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ドラマ『サイン』で松雪泰子が「グリーンのパンプス」を履く理由。スタイリストが衣装に込めた“サイン”

遺体から“真実”をあぶり出す法医学者たちと不都合な“事実”を隠ぺいしようとする巨大権力の熾烈な攻防戦を描く、大森南朋主演ドラマ『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』

原作は、韓国で最高視聴率25.5%を記録し、「大韓民国コンテンツアワード」の放送映像グランプリ分野で大統領賞も受賞しているドラマ作品だ。

©テレビ朝日

同作で目を惹くポイントのひとつが、松雪泰子演じる警視庁捜査一課の管理官・和泉千聖のファッション。刑事のクールでソリッドなイメージだけでなく、フェミニンな雰囲気も忘れない“新しい女性刑事像”が印象的だ。

この存在感のあるファッションは、どういった意図で考えられ作られているのか? また、“40代の働く女性”のひとりである千聖のスタイルを、オフィスファッションに取り入れるコツはあるのか?

今回、アシスタント時代も含む20年前から松雪のスタイリングを担当しており、過去に『救命病棟24時』(フジテレビ)や『Mother』(日本テレビ)、『グッドパートナー 無敵の弁護士』(テレビ朝日)など多くの作品にも携わってきたスタイリストの横尾早織さんに話を聞いた。

◆過去作のイメージと被らないように

まず横尾さんは、「役のイメージ」からコーディネートや身に纏う衣装の“方向性”を決めていくそう。『サイン』でも台本を読み込んだうえで演者と相談し、衣装のイメージをすり合わせていったという。

横尾さん:「私自身も台本を読み込んだうえで、松雪さんとじっくり話し合いました。今回、同じ法医学モノで刑事役だった過去作品の役のイメージと違うものにする、ということは事前に決めていました。“女刑事”というと過去の作品のイメージが強いみたいなので」

©テレビ朝日

『サイン』で松雪が演じる和泉千聖(いずみ・ちさと)は、警視庁捜査一課の管理官という立場でありながら女性初の捜査一課長を目指す野心家な女性。

そんな強さもありながら、大森南朋演じる元恋人の法医学者・柚木貴志を心配し気に掛けるような、心優しい一面を持つ女性でもある。

そこで横尾さんは「フェミニンだけど凛としたかっこよさも持っている」という千聖のイメージに合わせ、コーディネートの方向性を松雪と相談。

その結果、「ブラウスなどフェミニンな雰囲気のアイテムで柔らかさを表現しつつも、ワイドパンツを履いてエッヂの効いた感じも出していこうって話しました」と決定した。

©テレビ朝日

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ブラウスに関しては、「堅い感じより柔らかい感じのイメージ。なので、てろんとしたシルク素材などを採用しました。あとフリルやレースのついているものをイメージにそって選びました」と、フェミニンさを醸し出す素材やデザインのアイテムをセレクトしていったという。

◆女刑事=コンサバのイメージに捕らわれない

また、カッコよさ=エッジの効いた雰囲気作りについては、どの程度までエッジを効かせればいいか悩んだそうだが…

横尾さん:「女性刑事=コンサバっぽいというイメージがありますが、千聖のイメージ的にそっちとは少し違うよねって松雪さんともすり合わせていて。なので『コンサバっぽくならないように』というテーマを大切にしたスタイリングを心がけました。

実際、“エッジを効かせながらコンサバ感を抑える”ために、シャツのボタンを上まで留めたり、色味のあるブラウスを使うときはハッキリとしたものより、パステルカラーやくすんだトーンのアイテムを選んだりしました」

こうした“ブラウスの着こなし”や“配色”への徹底的なこだわりによって“ちょうど良いエッジの効かせ方”を表現。女性刑事の新たなイメージを提示した。

なかでも1~3話では華やかな色のブラウスを纏っていることが多い。

その理由として横尾さんは、「千聖は警察のなかで“紅一点”の存在。周りはスーツの男性ばかりのため、画面を華やかにしたいという意味を込めて、ペールピンクやパステルイエローのトップスを選びました」と語る。

©テレビ朝日

また、松雪演じる千聖は1話のなかで3~4回衣装が変わっており、そこも同作の見どころのひとつ。

横尾さん曰く、衣装を複数回チェンジする理由は、“画面の華やかさ”以外にもあるという。

横尾さん:「千聖が1話のなかで何度も衣装を変えているのは、『毎日ちゃんと家に帰って着替えている』というリアリティを出すためですまた実際の警察官は勤務中、服装は自由なことが多いとお聞きし、その点も考慮しました。ブラウスと丈の長めのジャケットとテーパードパンツ、またはブラウスとショート丈のジャケットとワイドパンツを基本に、縦のラインを意識したスタイリングにしています」

このほかにも、千聖は役職についている女性ということで、おしゃれにこだわる経済的余裕もあるのでは?という思いもあったそう。

劇中では描かれていない役柄の設定もコーディネートに活かしているというから驚きだ。

◆グリーンのパンプスに隠された秘密

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また、劇中で千聖がよく履いている“グリーンのパンプス”

特に6話の釣り堀で柚木と語り合うシーンでは、ダークな色合いのコーディネートのなかでワイドパンツの裾からのぞく鮮やかなグリーンのパンプスに、目を奪われた視聴者も多いだろう。

このパンプスに関して横尾さんは、「グリーンよりピンクのほうが使いやすいかなと悩んだんですが、グリーンの方が意外と“差し色”になって。どんな色でも合わせやすく、たくさん使いました」と意外な発見が。

さらにこのパンプス、千聖にもってこいのアイテムだという。その理由を横尾さんは、以下のように説明してくれた。

横尾さん:このシーンで履いているパンプスは、足にいい靴を出しているブランドのもので、とても歩きやすいんです今回は刑事役でけっこう動くけれど、パンプスの方が千聖のイメージに合っているということで歩きやすいパンプスを探しました。松雪さん自身も履きやすいとおっしゃっていて、後半はこのブランドの靴をたくさん履いています(笑)」

◆5話以降、モノトーンアイテムが増えた理由

©テレビ朝日

第5話で西田敏行演じる兵頭院長が亡くなり、それ以降、物語は段々とシリアスさを増していく。

そしてストーリーが進むにつれ、千聖の服の色にも変化が。

第1話の淡いピンクや黄色のブラウスとは一変、第5話以降はモノトーンのアイテムを使ったコーディネートが増えている

特に7話以降はよりシリアスな展開になってくるため、「前半よりたくさんジャケットを着ています。加えて、モノトーンなど色味を抑えたコーディネートしています。特に女性はジャケットを多く持っている人が少ないと思うので、千聖も同じものを何度か着回したりしてリアリティを出しています」と、ドラマのストーリー展開に合わせてスタイリングに変化を加えたことを教えてくれた。

そんななかでもジャケットの中に着るブラウスはレースのものを使うなど、フェミニンさを残す工夫も忘れない。

「1話から見ると服の色の変化は明らかだと思いますぜひその変化も見てほしい」

『サイン』の登場人物はスーツや白衣のスタイルが多く、千聖は唯一、服で心情の変化を表すことができるキャラクター。服の色とともに移り変わる千聖の心情にも注目だ。

そして最後に、オフィスで『サイン』の千聖のような存在感のある着こなしを実践する“コツ”を質問した。

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横尾さん:「フリルのブラウスは少し難しいと思いますが、他によく使っているレースのブラウスは着こなしやすいかなと思います。ボトムにはワイドパンツを合わせれば、ちょっと柔らかく、かつカッコよくもなるので、千聖のイメージに近くなるかなと。

その分トップスのブラウスはダボっとしすぎないコンパクトなものを選び、ジャケットもタイトなものにすると、全身のバランスがとれてスタイル良く見えると思います」

9月5日(木)放送の第8話で千聖は、第1話で起こった人気歌手殺害事件の真犯人と思われる女(森川葵)を柚木とともに追う。

千聖がどんな活躍を見せてくれるのか、千聖の人柄が表れているファッションとともに注目していきたい。

 

※番組情報:『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』第8話
2019年9月5日(木)午後9:00~午後9:54、テレビ朝日系24局

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