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最高時速500㎞近くのシャトルが飛び交う!特殊なスポーツ・バドミントンの世界

5月19日(日)に開幕した「世界バドミントン男女混合国別対抗戦2019 スディルマンカップ」。

男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの5種目5試合で、12の国と地域が威信をかけて優勝を争う大会だ。

バドミントンは、スマッシュを打ったときのシャトルの最高時速が500㎞近くに達するほど激しいスポーツ。他にも、求められる資質やトレーニングの仕方など、特殊な面が多い。

今回はそんなバドミントンという特殊なスポーツの謎に迫ってみたい。

©テレビ朝日

話を聞いたのは北京、ロンドン五輪に出場したバドミントン元日本代表選手の池田信太郎氏だ。

◆特殊な筋トレ、激しいダッシュ

――シャトルを全力で打つと、最高時速が500km近くにもなる。となるとシャトルの消耗も激しいはずです。シャトルは一試合どれくらい使いますか?

©テレビ朝日 池田信太郎氏

池田:試合や選手によりますが、だいたい1ゲームで20個くらいは使います。プロ選手が全力で20発打つと朽ちていくレベルです。そうすると、シャトルがゲジゲジになってスピードと精度が落ちます。こうなると抵抗が増えるので飛ばなくなります。なので、試合中に40ラリー以上続いた場合は大抵シャトルは交換します。一個500円なので25,000円くらい使いますね。

ーー激しいスポーツですね。会場によってプレーがやりやすい、やりにくいといったこともあるのでしょうか?

池田:会場内の風や音など影響される要素はいろいろあります。例えば、音。自分の打った音が気持ちよく聞こえると選手の調子があがりますが、広い会場や応援の声が大きい会場だと自分の打感や打音がわからず、タイミングがわからなくなってしまいます。「今のはちゃんと当たっていたのか?」がわからないと試合が乱れるんです。

ーーバドミントン選手の練習や身体的特徴について教えてください。バドミントン選手はどこの筋肉が発達しているのでしょうか?

池田:利き腕がやはり発達していますね。右手なら右手が太い。これは見た目でもわかります。あとは足を大きく開脚して戻る作業が多いので、足の太ももが発達しています。とはいえ、試合中の運動量がものすごいので、みなさんスリムなんですよ。

ーー筋トレ量も多いのでしょうか?

池田:もちろん。ただ、ウェイトリフティングのようにいかに重いウエイトをあげられるかではなく、ある程度の重りをスピーディに何度もあげられる筋肉を育てます。それからジョギング。ウォーミングアップで体育館10〜20周ほど、あとはインターバルトレーニングも必須です。激しいダッシュを何本もさせられます。走れない選手は勝てません。

◆攻撃的なだけではダブルスがうまくいかない理由

ーー選手の育成について伺います。みなさんどういったきっかけでバドミントンを始めるのでしょうか。

池田:私は父親がバドミントンのコーチで、気づいたらやってました。日本代表選手はそういう人が多いですね。中学の部活からなどではなく、幼少期から始めているケースがほとんどです。バドミントンは今は中学から中高一貫校に入り、そこで強化練習しているケースが多いです。小学校で好成績を残すと中学で優秀なコーチに教えてもらえるんですよ。

ーーダブルスはどういったきっかけでみなさん組むのでしょうか?

池田:ダブルスは高校のときから、早い選手は中学のときから同じ学年でペアを組むケースが多いですね。ダブルスの選手は練習場所が基本的に一緒です。なので実業団のペア選手が企業をまたいで組んでるケースはないですね。同じ環境で練習できるのが前提です。

ーーどのようにダブルスのペアの組み合わせは決まるのでしょうか?

池田:攻撃ができる選手と器用でゲームメイクできる選手が組まされます。ゲームメイクできる選手だけだと迫力がでないし、攻撃できる選手同士だとゲームメイクできず、勝てない。役割分担が大事なんです。

©テレビ朝日 現役選手時代の池田信太郎氏

◆アジアが強い理由は…

ーーバドミントンは、インドネシアや中国など、ほかのスポーツに比べてバドミントンは東アジア、東南アジアが強いです。その理由は?

池田:アジアの文化や民族性にマッチしやすかったのでしょう。テニスやアメフトのような欧米が強い競技は来たボールに対し「強く返す」ということが意識されがちですが、バドミントンはそれに加えて、もう少し丁寧に返すのが必要な場面があります。その点で繊細なスポーツなんです。アジア人にそういった民族性があるのではないでしょうか。あとは家の庭でも気軽にプレイしやすいのも背景かなと思います。

ーー最後に教えてください。バドミントンの楽しさや魅力は?

池田:速さに加えて、ゆっくりな動きもあるので、その緩急が魅力ではないでしょうか。これは試合を目の前で見ると感じます。また、バドミントンは「変化と工夫」のスポーツなんです。変化に対応できても工夫ができなければ点が取れない。変化の中で工夫ができることが大事ですし、その技巧を見るのが楽しめると思います。

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池田氏の丁寧な解説により、バドミントンというスポーツの特殊性が理解できたはずだ。個々の選手の筋肉や動き、シャトルの交換ペースなどに注目してみると、より本大会を楽しめるかもしれない。

5/23(木)深夜2:294:00 準々決勝 第1
5/24(金)深夜2:554:30 準々決勝 第2
5/25(土)深夜0:554:30 準決勝
5/26(日)深夜1:014:00 決勝
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