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ベッキー、蒼井優、松岡茉優…「おはガール」に山寺宏一がした“あるお願い”とは?

声優として、アニメやハリウッド映画など数々の映画やテレビに出演すると同時に、1997年10月から子ども向けバラエティー番組『おはスタ』(テレビ東京・月~金・午前7時5分~7時30分放送)のメイン司会者を18年半つとめた山寺宏一さん。

『おはスタ』ではティーン時代の蒼井優、ベッキー、松岡茉優らが番組アシスタント「おはガール」として出演、山寺さんは今をとくめく人気女優・タレントを多数送り出した。昨年はラジオ番組の企画でツイッターに「彼氏とデートなう。に使っていいよ」と写真を投稿したところ大反響。昨年1月9日にテレビ朝日系列で放送された「人気声優200人が本気で選んだ!声優総選挙!3時間SP」では見事第1位に輝いている。

◆18年半の生放送司会 送り出した今をときめく女優たち

-月~金毎朝の生番組『おはスタ』のメイン司会を18年半、すごいですね-
「僕がというより番組が続いたから。卒業させるタイミングを見失ったんでしょうね。(笑)『やり過ぎだろう、もう良いだろう』と思っていましたけど。でも、良く頑張ったと思います。自分の人生で一番ほめるのはそこですね。18年半、早起きをしたという、それだけです。今はもう絶対にできないですから。

今はそれにプラス何時間も寝ているのに、『ちょっと眠いなあ』と思ったり、『寝不足だなあ』と思ったりしますから。2年前までの自分をほめてあげたいですね(笑)」

-生番組のMCを18年半も続けられたのは大変だったのでは?-
「台本がありますし、短い番組ですから。30分なかったんですよ。

でも、学ぶことはたくさんありましたね。今思うと、もっとああすれば良かった、こうすればって、すべてにおいて思いますね」

-いきなり生番組のMCというのは勇気がいったでしょうね-
「そうですね。でも、僕はプライベートでもそんなにサービス精神があるほうでもないし、そんなに楽しい人間ではないかもしれませんけど、基本的に人を楽しませることが嫌いではないし、仕事ではそうありたいなというのが全部一緒ですよね。

やるからには『面白かった』って言ってもらいたいというのは根本に、まあ当たり前のことですけど。それは子ども番組の司会をやろうが、声で何かをしようが、ものまねしようが、歌を歌おうが、全部同じで、見た人に楽しいって思ってもらわなきゃ。自分のポリシーがあって、僕はこういうことを、この方向性で僕はやりたいから、僕の表現したいのはこれなんだよとか何もないですからね。(笑)

だから、自分がいただいたその仕事を通して、とにかく楽しんで欲しいというのが全部、それ以外はないです」

-ベッキーさん、蒼井優さん、松岡茉優さんも“おはガール”出身ですね。松岡さんが「山寺さんには本当にお世話になりました」と話していました-
「たいしたことしてないんですよ。ただ一緒に出ていただけです。普通のことをしていただけですけど、彼女たちに才能があったんでしょうね。売れてくれるのはうれしいことですけど、みんながみんな売れるわけじゃないですし、もうやめてしまっている子もいっぱいいますしね。幸せになってくれれば良いと思います、みんな。

それで売れた子たちが、子たちというか、みんな大人になっていますけど、『やまちゃんにお世話になった』って色んなところで言ってよって言ってますけどね(笑)」

-今も連絡は?-
「ええ、全く連絡を取ってない子もいっぱいいますけど…。僕はあまり自分から連絡するほうじゃないんですよ、誰に対しても。いけないんですけどね。でも何か、ありがた迷惑だなと思われるのが嫌なんで。だから、『もう昔のことだし、何よ今さら連絡取って来て』なんて言われたら嫌だから、向こうから来たらという感じです」

-向こうから「ご飯でも」というような連絡があったら必ず?-
「もちろんです。必ず行きます」

-優しいですね。皆さんが山寺さんのことを慕っているのがわかります-
「いえいえ、大したものじゃないんですよ。たまたまです。番組が素晴らしかったんです。僕がキャスティングしたわけじゃないですからね。才能がある子を引っ張ってきたスタッフが偉いなって思いますね。でも楽しかったですし、その子たちの活躍を見るのも非常にうれしいですね」

◆ブラピ、トム・クルーズ…二枚目ハリウッドスター吹き替えのオファーが無くなった…?

-多くのハリウッドスターの声もされていますね-
「でもね、考えてみると、例えば洋画の吹替えで、『色々なスターの声をみんなやっていますね』って言われるんだけど、最近誰もやってないなとか…。

ふと考えると、ここ数年、全然やってないなあ。ブラピもやってないし、あれもやってないしこれもやってない、ひとりもやってないやって思いますよ。アニメだって、『あの作品が大好き、一番好きです。それも20年ぐらい前のですけど』とか、『15年前ですけど』とか、最近の作品で言われたことないなあって思うことがあったりして」

-そうなんですか。常に山寺さんのお名前を拝見している感じですし、お顔も-
「いえいえ、中途半端です。声優以外の仕事は中途半端だなって思います」

-前にテレビでエディ・マーフィーの声をやるときに、でたらめ英語でやってみてリズムをつかむというのを見て、すごいなあと思いました-
「やり方としては間違っているらしいんですけど、僕はそれっぽく聞こえるかなあと思って(笑)やっぱりリズム感は非常に大事だし、あのエディ・マーフィーのノリを日本語で出すということが大事さだと思ってやってたんですけど、ある一方では下條アトムさんのなまった感じがエディ・マーフィーなんだっていう人もいてね。『あれがエディ・マーフィーなんだよ、やまちゃんは普通に喋っているから面白くない』って一発で切られますからね。厳しいんですよ。見なきゃいいのに、それ見て落ち込むというね。僕のことをほめているのかなと思ったら、『やまちゃんのは違う』ってね。

まあ、人はそれぞれ感じ方が違うから、僕はやっぱりそういうやり方でやって、それを良いと思ってるんですけど、『人によっては違うなあ、個性的じゃないもんなあ』って思って…。下條さんのを見て研究してみようかなと思ったりとか、ほかの役者さんのを見てみようとか、日々反省ですね。何が良いか、まだわからないです。吹替えは本当に難しいです。

自分がその気でピッタリ合ってる、こんな感じかなって思っても、やっぱり見る人によっては、何か引っかからないとか、よく言われるのは違和感ですね。それと面白みがないとかね。リアルに吹き替えるのが良いことじゃないのかなと、ちょっと思い始めています」

-山寺さんみたいな方でもそんな風に感じているのですか-
「思いますよ。数はやっていますけど、同じ人をたくさんというのは、そんなに多くないんですよね」

-ジム・キャリー、ロビン・ウィリアムズ、エディ・マーフィー…やはり山寺さんという感じがしますが-
「そう思っていただけたらうれしいです。そういうのを一人でも多く欲しいんですけど、ないんですよね。

それだけ上手い人もいたりするのか、僕の力不足なのかわかりませんけど、もっともっとやりたいですね。やっぱり先輩がたというのは、今と色々違うこともあるんでしょうけど、この人はこれっていう人がいたなあって思うと、これからでもそういう人を捕まえたいなというか、一回一回チャンスが来たら、『もう絶対にこの人しか考えられない』という風になりたいですね。

たとえば平田(広明)君は、僕より年は下ですけど、彼以外のジョニー・デップはほとんど聞かないですからね。それは彼が実力で取った、ジョニー・デップと言えば平田広明ってね。多分9割以上彼がやっていると思うので。そういう人もいますからね」

◆主役クラスからカビ役まで?

-ひとつの作品で、主役クラスのほかにも脇の小さい一言二言の役までたくさん声をあてていますね-
「『アンパンマン』は、デビュー3年目くらいからやっているレギュラーなので、『カビ1』とか『カビ2』とかもやりますし、そういう風にずっとやっていますからね。『アンパンマン』のなかでは若手ですから、それは当然ですけど」

-「アンパンマン」では12役以上と聞いてますが、実際は何役ですか?-
「もう、数えきれないくらい」

-山寺さんがいくつの声を担当しているのかというのも楽しみのひとつです-
「それはもうネタですよね。(笑)でも、役を振られたからにはこっちも一個一個全部やってやろうじゃないかというチャレンジ。そういうのはありますね」

-練習はかなりされるのですか-
「します。みんなで一緒に録る前にどれだけ練習するかが命ですね、我々声優の仕事は。まあ、でもみんなそうですよね。俳優さんだって、映画やドラマのセリフをその場で覚えている人なんていないですもんね。覚えてから行くわけですから。それに比べれば、我々が絵に合わせてタイミングを取るなんてことは、覚えることに比べたらたいしたことはないと思いますよ」

-絵の口の動きに合わせてセリフのほうが大変な気がしますが-
「多分、それは慣れだと思います。僕はセリフを覚えるほうが、大変です。舞台もやっていますけど、舞台だと1ヶ月半、みんなで毎日稽古をしているからできるんです。でもドラマとかだと『おはようございます』って会ったばかりの人と急に家族みたいにからんだりして、数回のテストで本番やるわけじゃないですか。今まで何回か経験がありますけど、信じられないですね、いつも」

-山寺さんでもそういうことがあるのですか-
「はい。まだ人にも場にも慣れていない間に芝居をして終わるという、僕は何をやったか覚えていないという感じで帰る。で、家に帰ってヤケ酒を飲むみたいなことがよくありますね」

-意外ですね。全然そんな感じはしませんが-
「だから、次がなかなかないんですよ。ドラマとか(笑)せっかくチャンスをいただいたのに、チャンスを逃すというね」

-忙しくてスケジュールがないと思われてるんじゃないですか-
「それでも欲しいと思ったらくるんですよ、忙しい人でも。同じ人がドラマにたくさん出てるじゃないですか。脇の人でもメインの人でも。僕の大好きな人もたくさんいらっしゃいますけど、そういう人はやっぱり実力があるんですよ。ちゃんと結果を出すんですよね。まあ、声の仕事ではなるべくそうありたいと思って、すべての仕事がオーディションだと思っています」

-何でもできる天才というイメージで、できないことはないんじゃないかという感じですが-
「いっぱいあります。ほとんどできないです。楽器も何ひとつできないし、譜面も読めない。何となくでやっているだけなんです。

だから、小器用なんですね、たぶん(笑)だけど、そう思われたくないという気持ちもあるんですよね。ずっと言われてきて。『器用貧乏になるなよ。小器用だもんな』とかって言われて、『そうならないようにしよう、本物だって思われるように頑張ろう』って思ってやってきたんですけど、この年になってもまだそんな感じかって思ってますけどね。踊りも踊れないどころか、動きもぎこちないですし、今、五十肩で全然からだが動かないからなまけています(笑)」

◆「彼氏とデートなう。」写真が大反響。インスタ映えに乗れた?

-昨年はツイッターで「デートなう。に使っていいよ」と提供した写真も話題になりました-
「そうなんですよ。あれはラジオ番組の番組中に、相方のアイドルの子がそういうのが得意で、ツイッターもお知らせばかりじゃなく、こういうのが流行っているからやってみればいいって言ったんですよね。それで、じゃあやってみようじゃないかってことになったんですけど、あれでもうラジオ・ベイエフエムは大喜びですね(笑)」

-反響の大きさにどう思いました?-
「ビックリしました。僕はどのぐらいリツイートされたらどうなのかなんてわからなかったんですけど、急に増えたんでビックリしました。トレンドに上がったりして。

しかもそれをすごい有名な人たちが『マネします』なんて言って。僕もマネだったのに、しかも人に言われて、それも番組の企画だったのに(笑)ああいうフォロワー数って色々仕事を振るほうというか、使うほうは、気にするみたいですからね。それも実力のうちみたいに、世のなかすべてインスタ映え。インスタ映えするかしないかですべて決まるなんていう、不思議な世界ですからね。そこにちょっと乗れたみたいな。(笑)おいしかったです、本当に。感謝です。教えてくれた周りに」

あらゆる分野でその実力を遺憾なく発揮してきた山寺宏一さん。主要キャストに山寺さんの名前があると、今回はいったいいくつの役を演じているのだろうとワクワクする。七色どころではない何十色もの声を持つ天才でも日々反省することがあるということに驚く。才能におごることなく努力を惜しまないからこそ、魅了するのだろう。(津島令子)

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