真夏に咲く桜。北海道ならではの“エコな発想”で実現、全道100以上の自治体が協力
テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。
現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。
初夏のある日、修造が訪れたのは北海道の中部に位置する雨竜郡の沼田町。その町役場に着くと、元気な女性たちにお出迎えされた。
彼女たちが手に持っているのは桜の枝。しかも、しっかりと花が咲いている。
この“季節外れの桜”を企画したのは、越智文雄さん。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーで、沿道の人々に桜を振ってもらったり、アスリートに1本ずつプレゼントしたりできないかと計画している。
◆真夏に桜が咲く理由
しかし、なぜ季節外れなのに桜が咲くのか?
建物の中に入ると、束ねられた無数の桜の枝と、その下には一面に敷き詰められた大量の雪があった。
実はここ、町の人が使う貯蔵庫で、野菜やおコメなどを、冬場に集めた雪の冷気で冷やす仕組みになっている。気温を2度前後に冷やした中に、つぼみの状態の桜を置くことで、開花を遅らせているのだ。
雪深い北海道だからこそできる電気を一切使わないエコなアイデアは、これまで電力会社で節電対策に取り組んできた越智さんならではの発想だった。
そして今、この“真夏の桜”は、今までにない規模の取り組みになっている。北海道のあらゆる人からの協力を得て、各地から桜を集めているのだ。
中には、女子カーリングチームでおなじみの北見市や、2018年9月に北海道を襲った地震で、大きな被害を受けた安平町など、様々な市町村から桜が届けられていた。
これらの桜は、全道100以上の自治体に越智さんが直接出向いて、集めてきたものだ。
「打てば響くんだなあと思いました。こちらの思いを伝えたら、町長さんも市長さんも『それなら快く、気持ち良く応援するよ』と受けてくれて。オール北海道のパワーをここに込めたいと思っています」(越智さん)
◆北海道ならではのアイデアは桜以外にも
また、「桜」以外にも、北海道ならではのエコなアイデアを生かした取り組みを行っている。
冬場に凍らせた大量の氷を夏場まで保存し、その冷気を室内に入れて冷やす仕組みを作ったのだ。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、屋外競技場やマラソンコースの近くなどに置いて、選手や応援している人の熱射病対策で使えないかと計画している。
越智さんのできる宣言は「オール北海道のおもてなしを、真夏の東京に届けたい!」。北海道ならではのエコなアイデアを目の当りにした修造は、「北海道のみんなならできる!」とエールを送った。
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系