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【WRC】第5戦はアルゼンチン 誰が王者オジェをストップさせられるか

FIA世界ラリー選手権(WRC)の2018年シーズン第5戦「ラリー・アルゼンチン」が、4月26日からスタートする(~4月29日までの開催)。

ここまで4戦を終えたWRCは、ウインターラリー、スノーラリー、グラベル(未舗装路)ラリー、そしてターマック(舗装路)ラリーと、全ての路面コンディションを終えた。シーズン序盤を終え、各チーム初期トラブルなどの問題も解決し、いよいよチャンピオンシップ争いは本格的な戦いへと突入していく。

©WRC

南米で唯一の開催となる「ラリー・アルゼンチン」。

アルゼンチンは、日本から見るとブラジルと同じく地球の裏側に位置する国。その歴史は大航海時代にスペイン人が入植、その後1800年代初頭にスペインから独立するが、隣国のペルー・ブラジル・ウルグアイなどとも独立や領土を巡って戦争。近年ではイギリスとフォークランド諸島を巡って紛争を行っており(1982年)、国として安定してきたのは1983年以降と言われている。

そんなアルゼンチンだが、意外なところで日本の女性から支持されているものがある。それは、“ガウチョパンツ”。

ガウチョとは、南米に多くいる先住民とスペイン移民の人たちの間に生まれた人たちを示す言葉で、彼らが着用していた動きやすいパンツスタイルを現代ファッションのデザインに取り入れたのが“ガウチョパンツ”だ。

 

◆王者オジェが一度も勝ったことがないラリー

©WRC

ラリー・アルゼンチンは、多彩な景色を生み出すラリーイベントとして人気が高い。

岩場だらけの名所「エル・コンドール」は、ドライバーたちが「まるで月面を走っているようだ」と楽しみにしているステージ。その他にも、多くの水場を渡るように走ったり高速ステージがあったりと、観る者を飽きさせない。

今年のチャンピオンシップは、ここまで3勝と圧倒的な強さを見せているセバスチャン・オジェ(フォード)を中心に進んできた。

しかし、ここラリー・アルゼンチンは、王者オジェが一度も勝利したことがないラリーなのだ。オジェ自身、WRC公式テレビのインタビューに「ここではどう戦いたいとか、そういうのもない。何しろ、まだ一度も勝ったことがないラリーだからね」と笑う。

このラリー・アルゼンチンでは、伝説的王者のセバスチャン・ローブが8勝を挙げて引退後、2014年ヤリ‐マティ・ラトバラ、2015年クリス・ミーク、2016年ヘイデン・パッドン、そして2017年はティエリー・ヌービルと、オジェ以外のドライバーが勝ち続けている。他のドライバーたちにとっては、ここでチャンピオンシップをリードしているオジェにストップをかけたいところなのだ。

©TOYOTA GAZOO Racing

2014年に勝利しているラトバラ(トヨタ)は、「ラリー・アルゼンチンはすごいステージばかりです。コーナーの外側が高くなっていて、グラベル(未舗装路)なのに高いスピードでコーナーに進入できたり、他のラリーイベントにはない走りが求められます。そして名物『エル・コンドール』は細い道で、全く違う景色であるとともに、全く違う走り方が求められます」とその魅力を語る。

今年トヨタに加入したオット・タナックも、「ラリー・アルゼンチンの魅力は、ステージごとに全くコースコンディションが違うことです。さっきと同じような走り……という考え方は通用しません。まさにチャレンジの連続なんです」と、その魅力は攻略の難しさにあるという。

そして、なんとしても初勝利を挙げたい王者オジェ(フォード)だが、「ここではスムーズかつクレバーに走ることはもちろん重要なのだけど、時にリスクを取ってスピードを求めなければならない。だけれども、そのリスクは大きくて、サスペンションにダメージを与えるかもしれないし、一度のミスでリタイアに追い込まれる。でも、それも含めてWRCの一部だしね」と、他のラリーではなかなか見せない弱気な発言を残している。

 

◆「エル・コンドール」が登り道に

©WRC

ラリー・アルゼンチンは、木曜日夜のSS1からスタートして、金曜日は7ステージ、土曜日7ステージ、日曜日3ステージの全18ステージを予定。

特に日曜日最後のパワーステージは、これまで下り道でコース設定していた「エル・コンドール」を登り道で設定。その変化で何が変わるかを問われたラトバラ(トヨタ)は、ドライバーが観客をより感じることができるだろうと予測した。

「下り道と登り道、その違いは視野にあると思います。これまでの下りだと、どうしても目線がコースに向いていることもあって、観客がいることはわかるのですが、多くの情報が入ってこない。しかし登り道だと、自然と観客の姿が視野に入ってくると思うんです。彼らが設置したテント、BBQで立ち上る煙、本当に色々な景色があるはずなので、そうした部分も今回のコース設定で感じることができるかもしれません」と話している。

©TOYOTA GAZOO Racing

木曜日のSSS1は、午後7時8分スタート予定。日本との時差はちょうど12時間あり、金曜日午前7時8分のスタートとなる。果たして、“ストップ・ザ・オジェ”は誰が実現するのか。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

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