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ゴルフのショットに近いのは「野球のピッチング」。その根拠を戸張捷氏が解説

21日にかけて開催されている『全英オープンゴルフ』

今年で148回目を迎える伝統ある本大会の舞台は、北アイルランドに位置するロイヤルポートラッシュゴルフクラブで、ここでは1951年以来68年ぶり2度目の開催となる。

ゴルフをプレイしたことがあれば、今回出場する選手のレベルの高さは説明不要だろう。

だが、ゴルフ未経験者にとっては、選手の名前は知っていても、ショットの強さやコントロール力の“スゴさ”はいまいち実感しにくいのではないだろうか。

ゴルフは誰でも楽しめるスポーツという声がある一方で、「やってみると、意外と打つのが難しい」という声も聞く。

では、「プロゴルファーの技術」とはどれほどスゴいものなのか?

テレビ朝日ゴルフ解説の戸張捷氏に、他のスポーツに重ね合わせて、ゴルフというスポーツに求められる技術力について解説してもらった。

◆ゴルフに求められる動きは「野球のピッチャーに近い」

ゴルフ解説者の戸張捷氏

――あえて素人目線で質問させてください。止まっているボールを打つはずなのに、ゴルフは「難しい」という声を聞くことがあります。なぜでしょうか?

戸張:ゴルフは、打ちたいところにボールを持っていける上手さを競うスポーツです。この「打つ」という動きは、野球のピッチャーに近いと思ってもらうとわかりやすいでしょう。そう捉えると、打つことの難しさがわかるはずです。

――野球は「投げる」ですが、「打つ」ゴルフもそれに近いのでしょうか?

戸張:たとえば、野球のキャッチボールを考えてみてください。ボールを投げてみて、狙ったところに確実にボールを投げられる素人は少ないでしょう。ゴルフもそれだけコントロールするのが難しいのです。ゴルフで打つことを、野球で投げるときと同様に「ストローク」と呼びます。野球なら腕、ゴルフならクラブのしなりをきかせてボールを飛ばすのがストロークです。つまり、両者のボールを飛ばす方法は似ているのです。

――ゴルフが野球と似ているとは意外でした。

戸張:だから、野球のピッチャーにはゴルフがうまい人が多い。有名な方だと、松坂大輔選手や江川卓さんはゴルフがとてもうまいですね。あとは、下半身の力が求められるのも一緒です。球速が速いピッチャーは、足の動きと上半身のバランスがうまくとれていますから。

◆まだまだあった野球との共通点

――それだけコントロール力が求められるスポーツで、確実に自分の打ちたい場所にボールを打てるプロゴルファーは、やはり凄いのですね。

戸張:そのため、全英オープンに出るようなプロは、幼少期から精度を高める練習を重ね続けています。プロならば一日500〜600球はボールを打ちます。しかも、肩、腰、腕などあらゆる身体の部位を意識しながら打つため、素振りを50回ほどこなすだけでかなり疲れてきます。ピッチャーと同様に、最終的に体力も求められます。

――また野球のピッチャーとの共通点が。

戸張:他にもあります。ナックルやシンカーのように、ゴルフにも様々な打ち方があります。バンカーでの打ち方、パターの打ち方、難しいラフでの打ち方。すべて違います。これは練習を重ねてうまくなっていくもの。プロ野球中継をいくら見ても、時速150kmのボールが投げられないのと同様に、ゴルフもいくら見て模倣しようとしても、実際に練習を重ねなければスコアは伸びないスポーツと言えるでしょう。そう考えると、ゴルフというスポーツの見方がわかってくるのではないでしょうか。

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「ボールを投げる」という行為は簡単にできるが、上手にボールの方向をコントロールできるかと聞かれれば、うなずける人は少なくないはず。

その事実を思い浮かべるだけで、ゴルフ中継での選手たちのショットのスゴさが実感できるはずだ。

特に、全英オープンでは世界トップクラスの選手たちが揃う。世界レベルのコントロール力を持つ彼らの動きに、ぜひ注目してほしい。

※番組情報:『第148回全英オープンゴルフ
【最終日】7月21 日(日)よる11:00~深夜2:55
(※放送時間は変更になる場合があります)