テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
menu

主要国際大会で初のメダル獲得の池江璃花子 その強さを支える「楽しい」の気持ち

8月9日(木)より開催されている「パンパシ水泳東京2018」。大会初日には池江璃花子が女子200m自由形で自身の持つ日本記録を0秒19更新する1分54秒85をマークし、主要国際大会初のメダル(銀メダル)を獲得した。

その池江が、大会3日目(8月11日)も女子100mバタフライでメダルを狙う。

©テレビ朝日水泳

泳ぐたびに日本記録を更新する“スーパー女子高生”、池江璃花子。

今年4月の日本選手権、大会6日間のなかで彼女が日本記録を“出せなかった”日は、1日だけだ。出場した4種目で合計6回もの新記録を更新し、泳げば泳ぐだけ記録を更新していく姿は、10年前の北京五輪で7個の世界記録で8冠という前人未到の偉業を成し遂げたアメリカのマイケル・フェルプスさえも彷彿とさせた。

2018年で既に15回、今回のパンパシ水泳も含めると計18回日本記録を塗り替えており、100mバタフライでも6 月に自身が持つ日本記録を更新する56秒23をマークするなど絶好調の池江。この記録は昨年の世界水泳3位に相当する好記録であり、パンパシ水泳ではバタフライでのメダル獲得も期待される。

 

◆天才肌で、誰よりも「頑張る」

水中出産によって生まれ、大好きな水泳に没頭してきたというまさに“水の申し子”な池江。

幼い頃から自宅に設置されている雲梯を遊び場としており、それによって自然と水を掻く力が培われていったというエピソードもあるが、彼女はやはり天才肌の選手だ。

しなやかなストロークから生み出す高い推進力や、後半まで力強く打ち続けられるキック力。そして、この2つが合わさることで実現する、抵抗を少なくして省エネで泳げる高いボディポジション。さらに、水の動きや流れを感じ取れる鋭い感覚もある。

しかし、それだけが池江の強さではない

池江は、誰よりも「頑張る」のだ。言葉にするとありきたりだが、毎日身体を限界まで追い込み、厳しい練習を頑張りぬくのは容易いことではない。

誰にも負けたくないから「頑張る」。記録が出せることが楽しくて、うれしくて、面白い。だから、自分の記録を超えるために、さらに「頑張る」。

水泳研究者をもうならせるほどのテクニックに加え、それを記録につなげられるだけの地道なトレーニングがあってこそ、新記録ラッシュを成し遂げられている。

 

◆2017年の世界水泳で涙

そんな池江が初めて日本代表に入ったのは、中学3年生だった2015年の世界水泳。

その後、同年10月に100mバタフライで最初の日本記録を樹立すると、ここから日本記録を連発。リオ五輪代表にも選ばれ、100mバタフライでは予選・準決勝・決勝と3連続で日本記録を更新して5位入賞を果たした。

そして、2017年は1月・2月と日本記録を乱発し、4月の日本選手権では女子選手権初となる5冠を達成する。

ところが、この年の世界水泳では思うような泳ぎができず、記録も順位も振るわなかった。「自分の力が及ばなかったことがすごく悔しいです」――100mバタフライ決勝後には、こう言いながら大粒の涙を流している。

初めて日本代表に入って以来、泳げば記録を更新し、日本タイトルも獲得してきた池江。順調に世界トップへの階段をのぼっているかに思えた彼女に、いったい何があったのか。

 

◆不調の原因は「楽しい」気持ちを失ったこと

池江が不調に陥った原因は、池江が何よりも大切にしている「楽しい」という気持ちを失ってしまったことが大きいという。

自分の記録を超える、ライバルたちに勝つ、そして、仲間とともに切磋琢磨する。――それが「楽しい」から地道な練習も頑張れるし、1日に何種類も泳ぐハードスケジュールだったとしても毎レースで全力を出すことができる。

しかし、2017年シーズンはその「楽しさ」を見出すことができなかった。理由のひとつが、池江のレベルが“上がりすぎてしまった”ことにある。

日本代表として合宿などを行っているときは、日本のトップレベル、ひいては世界レベルで競り合いながら練習できる。ところが、所属チームに戻ると、残念ながらそこには池江と同レベルの練習をこなせる選手はいない。そのため、コーチとマンツーマンで練習する機会が必然的に増えてしまっていた。

池江だけではない。どんな選手であっても、たったひとりで毎日、自分自身とタイムと向き合い、ひたすらに自分を追い込むことは難しい。ともに苦しい練習に向き合う仲間がいるから、どんな練習も全力で乗り越えることができる

しかし、池江にはその環境がなかった。

練習が楽しくなくなった池江は、漠然とした不安を抱えることになる。「記録を出せる!」と自信を持って臨んでいたレースも、「記録、出せるかな?」という疑念に変わっていく。

そういった小さな不安が積み重なった結果、2017年世界水泳では表彰台を逃し、涙を呑んだ。

 

◆挫折を糧に、世界へ

©テレビ朝日水泳

ただし池江は、ここで心が折れなかった。「結果が出なかった原因が練習不足だということが良く分かったので、とにかく練習に打ち込みました」と、日々の練習の積み重ねがどれだけ大切なことなのか気づいたと語る。

そして、世界水泳からたった1カ月ではあったが、もう一度初心に戻って毎日の練習に真剣に向き合った結果、2017年8月の世界ジュニア水泳選手権50mのバタフライで日本新記録(=自己ベスト)を更新。

さらに9月の愛媛国体では、台風の影響もあるなかでの屋外プールにも関わらず50m自由形で日本記録を更新。世界水泳での挫折が、池江の快進撃を再スタートさせる大きなきっかけになった。

2018年シーズンに向けては、日本代表メンバーとともに高地合宿を敢行。水中練習以外にも、筋力トレーニングによる下半身強化を積極的に行い、少しずつ自信を取り戻してきた。

同時に、「楽しい」という気持ちも取り戻す。その成果が、4月の日本選手権での6度の日本新記録樹立という結果につながったといえるだろう。

初出場となったパンパシ水泳についても、池江は事前に「不安はなく、むしろ楽しみがふくらむ」と話していた。

その大きな理由は、国別対抗戦であることだ。仲間とともに戦うことが大好きな池江にとって、日本代表メンバーという最高峰のチームで世界を相手に戦うことは、楽しみ以外の何ものでもないのだ

「代表で対抗戦というのも初めてなので、すごくワクワクしています。個人競技はあっても団体で戦うというのは、声援も力になるし、普段と違った感覚でレースを楽しむことができると思っています」(池江)

挫折を超えた池江の快進撃は、まだまだ続く。<制作:テレビ朝日水泳>

※放送情報:「パンパシ水泳東京2018 競泳国別対抗戦」
8月11日(土)よる6時56分「決勝 第3日」
8月12日(日)よる6時57分「決勝 最終日」

LINE はてブ Pocket +1
関連記事
おすすめ記事