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ミッドフット走法を超える⁈ 日本一のスピードランナー、大迫傑が「フォアフット」で世界を制す

12月3日(日)に行われる福岡国際マラソン。同大会では、アメリカを拠点とし、世界屈指のランニングチーム「オレゴンプロジェクト」にアジア勢として唯一所属する日本一のスピードランナー、大迫傑(26歳)が参戦する。

今年4月には、世界最高峰のマラソンシリーズ「ワールドマラソンメジャーズ」のひとつ・ボストンマラソンで、“初マラソン”にして日本人では30年ぶりとなる表彰台を獲得した大迫。国内凱旋レースとなる福岡国際には大きな注目が集まっている。

 

◆海を渡ったパイオニア、大迫傑

東京・町田市出身の大迫は、中学時代に陸上競技を始め、高校は日本屈指の強豪・佐久長聖(長野)に進学した。高校2年生時には全国高校駅伝の最終7区で区間賞を獲得し、チームは全国初制覇を遂げ、高校駅伝の歴代総合記録も更新する圧倒的な強さを見せている。翌年、最終学年として迎えた同大会でも、エースが集う1区で区間賞を獲得した。

大学は早稲田大学に進学。ここからは多くのスポーツファンが知るところだが、ルーキーとして挑んだ1年目の箱根駅伝では1区で区間賞を獲得し、史上3校目となる早稲田大の学生駅伝3冠に貢献するなど鮮烈な活躍を残した。

そして、卒業後は日清食品グループに入社し輝かしい成績を残し続けるが、2015年にアメリカに練習拠点を移し、超エリートランナーしか所属が許されない世界屈指のランニングチーム「ナイキ・オレゴンプロジェクト」にアジア人として初めて正式加入することになる

12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪で2大会連続の5000m・10000m2冠を果たした男子長距離界の絶対的王者、モハメド・ファラー(34歳、イギリス)をはじめ、リオ五輪でマラソン銅メダリストのゲーレン・ラップ(31歳、米国)など名立たる超エリートランナーが所属するナイキ・オレゴンプロジェクト。

その全貌は隠されているが、「1年間故障していたりだとか、故障明けのレースで5000mを14分かかってしまったりだとかで(解雇される選手がいる)」というから驚きだ。大迫はそんな環境のなか、メダリストをつくりあげてきた独自の理論と最先端のマシンを使ったトレーニングのもと、確実に進化を遂げてきた。

「身近に目標がいるので、あえて日本のことを考えることは少ないですし、それができるということがアメリカにいる良さかなと思っています」

ナイキ・オレゴンプロジェクトに所属し、これまで日本陸上界の選手が誰も歩んできていない道を突き進んでいる大迫。それこそが、彼が“海を渡ったパイオニア”と呼ばれる所以だ。

 

◆初マラソンにして…世界最高峰のマラソンシリーズで表彰台

世界で最も名高く、ハイレベルなレースが繰り広げられる6つの大会(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティマラソン)から成るワールドマラソンメジャーズ。ボストンマラソンでは、瀬古利彦氏(現・陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)以来、低迷する日本長距離界は表彰台から遠ざかっていた。

その大舞台で、大迫は初マラソンながら3位に入り、30年ぶりの表彰台に上がった

2月に行われた丸亀ハーフマラソンに出場し、「練習過程で体調を崩すことがあったなかでしっかりと走れたので、10週間をマラソンの練習にあてられれば走れるんじゃないか」と挑んだボストンマラソンだったが、そのラップを見ると驚異的で、35-40kmのタイムは日本記録よりも速いペースだった

最後が下りコースであったことも大きく作用しているが、“後半に粘れる”という意味では大きく評価でき、こうした素養にも「マラソンの適性がある」として大きな期待が集まっている。

すべてのマラソンファンの注目を一身に浴びるなかで走る福岡国際マラソン。海を渡ったパイオニアの“日本凱旋での初マラソン”に心躍らずにはいられない。

 

◆ミッドフット走法を超える⁈ 世界を制する大迫傑の「フォアフット走法」

また、福岡国際の大迫の走りで注目したいポイントのひとつが、その接地方法だ。

最近日本では「ミッドフット走法」が話題となっているが、大迫はナイキ・オレゴンプロジェクトに所属してから専門コーチのもと、元々の「フォアフット走法」という走り方に磨きをかけた

これは、同チームに所属する前出のモハメド・ファラーやゲーレン・ラップら、世界の一部の選手にしかできない接地方法で、フォアフット、つまり前足で着地することで力強く且つ効率的な走り方が実現される

ナイキ・オレゴンプロジェクトのコーチはこのフォアフット走法のメリットについて、まだ研究する課題はあるとしながらも、次のようにコメントしている。

「前足で着地したほうがバネの力がより大きく、大きなパワーを得られるはずです。チーターだってつま先で蹴って走りますよね。速く、しかも遠くまで走れます。5000m・10000mではそのほうが間違いなく有利なので、マラソンもそうではないでしょうか。(大迫)傑の心肺機能がより強化されて前足で着地する走りができれば、マラソンで非常に成功できると思います。そうならない理由はありません」

動物界最速のチーターを例に挙げるところに自信が感じられるが、一体どうすればそのようなフォームが実現できるのか。それについてコーチは「ナイキ・オレゴンプロジェクトのシークレットですが(笑)、ウェイトトレーニングはかなり長時間やらせています」と話しており、全貌はわからないものの、筋力トレーニングにひとつのヒントがあるようだ。

大迫のフォアフット走法は、今後世界を制するのか? 福岡国際では、彼の足元を見ながらその萌芽を感じたい。

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※放送情報:「第71回 福岡国際マラソン」
2017年12月3日(日)12:00~14:26、テレビ朝日系列ほか全国29局ネット(一部地域は12:05~放送)

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