“離婚寸前”と騒がれた椿鬼奴、芸能界の悪口が過激に盛られ拡散されるメカニズムを解説
過去に大きな失敗をやらかした“しくじり先生”たちが自らのしくじった経験をさらけ出し、人生の教訓を伝授してくれる、反面教師バラエティー『しくじり先生 俺みたいになるな!!』。
8月26日(月)に放送された同番組には、椿鬼奴が登壇。“ウケると思って旦那の愚痴を言っていたら裏で旦那をズタズタに傷つけていた先生”として授業を行った。
2015年、お笑いトリオ“グランジ”のツッコミ担当の佐藤大と結婚した椿鬼奴。夫婦仲は良好であるにもかかわらず、ネットニュースでは“ヒモ夫に鬼奴の不満爆発”“離婚寸前”などと騒がれた。
そんな大ごとになった原因は、鬼奴が“ウケると思って夫の愚痴をテレビで話した”ため。結果的に、“本気で離婚を考えているヤバイ夫婦”と受け取られてしまったという。
結婚当初、夫婦でトーク番組に出演する機会が多かった鬼奴。“おいしくなる”と思って夫のクズエピソードをバラエティーで話していたそうで、今回、その一例として“長野五輪500円硬貨事件”を披露した。
ギャンブル好きの夫・大は、長野五輪の記念500円硬貨を見つけ、プレミアがつくのではないかと買取り店に持って行ったものの500円にしかならず、その硬貨で舟券を買ったというエピソードを番組で語った。
しかし、観客たちの反応はウケるどころかドン引き。これ以外にも、虫歯をドライバーで削って自分で治そうとしたり、視力が悪いせいでコンビニ袋を白猫と間違えて追いかけたりといった、夫の破天荒エピソードをテレビで紹介していくうち、世間からはヤバいヤツとして認定されてしまった。
鬼奴は、自分が面白く感じても世間が同じとらえ方をするとは限らないことを身をもって知り、「身内ネタをそのまま外で話すのは危険行為」だと警鐘を鳴らした。
◆芸能界の悪口は過激に盛られ拡散される
その後も事態は収まるどころかどんどん拡大。夫であるグランジ・大の印象は最悪なものとして世間に広まってしまうことに…そのメカニズムについても鬼奴は解説した。
まず、こじらせるきっかけとなるのは、“悪口が大好きなバラエティーD(ディレクター)”の存在。世間にウケる悪口を何よりのごちそうとするバラエティーDは、番組の打合せで「あえてあげると、旦那さんの嫌なところは?」「…ということは、一瞬、離婚も考えたってことですよね?」など、鬼奴に対して“誘導尋問”を連発してネタを拾う。
そして、そのネタは、“刺激的なラテ・サイドテロップ欲しがりおじさん(バラエティー・プロデューサー)”に伝わる。
“ラテ”も“テロップ”も文字制限があるため、過激になりがちという特徴があり、刺激的な文言であおられることに。
最後には、“ネットニュースにしたがりまとめお兄さん”という会ったことさえない人に伝わり、刺激的なウワサが世間に広く拡散されてしまう仕組みが、すでに出来上がっているのだと説明した。
話を盛られ、過激に演出され、事実を知らない赤の他人が拡散するという“ウワサの負の連鎖”により、見出しを目にしただけの世間は「椿鬼奴は離婚寸前」だと認識してしまったと、鬼奴は分析。
この“地獄の流れ”には、教室の面々も少なからず身に覚えがある様子で、頷いていた。
◆世の奥様方も他人事じゃない!
ウワサ話に尾ひれがついて、拡散されてしまうのは、なにも芸能界に限った話ではない。
ママ友同士のウワサ話でも、この地獄の流れが起こってしまうのだと鬼奴は語る。
例えば、夫婦喧嘩しちゃった→離婚の危機らしいわよ、旦那がギャンブル好き→大借金があるらしいわよ、旦那が転職した→会社をクビになったらしいわよ、といった具合にウワサは悪い方向へ変換・増幅されがちなもの。一般の人も十分に気を配るべきだと注意を促した。
さらに鬼奴は軽い気持ちから「家のなかに泥棒がいる」と夫・大について発言。もちろん冗談だったのだが、“ウワサ話の地獄の流れ”に陥り、世間は夫・大を本物の泥棒扱い。
とはいえ、夫も芸人。おいしいと喜んでくれるかと思いきや…実はとても繊細な性格で、ひどくへこんでしまったそう。
さらに追い打ちをかけるように、世間のウワサを耳にしてしまったお義母さんから「自分のしつけが間違っていたかもしれない」という謝罪の電話までかかってくる始末。
こうして、愚痴が生んだ思わぬ悲劇を授業で激白した鬼奴は、自分のせいで夫を傷つけてしまい、とにかく反省していることを涙ながらに語った。
◆愚痴ってもポジ語を添えて!
鬼奴は「嫁は旦那の広報部長」という教訓を、世の奥様方に向け披露。“旦那の印象を良く伝えるか、悪く伝えるかは奥さんしだい、ささいな一言でどうみられるかが決まる”と訴えた。
パートナーのことを伝える際、具体的にどんな表現を使えばよいのか、自身のしくじりから編み出した、周囲に誤解を与えない夫婦円満テクニックも伝授。
それは「愚痴っても、ポジ語で終えよう」というもの。家事を何もしてくれない、わがままで酒癖が悪いなどと愚痴ったあとに「でも自分には世界一可愛い」といった、ポジティブな言葉を添えるだけで印象はぐんと変わると鬼奴は言う。
そんな“夫婦しくじり”を経験した鬼奴が、現在目指している理想の夫婦像とは吉幾三と川中美幸の「出張物語」をデュエットできるような、ご陽気夫婦だとカミングアウト。
そこでイントロが流れ、なんと夫の大が教室に乱入。いよいよ念願のデュエットスタート。しかし授業中に妻が発した熱い言葉に大も感涙していたせいで、ご陽気どころか夫婦そろって涙顔というありさま。その点を「見てられない、止めろ!」と割って入った吉村や若林からツッコまれ、デュエットはあえなく強制停止。
教室中が爆笑に包まれるなか、なぜかユーキ(超特急)だけは「いい夫婦だなって思って」と激しくもらい泣き。鬼奴と大夫婦の仲の良さは非常によく伝わる形で、授業は終了となった。
※番組情報:『しくじり先生 俺みたいになるな!!』
毎週月曜日 深夜0:20~深夜0:50、テレビ朝日
※AbemaTVの完全版は、「Abemaビデオ」で配信