名取裕子、鑑識班長役・室井滋の姿に「泥まみれになって…心打たれました」
無念のうちに亡くなった事件被害者の最期の声に耳を傾ける法医学者・二宮早紀(名取裕子)と、その夫で横浜東署の刑事・一馬(宅麻伸)。
衝突しながらも力を合わせて事件の謎に挑む夫婦の活躍を描いてきた人気シリーズ『法医学教室の事件ファイル』の最新作が、6月23日(日)に放送される。
今回は、“パワハラ上司”と名指しされた人物に相次いで“お仕置き爆弾”が送り付けられるなか、河川敷から女性の遺体が見つかる…という謎に満ちた状況からはじまるストーリー。
難解な事件の謎を追う一方で、なんと早紀と一馬の息子・愛介(佐野和真)が“授かり婚”で入籍。早紀が“おばあちゃん”になる!?――という新展開も盛り込まれている。
実は1992年、この『法医学教室の事件ファイル』が連続ドラマとしてスタートした当初は夫婦の間にはまだ子どもがおらず、早紀は流産という悲劇も経験。しかし、第2シリーズで息子“愛介”が誕生し、回を重ねるごとに成長。そして今回、愛介は早紀の研究室の助教授・伊吹南(中村静香)と授かり婚を果たす。
また、本作では演技派女優・室井滋と、近年女優として注目を集める阿川佐和子がゲスト出演。「法医学者・名取VS鑑識班長・室井VSキャリア管理官・阿川」という“3女優対決”が最大のみどころとなっている。
なお、27年にわたって主人公・早紀を演じてきた名取は、最新作のみどころについて以下のようにコメントを寄せている。
◆名取裕子 コメント
――最新作では息子・愛介が授かり婚。そんな新展開を聞いたときのお気持ちは?
「このシリーズは視聴者の方々と同じように年齢を重ねてきたと思っているので、みなさんと同じ目線の出来事が起きるのがとてもうれしいですね。最初、早紀はなかなか子宝に恵まれず、連続ドラマシリーズの最後で愛介が生まれたのですが、愛介が大きくなるにつれて夫婦も成長してきたと思うし、これからは孫育てしながら事件を解決できたら楽しいかな。
早紀は息子には厳しかったけど、お孫ちゃんには甘そう(笑)。そのうち愛介が静香ちゃんに逃げられちゃうなんてこともあるかもしれないし、そしたら私たちが頑張らなくちゃ! どんなことが起きても楽しそうですね(笑)」
――この新展開について、宅麻伸さんや由紀さおりさんとはどんなお話を?
「早紀と一馬の歴史も27年になるので、宅ちゃん(=宅麻)と2人でしみじみ『そういえば愛介が誘拐された事件もあったなあ』とか『ランドセルを買うとき一馬が連れて行ったよね』…などと話をしました。宅ちゃん、いや一馬は私より甘いおじいちゃんになりそうですね(笑)。
由紀さんとはいつもどこからがアドリブなのかわからない丁々発止のバトルをお見せしていますが、これからは静香ちゃんが入って“昭和VS平成”、もしくは“昭和VS令和”のバトルもできそうです。このシリーズは事件の謎解きも大事ですが、ホームドラマとしての要素もあるので視聴者のみなさんが共感してくださる展開をこれからいっぱい広げていきたいですね」
――本作では、鑑識員役で室井滋さん、管理官役で阿川佐和子さんが出演され、早紀との対立もみどころです。室井さんの印象は?
「室井さんとは何度か共演したことがあるのですが、彼女は常に最初から本気! 様子見なんてまったくせず、はじめから全力で役を出してくるスゴイ女優さんだなと思います。今回もリハーサルの段階から全身で役に入り込んでいらしたので、オッと思いました。相変わらずエネルギーも素晴らしいし、それでいて感情の変わり目もきめ細やかに演じていらして…室井さんが出てくださってドラマに深みが出たなと思いました。
途中、早紀が『私たち、似た者同士よね』と話すところがありますが、最初、そんなセリフはなかったんです。でも“遺体は嘘をつかない”と信じる早紀と、“物証は嘘をつかない”と思う映子は、やはり似ている…。室井さんを見ていたら、自然にその言葉が出てきたんです。泥まみれになって鑑識の仕事に打ち込む姿には、本当に心打たれました」
――管理官を演じた阿川さんの印象は?
「阿川さんは檀ふみちゃんと3人でとっても仲がよくて、プライベートでご結婚のお祝いもしていたので、久しぶりにお会いできてうれしくなっちゃいました。佐和子さんも『陸王』(TBS)から“女優って面白いね”とおっしゃっていて、今回は身長的にいちばん小さいのにいちばんエライ役に挑んでくださいました(笑)。静かでクールなセリフ回しで、管理官の高圧的なところをよく表現されていましたよ。
それにしても阿川さんは文章は書ける、キャスターもできる、女優もやられる、嫁にもいかれる…。これではちょっと立場がありませんので、私も阿川さんに負けないように頑張りたいと思います(笑)」
――作品に込めた思いを教えて下さい!
「本作では、“パワハラ”や“働き方改革”など今どきの話題が事件に絡んできますが、今はとても難しい時代ですね。ベテランが若手に仕事を伝えるとき、きちんとコミュニケーションを取らないとパワハラになってしまうことがある。働き方改革もあって、いくら時間がかかっても納得いくまでやりたいということもダメだったりする。コンプライアンスや法令は守らなければいけませんが、やはり信じられるのは目に見えない思い…。手を伸ばしてその思いをちゃんと伝えていくのが大事なことだなと思います。
早紀でいえば、事件を解決して被害者の無念を晴らしたい…そういう思いが壁を乗り越えていくというところをみなさんにお見せしていきたい。これからもこのシリーズでは、見終わった後、“明日もまた頑張ろう”“まじめに働いて生きていこう”と思えるような作品を目指していきたいなと思います」
※番組情報:日曜プライム『法医学教室の事件ファイルスペシャル』
2019年6月23日(日)午後9:00~午後11:05、テレビ朝日系24局