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大島優子がアイドル再挑戦のきっかけ。“転職4回アイドル”が持つ責任感の根拠<朝日花奈>

現在、“売れているアイドル”の定義はとても多様化していると言える。

たとえば、テレビ露出は一切せずとも、twitterやInstagramのアカウントに数万人のフォロワーがつき、人気に火がついているアイドルがいる。

あるいはライブではなく、You Tubeでの動画配信を活動の中心に置くアイドルもいるだろう。中には歌もダンスもせずにネット上の生配信だけでファンを獲得する者も少なくない。

その中で、あえて旧来の枠組みで“売れているアイドル”の定義をするならば、ライブ会場や、その観客動員数を挙げることができるだろう。

例えば、武道館。

ここでの単独コンサート開催を目標とするアイドルは少なくないが、実際にその地に立てた女性アイドルは、AKB48やももいろクローバーZをはじめとして、これまで30グループに満たない。

つまり“売れているアイドル”は市場においてごく少数であり、そのほとんどが“地下アイドル”であることが理解できるはずだ。

 

◆転職4回を経て、5回目のアイドルグループに所属する少女

テレビ番組『ラストアイドル』から生まれたグループ、「Good Tears」のメンバー・朝日花奈(あさひ・かな)も、地下アイドルグループ『Tokyo Rockets』のメンバーとして活動している一人だ。

©テレビ朝日/テレ朝POST 「Good Tears」の朝日花奈

なんと彼女、これまでに4つの地下アイドルグループを渡り歩いてきた苦労人。

紆余曲折を経て、現在は自身5回目のアイドルグループTokyo Rocketsに所属している。彼女はこのグループの知名度をあげたいという強い気持ちもあり、昨年『ラストアイドル』への挑戦を決意したのだという。

いったい、なぜ彼女はそこまでアイドルにこだわるのか。

©テレビ朝日/テレ朝POST

転職4回の “苦労人アイドル”の半生を振り返っていく。

 

◆「へらへらしてたのがよかったのか…」

©テレビ朝日/テレ朝POST 当時1歳

1997年7月、千葉県で生まれた朝日花奈。

2歳でクラシックバレエを始め、幼少期はバレエ一色の毎日を過ごしていた。

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時2歳。バレエを始める

「小学校6年生まではほぼ毎日練習に通っていました。発表会に出たり、プロのバレエダンサーに混ざって、劇団のオーディションを受けたりもしました。当時は、バレリーナになる未来しか見てなかったと思います」

©テレビ朝日/テレ朝POST  4歳。カメラを向けられると毎回ピース

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時5歳。夏祭りにて

練習漬けのためテレビを見ることもなく、芸能界へのあこがれはなかったというが、ひょんなことから、あるオーディションを受けることに。

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時6歳

「6年生のとき、友だちとファッション雑誌を一緒に眺めてたんです。おしゃべりしているうちに、ノリで『オーディション受けてみる?』って話になり、お母さんに相談したら、すごい乗り気になっちゃって(笑)。雑誌『nicola』のシンデレラオーディションを受けることになりました」

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時7歳。バレエ大会での一枚

あれよあれよという間にオーディションは進んでいった。

「周りはキラキラして見た目も完成してる子ばっかりなのに、私だけイモみたいな感じ。でも、昔から元気で明るい子どもだったから、へらへらしてたのがよかったのか、最終オーディションまで残っちゃいました」

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時12歳。モデルのオーディションを受ける

残念ながら受賞にはいたらなかったが、朝日はすぐに大手芸能事務所からスカウトを受け、所属が決定する。

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時11歳。

だが、ここから怒涛の勢いで年月は過ぎていく。

「事務所に所属後、歌とダンスのレッスンを受けることになったんですけど…問題があって。私、家族とカラオケに行っても、途中で止められるレベルで歌がヘタだったんですよ(笑)。それでも事務所でアイドルグループをつくることが決まったので必死に練習したんです」

しかしーー。

「メインのマネージャーさんが急にいなくなっちゃって、グループの話もなくなってしまったんです。事務所の中で、私はいなくてもいい存在になってしまったので、もう辞めようと思いました」

©テレビ朝日/テレ朝POST

そんなタイミングで、ある連絡が届いた。

「事務所に入る前に原宿の竹下通りでスカウトを受けたことがあって。そのときは断ったんですけど、このタイミングで『事務所をつくるから、来ないか』と誘われて。歌とダンスのレッスンもしていたので、所属することにしました」

しかしこの事務所、朝日が入った時点で所属タレントは彼女ひとり。

©テレビ朝日/テレ朝POST

そこで、まずは活動中のグループへ合流を模索し、「スマイル学園福岡校」に加入することになった。

しかしーー。

「私が入ったタイミングでメインのメンバーが辞めちゃって、1回ステージに立っただけで、グループが解散してしまったんです。それが中3の時期。もう、何をしていいかわかんないから、1年くらい芸能活動はお休みしてました」

 

◆テレビに映る大島優子が火をつけた

普通の女子高生ライフを送るようになった朝日は、テレビを見る時間が圧倒的に増えた。

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時16歳

すると彼女は、テレビの中に映る、ある一人の女性に魅了される。

「AKB48の大島優子さんを見ているうちに、やっぱり自分もステージに立ちたいって思ったんです。優子さんが私にもう一回アイドルになる決意をさせてくれました。音楽番組を見ていると、いてもたってもいられず、気づいたらマネージャーさんに連絡してましたね」

©テレビ朝日/テレ朝POST

こうして朝日は芸能活動を再開。前回と同じく、活動中のグループへ加入することに。

この時点で、もう3つ目のグループだ。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「入ったのは、『METROPOLIS』というグループでした。ただ、まわりは小中学生のメンバーが多かったし、歌とダンスのレベルを高めようという意識がそこまで高くなかったんです。もっとレベルを上げて、華やかな世界に行きたいと思っていたので、自分でグループを立ち上げることにしました」

なんと、4つ目はアイドルグループを自ら結成することに。

「事務所のマネージャーと二人三脚で『少女交響曲~Girls Symphony~』というグループを立ち上げました。私がリーダーかつプロデューサー的立場で、アイデア出しをしたり色々やりました」

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時18歳

ファンが2〜3人だったこれまでと違い、少女交響曲はライブや握手会に訪れる人がじわじわと増え、朝日はようやくアイドルとしての楽しさを実感できるまでになったという。

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時19歳。少女交響曲に加入

しかし――。

「1年半は充実した毎日だったのですが、グループ内の気持ちが徐々に揃わなくなってきて…。学業を優先させたい子や、女優業を目指すっていう子もいて、アイドル活動をメインでできない子が出てきていました。でも私はアイドル一本でやりたかった。だから本気になれる人と活動するために、グループを卒業しました」

こうして4回の“転職”を経て現在所属するのが「Tokyo Rockets」だ。

©テレビ朝日/テレ朝POST  19歳。TokyoRocketsに加入

「もう2年以上活動を続けていたグループだったのに、入ってすぐに私がセンターになってしまったんです。私への期待を感じると同時に、他のメンバーやファンから『朝日が入ってよかった』って思ってもらわなきゃならないと責任感を感じました。そこで挑戦したのがラストアイドルです」

朝日は、所属するTokyo Rocketsをもっと有名にさせるために、秋元康のプロデュースする『ラストアイドル』に挑戦することにしたのだ。

◆ラストアイドルに愛着がないわけではない。ただ…

番組企画に挑戦した結果、セカンドユニット「Good Tears」のメンバーになった朝日。

これまでにない規模のステージに立つ機会も増えたが、どのように感じているのか?

©テレビ朝日/テレ朝POST

「正直、今はまだ物足りなさを感じています。ラストアイドルだと『TOKYO IDOL FESTIVAL』や『GirlsAward』みたいな大きなイベントに、トントン拍子で出れているんですよ。でも、Tokyo Rocketsは、本当に努力をしないと何もつかめないし、まだまだなので…」

兼任しているグループ同士、シングルリリースのタイミングがかぶってしまうこともあった。

©テレビ朝日/テレ朝POST  20歳。成人式での一枚

「少し前にTokyo Rocketsのシングルランキングが12位だったんですけど、ラストアイドルは1位でした。でも努力の結果の12位だから、たとえ1位じゃなくても本当に嬉しかったです」

朝日はラストアイドルに愛着がないわけではない。ただ、自分がラストアイドルに貢献できている実感がないため、なにかを成し遂げても、心の底から喜ぶことができないというのだ。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「ラストアイドルでは、テレビやMVで私が映る時間も少ないし、ステージでも目立つポジションにいれるわけではないので…。ラストアイドルでなにかを成し遂げたときに、自分も一緒に喜びと感動が得られると思います、それがTokyo Rocketsのためにもなれたと思えると思います」

2つのグループの経験を糧にしながら目指す彼女の目標とは?

「千葉県出身なので、幕張メッセでライブをしたいと思っています。あと、目標ではなく、自分のなかで決めてることがあります。それは、去年に比べて自分が何かレベルアップしたという実感が持てなくなったら、アイドルを辞めるというものです」

いま、自身が所属するグループへの強い責任感と、自己成長への決意を感じさせるこの言葉。

それが現在の朝日を形作っているものだ。

「これは体感的なものなので、言葉にするのは難しいんですけど…。Tokyo Rocketsもラストアイドルも、去年よりは活動も広がって、自分のスキルも上がっていると思うので、まだ大丈夫です。これからもずっと、私は成長し続けたいと思います」

<撮影:スギゾー、取材・文:森ユースケ>

©テレビ朝日/テレ朝POST

※朝日花奈(あさひ・かな)プロフィール

1997年7月、千葉県生まれ。アイドルグループの「Tokyo Rockets」とラストアイドルの「Good Tears」を兼任。プロを目指して2歳から10年間バレエを続けたが、特技の欄にはバレエを書かない。その理由について、「小6で辞めちゃったし、本気でやってる人に失礼だと思うので、中途半端なレベルで言いたくないんです」と答え、こだわりの強い一面を感じさせた。

※番組情報:ラストアイドル4thシーズン『ラスアイ、よろしく!
【毎週土曜】深夜0:10~0:35、テレビ朝日系(※一部地域を除く)