ドラマ『東京独身男子』のお薦めポイントをオトコ目線で解説する<カツセマサヒコ>
この4月よりスタートした土曜ナイトドラマ『東京独身男子』。
高橋一生、斎藤工、滝藤賢一の3人が演ずるは、没頭できる仕事と趣味を持ち、家事能力も高く、友達と充実した日々を過ごすAK男子(あえて結婚しない男子)。そんな彼らにスポットを当て、今までにない恋愛・結婚観でアラフォー独身男性の本音を体現していくドラマだ。
5月4日(土)までに第1~3話が放送されているこの『東京独身男子』だが、本作についてTwitterで約13万6000人(※2019年5月時点)のフォロワーをもつライター・編集者で、コラム・エッセイ・小説など幅広く活躍するカツセマサヒコさんに寄稿してもらった。
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ドラマ『東京独身男子』、個人的に最高すぎるので紹介したいのだが、すでにご覧いただいているだろうか。
まだ見ていない方のために、今回は同ドラマのお薦めポイントを、独断と偏見を大いに交えながら紹介したい。
◆マジ眼福
急にギャルみたいな見出しになってしまったが、やむを得ない。
今作で主演を務める石橋太郎(高橋一生)、そして三好玲也(斎藤工)、岩倉和彦(滝藤賢一)の超絶イケメントリオは、この眼球に、確かに福をもたらしてくるのだ。
特に注意したいのが、“テ●スハウス”もびっくりなハイパーオシャモテ部屋で、少々男子校ノリした3人がワイングラスを片手に回しながら優雅にはしゃぐシーンである。アレには男の筆者だってあっけなく母性が芽生え、想像妊娠の一つや二つは余裕でかましてしまいそうになるから怖い。第4話以降も気をつけたい要素の一つだ。
しかもその3人の、掛け合いのテンポの良さと言ったらもう最高である。
あれはスクールカースト上位層のみが許される「ホームルーム中にふざけていても先生があんまり怒らないキラッキラした例のアレ」を彷彿させ、当時陰キャ街道ドまっしぐらだった筆者からすれば、もはや奇跡のやりとりである。
過呼吸を引き起こすほどに爽やかで無邪気でウィットに富んでいる男同士の会話を見ているだけで、「ああ、太郎ちゃん……」とツイートしそうになるから恐ろしい。“マジ眼福”なことは、時に罪であることを同ドラマは教えてくれる。
◆「アジェンダ」の破壊力
同ドラマでは、これまでの第1~3話において、男女の恋愛における重要な格言のようなものが飛び出すと「アジェンダ」としてピックアップされる仕組みがあるのだが、このアジェンダの破壊力が毎回大変なことになっている。
とくに第2話のアジェンダ「相手が何考えてるかわからない時は、イコール、お前に気がないだけ」は、過去の恋愛経験を思い出してみても、あまりに当てはまり過ぎていてしんどい。
「なんか、月に一回くらいは会ってくれるんだけどさ、デートが終わってすぐに『ありがとね!』とか送っても、半日既読つかなかったりすんだよね。会ってる間は楽しそうなんだけどな。あれ、何考えてるかわかんないわ」
はい、ソレ、たぶん気がない。好きな人からの連絡だったらとりあえず既読はソッコーでつける。我々も散々経験したことではないか。なのに、デート直後に半日放置だ。もう答えは出たようなものである。何を考えているか、本当はわかっているのではないか。過去の私よ、その女性は、もうお前に気がない。
といった感じで、相手のことが好きで好きでしょうがなかったら、もう言動ひとつでわかってしまうものだから、“わからない”時点で“そこまで好かれてない”はほぼ確定するという残酷なパンドラの箱を開けてしまったのが、第2話だった。
第3話の“裏アジェンダ”はさらに強烈で、「男はもともと“ナシ”の女に対しては、いくらアタックされても動かない」という、女性陣の不断の努力を木っ端微塵に打ち砕く最低最悪ともいえるフレーズが登場した。
女性は“ナシ”の男に対しても許容範囲が広いが、男は一度“ナシ”と判定するとそこからなかなか覆らない、という理論であるが、果たしてこれは全ての男女に当てはまるのだろうか。
「えーそんなことないっすよー!」と言いたい男子がぞろぞろ集まってくるが、そいつらの顔には(いえ、実はナシではなく「ナシ寄りのアリ」でした)と書かれていることが大半な気がする。
とはいえ、別に男だとか女だとかは関係なく、“恋愛において第一印象は超大事”ってことは間違いないし、そこを飛び越えて恋愛対象として見られるためには、「巧みな会話術でめちゃくちゃ楽しくさせるか安心させる」or「意外な趣味や特技などのギャップで落とす」くらいしかない気がするから、アベンジャーズでも突破しづらい高いハードルになるのは避けられない。
「見た目や第一印象で判断するのって古い。最低」とか言われましても、内面は外見に宿るとも言うわけだ。本当に理不尽な世の中だが、この裏アジェンダが本当に正しいかどうか、ドラマを見届ける中で答えが出て欲しいと切に願う。
◆女性陣みんな可愛い
急に童貞みたいなことを言い出したので本記事も終わりが近いが、このドラマは、仲里依紗・高橋メアリージュン・桜井ユキという主要女性陣全員が可愛い。
特に個人的に推しているのが桜井ユキさん演じる日比野透子で、スゴ腕の弁護士かつハイパー美人なうえに、第3話では初めてカジュアル私服姿で登場し、そのラフなオシャレ具合+丸メガネのセンスが抜群過ぎるあまり、筆者は巻き戻して4回見ました。
思わず「です・ます調」になるレベルで大興奮したので、ぜひこの第3話のカジュアル私服シーンだけでも見返してもらいたいものだ。
以上で、独断と偏見にまみれた『東京独身男子』のお薦めポイント紹介を終わりにする。最終回まで、このまま盛り上がっていくことを期待している。
※次回放送情報:土曜ナイトドラマ 『東京独身男子』第4話
2019年5月11日(土)午後11:15~深夜0:05、テレビ朝日系24局