テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
menu

美容師、ヘアメイクを経てアイドルに。TikTokフォロワー74万人アイドルの哲学<西村歩乃果>

現在、どれだけのアイドルが日本に存在するのかを断定するのは難しいが、“売れているアイドル“と定義できる存在となると、その数はぐっと減る。

例えば、武道館での単独コンサート開催を目標とするアイドルは少なくないが、実際にその地に立てた女性アイドルは、AKB48やももいろクローバーZをはじめとして、これまで30グループに満たない。

さらに近年の傾向として、HKT48からデビューした宮脇咲良(※現在はIZ*ONEに専念)に代表される「アイドルの掛け持ち」や「アイドルの転職」、「アイドルの再チャレンジ」も活発化しており、一口でアイドルと言ってもそのキャリアは多様化を極めている。

秋元康プロデュースによる、『ラストアイドル』(テレビ朝日系、2017年8月に放送開始)から生まれたグループ、「Love Cocchi」の西村歩乃果もそのひとりだ。

©テレビ朝日/テレ朝POST Love Cocchiのメンバー西村歩乃果

彼女は、高校まで6年間続けたソフトテニス部では部長を務め、高校卒業後は美容の専門学校へ進学。美容師として六本木の美容室で務めた後、有名アーティストのヘアメイク担当を経て、『ラストアイドル』に挑戦したのだ。

©テレビ朝日/テレ朝POST

また、彼女はアイドルの傍ら、若者の間で絶大な支持を誇るアプリ・TikTokでは74万人、Instagramでは12万人を超えるフォロワーを持つインフルエンサーでもあり、“かわいすぎるヘアメイク”として雑誌のグラビアなど、様々な活動をしている。

六本木の美容師だった彼女はなぜ、アイドルを志したのか。

美容師、ヘアメイク、アイドルに通底するそのキャリアを志すきっかけとなる彼女のたった一つの哲学が明らかになる。

 

◆1万円もらってピアノ伴奏をさせられていた幼少期

1995年1月、神奈川県で生まれた西村歩乃果。

幼少期は人見知りの引っ込み思案で、まったく笑わない子どもだった。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「昔の写真を見たら、全部真顔でピースしてるんですよ。保育園のお遊戯会でも、周りのみんなが楽器を演奏しているなかで、私だけ後ろで何もしてなかったり。運動会の障害物競走では、恥ずかしくてひとりだけ走れなかったので、お父さんにおんぶしてもらったみたいです(笑)」

しかし、両親は娘を目立たせるのが大好き。どんどん前に立つことを望んだ。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「ピアノを習っていたので、学校で弾く機会があれば必ず勧められて。いやだっていうと、1万円あげるからやりなさいって言われて、しぶしぶやってましたね」

そんな性格にも、変化が訪れる。

小学校4年生で卓球、中1からはソフトテニスを始めスポーツ少女になると、日焼けして真っ黒な肌の、ガングロ少女に。ここから、徐々に引っ込み思案な性格が消えていった。

©テレビ朝日/テレ朝POST 当時10歳。引っ込み思案な少女はスポーツに夢中になる

高3まで6年間続けたソフトテニス部では、部長を務め、大会でも好成績を残すことに。

「最後の大会では、県大会の3回戦までいったのかな。そんなに強い学校じゃなかったのですごく頑張ってたら、うちらの代で過去最高の記録を出せました」

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時14歳。テニスは地区大会で好成績を残す腕前だった

高校を卒業するタイミングで、美容の道へ進む決心をした西村。きっかけは、文化祭で友人のヘアアレンジをしたことだったという。

「高校に入ってから、メイクに詳しい友だちに教えてもらって。文化祭でもメイクとアレンジが上手にできて、すごく喜んでもらえたんですよ。それが嬉しくて、そこから興味が湧いてきました」

©テレビ朝日/テレ朝POST

高校卒業後は、特待生で入学した美容師の専門学校に2年間通い、無事に美容師の免許も取得。こうして西村は六本木の美容室で働き始めることになった。

 

◆美容師を辞めてヘアメイクの世界へ。だが……

希望通り美容師の道を歩み始めて1年半が過ぎたころ、転機が起きる。

©テレビ朝日/テレ朝POST  当時20歳。ヘアメイクの道を歩み始めていたころ

西村が勤務していた店舗で、場所を借り受けて仕事をしていたヘアメイクから、ある言葉をかけられたのである。

「その方は、有名人のヘアメイクも担当する人だったんですけど、ある日突然、『ほのちゃん、ヘアメイクやる気ない?』って誘われて。『やります!』って即答して、1週間後には、美容室を辞めました」

即断即決。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「そいういう思い切りの良さも買ってくれたのか、『やる気があるのはいいね』ってよくしてもらってた」と西村。

こうして彼女は、早々に有名アーティストのヘアメイクを手がけることになったのである。

だが、この決断こそが彼女がアイドルに挑戦するきっかけとなった。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「1年ほど全国のライブツアーに帯同して働いていると、『かわいいのになんで? 絶対に表に出たほうがいいよ』って周囲で言ってくれる人が多かったんですよ。最初は、いやいや、そんな〜って言ってたんですけど、そのうちまんざらでもなくなっちゃって。あれ、私でもいけるのかな…?みたいな(笑)」

©テレビ朝日/テレ朝POST

そんな時期に、たまたまテレビで目にしたのが、『ラストアイドル』だった。

「絶対に勝ってアイドルになりたいという気持ちはなくて、自分ならどこまで行けるのかっていうのを知りたくなったんです。ダメ元で受けてみたら、テレビに出られることになった。そんな気持ちだったから、敗退した後にセカンドユニット加入の話があったときは、即断りました」

©テレビ朝日/テレ朝POST  23歳。ヘアメイクの道を捨て、アイドルへ

 

◆「じゃあなんで受けたの? やりたいからでしょう」

記念受験を終えて、ヘアメイクの日常に戻る…かと思いきや、師匠がそれを許さなかった。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「ずっと一緒についてたスタイリストさんにだけは進路について相談したんです。私が(セカンドユニットを)辞めようと思ってるって話をしたら、『じゃあなんで受けたの? やりたいからでしょう。ヘアメイクはいつになってもできるよ』って言われて。もう明日から来なくていいって、冷たく突き放されたんです。今振り返ると、優しさで背中を押してくれたんですよね。その言葉のおかげで、Love Cocchiのメンバーになりました」

軽い気持ちで足を踏み入れた芸能界だったが、西村は徐々にこの世界が自分の性格に向いていることがわかっていく。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「ライブでコールをいただいたり、自分の名前のタオルを持ってる人を発見できたり、握手会でたくさんの人が並んでくれたり、TikTokとかSNSでフォロワーがたくさん増えたり…。自分が求められてると感じる瞬間がすごく嬉しいし、応援してくれる人たちのために、頑張れる。番組ではグループごとのバトルが続いたり、SHOWROOMの動画配信でもランキングの勝負があります。性格的には、そういうの得意じゃないんですけど、期待して一緒に頑張ってくれるファンの方のためにも、頑張ろうって思うんです」

自分が求められることが、何より嬉しいと感じるのだ。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「ヘアアレンジで友だちに喜んでもらえたのが美容師の仕事を選んだきっかけだったし、ヘアメイクを始めたときも、自分を選んで誘ってもらえたのが嬉しかったからかもしれないですね」

©テレビ朝日/テレ朝POST  常に人から求められる場所を選んできた西村

 

◆「街を歩いていても『あ、TikTokの子だ』って言われるんですよ」

アイドルに雑誌のグラビア、SNSでの発信と様々な道で活動をしている西村だが、さらに武器を増やすべく、最近縁がありYou Tubeにて冠チャンネルを持てることになった。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「もともとゲームが大好きなんです。特にサバイバルホラーのジャンルが大好きなので、そういったゲームの実況をしながら、徐々にいろんなことを始めていけたらいいな、と思ってます」

最大の武器であるTikTokでの発信力も、磨いていくつもりだ。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「ちょっと前までは、日本人のなかでも3位くらいだったんですけど、どんどん抜かされちゃって、いまでは15位くらいになっちゃって。でも、最近は韓国人の方からよく見られているみたいで、1日に数百人ずつフォロワーが増えてるんです。今までは日本語の曲ばっかりアップしてたんですけど、最近は洋楽にチャレンジして、海外の人にもたくさん見てもらえるようにしたいです」

©テレビ朝日/テレ朝POST

現在の課題は、SNSでの活動が充実しているあまり、アイドルとしてのイメージが希薄なことだとか。

「街を歩いていても『あ、TikTokの子だ』って言われるんですよ。アイドルであることが知られていないので、ラストアイドルの西村歩乃果だって知ってもらえるように、がんばっていきたいです。アイドルやグラビア、TikToker、YouTuber…求めてもらえる場所があれば、どんどんチャレンジしていきたいですね」

<撮影:スギゾー、取材・文:森祐介>

©テレビ朝日/テレ朝POST

※西村歩乃果(にしむら・ほのか)プロフィール

1995年1月、神奈川県生まれ。特技は卓球とソフトテニス、ヘアアレンジ(美容師免許を所持)。卓球は今でもプレイすることがあり、大会のレポーターなどの仕事を密かに狙っている。「ぶりっ子でしょう」と言われがちなことを気にしており、動画配信などを通じて、サバサバしている内面を知ってほしいと願っている。

※リリース情報

2019.4.17 Release 6th Single『大人サバイバー』

表題曲は、メンバー52人全員が歌唱。初回限定盤Type-A~Cそれぞれには、1期生・2期生・2期生アンダーの楽曲が収録される。

※番組情報:ラストアイドル4thシーズン『ラスアイ、よろしく!
【毎週土曜】深夜0:10~0:35、テレビ朝日系(※一部地域を除く)