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名刺入れやシューズにも…元Jリーガーが“金箔の新たな形”を生み出す理由

テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。

今回、修造が訪れたのは石川県・金沢市。かつては加賀百万石の城下町として栄え、その地名の由来は「“金”が採れた“沢”があったから」という説もある。

そんな「金」に所縁のある土地で修造を待っていたのは、諸江健太さん(34歳)。

金沢で生まれ育ち、かつては地元Jリーグチーム・ツエーゲン金沢でキャプテンを務めた諸江さんは今、一風変わった金箔の商品を扱っている。

ひとつは、金箔が全体にデコレートされた照明ライトだ。中のライトはオレンジ色に光るのだが、金箔越しに見ると青く光っている。

これは、青緑の光しか通さないという金箔の特性を利用していて、この鮮やかさが出せる金箔は、金沢でしか作れないという。

©TOKYO応援宣言

◆「薄くて美しい」金箔を生み出す職人技

諸江さんによると、金沢の金箔は「薄くて美しい」のが特徴だという。

薄さの秘密は、金沢の“職人技”にあるということで、実際に見せてもらうことに。
金箔作りは金の延べ棒を溶かし、少量の銀などと合わせる工程から始まるのだが、熱すること20分、ドロドロに溶けた合金が出来上がる。

©TOKYO応援宣言

その板状になった金をローラーで伸ばし、1000分の1ミリの薄さにまでしたところで、幾重にも重ね、和紙と皮袋で包む。そして、1800枚の束を専門の器具を使い、およそ1日半をかけて均等に叩き続ける。

こうして、10000分の1ミリという驚きの薄さを誇る、金沢の金箔が生まれるのだ。

「2020年東京オリンピック・パラリンピックでは、世界中に金沢の金箔のかっこよさと、職人さんの技というのを伝えたいと思っています」(諸江さん)

©TOKYO応援宣言

◆自らの手で生み出す“金箔の需要”

そんな金箔の国内生産99%を占める金沢だが、金箔そのものが大きな危機に瀕しているという。

金箔の多くは仏具や屏風といったものに使われてきたが、現代の生活の中で需要は減る一方。

それに合わせて職人の数も激減し、10年後には無くなる可能性もあるという。そこで諸江さんは、“ある挑戦”に打って出た。

「今まで金箔は、ちょっと珍しい物に使われてきました。でも僕は、この現代の生活に溶け込む“金箔の需要”というのを日々、探しています。例えば、今使っている名刺入れは、実は革に金箔を装飾しているのです」(諸江さん)

©TOKYO応援宣言

諸江さんは、伸び縮みをしたり、折り曲げたりできる皮などの素材に金箔を貼る画期的な技術を開発し、これによりバッグや財布の装飾も可能になった。

さらには2020年に向けて、選手が身に着けるシューズやウエアに金沢の金箔をあしらえないか、新たなプロジェクトを進めている。

©TOKYO応援宣言

諸江さんのできる宣言は「世界中に金箔のかっこよさと美しさ、日本の職人の素晴らしさを伝えたい!」。

見たこともなかった金箔商品、そして驚きの職人芸を目の当りにした修造は「いつも心は金メダル!」と、諸江さんに最上級のエールを送った。

※番組情報:『TOKYO応援宣言
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系

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