間4日19時にスタート。日本時間では5日の午前3時スタートとなる。

果たしてトヨタは、4連勝を飾ってタイトル争いの主役に躍り出るのか。この週末はラリー・グレートブリテンに注目したい。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

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