3時間ハダカでひたすら同じ姿勢!『べしゃり暮らし』で尾上寛之が役者魂みせる
人を笑わせることが大好きで、笑わせるためなら命がけで何でもやる“学園の爆笑王”こと上妻圭右(間宮祥太朗)と、高校生ながら元プロ芸人の辻本潤(渡辺大知)の成長と奮闘を描いた青春ドラマ『べしゃり暮らし』(森田まさのり原作)。
同作で、主人公コンビ・圭右&辻本に大きな影響を与えるお笑いコンビ「デジタルきんぎょ」を演じる駿河太郎と尾上寛之。
2人がみせる本物の漫才コンビさながらのネタと圧巻の演技が話題を呼んでいるなか、8月31日(土)に放送された第6話では、彼らに衝撃の展開が訪れた。
◆3時間マネキン状態!?
ピン芸人として妻の悪口をネタにし、息子にはひどく嫌がられていた藤川(尾上寛之)。しかし、NMC(ニッポン漫才クラシック)の準決勝では、一時は口さえきかなかった相方・金本(駿河太郎)と心をひとつにして会心の出来栄え。
息子からも「お父ちゃん、ごっつおもろいな」と何ものにも代えがたい言葉をもらい、コンビ結成から苦節15年、念願の決勝への切符も手に入れた。
父親としても芸人としても幸せの絶頂のなか、ひとり祝杯をあげていた藤川は酔いに任せて服を脱ぎ捨て、パンツ1枚でしんしんと雪の降る屋外へ。
人通りのない階段に腰かけ、眠りに落ちたのが第5話(8月24日放送)のラストだった。続く第6話冒頭では、翌朝、藤川が遺体で発見されるという悲劇が…。
実はこのシーンの撮影のため、尾上はなんと3時間ものあいだロケ現場の階段から動くことができず、冷える夜気の中で肌をさらしながら、ひたすら同じ姿勢を保ち続けていたのだという。
心配したスタッフらが声をかけるたびに「大丈夫です」と笑顔で答えていた尾上。そんな彼の情熱の甲斐あって、藤川の体に雪が降り積もるシーンは静けさと美しさを帯びながら、悲哀に満ちた見事な仕上がりとなった。
◆死体役のはずが、まさかの号泣…!
さらに第6話では、相方・藤川の訃報を受けた金本(駿河太郎)が、遺体との短い対面を果たした直後、“いつも通り自分たちの仕事をしたい”とラジオでレギュラー番組の生放送を行う。
途中までは何事もなかったかのように番組を進めていくが、藤川が死の直前に送ってきた「ぜったいお前を笑わせたる」というメールを思い出し激しい感情にかられ、ついには涙を流してしまった。そして、藤川に抱いていた思いの丈をマイクにぶつける。
「死んでどないすんねん!」「俺を笑わせろや!」と怒鳴りながらも、いかに相方をすごいと思っていたかをたっぷりと話し、「誇りに思てたのは俺の方や。そんな才能を持ってるお前が相方でいてくれることが、俺の誇りやってん!」と亡き藤川に語りかける様はまさに圧巻。
この金本の長ゼリフは撮影中の霊安室でも流されていたそうだが、駿河の真に迫った声と言葉を聞いた尾上は、遺体役であるにもかかわらず感極まって涙を流していたという。
次回第7話(9月7日放送)からとうとう最終章へ突入する『べしゃり暮らし』。さらに熱さを増すストーリーに注目だ。
※番組情報:土曜ナイトドラマ『べしゃり暮らし』第7話
2019年9月7日(土)よる11:15~0:05放送、テレビ朝日系24局