「アーティストが作るアートではない」イタリア発の花アートは“みんなが主役”
テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。
現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。
この日、修造が訪れたのは都内で行われている展示会。そこには、地面いっぱいに“謎のアート”が描かれていた。
このアートを手掛けたのは、藤川靖彦さん(58歳)だ。
「生の花、カーネーションの花びらを置いて作りました。糊の入った水をまいて、花びら同士がくっついているので、飛んでいくことはありません」(藤川さん)
このアートの名は、イタリア語で「花のじゅうたん」という意味をもつ『インフィオラータ』。発祥はイタリアで、キリスト教の記念日を祝うために始まり、400年以上の歴史があるアートなのだ。
この『インフィオラータ』を日本でただ1人制作している藤川さんは、歌舞伎などの日本の伝統文化を題材にした作品などで、海外でも高い評価を受け、ローマ法王に献上した作品もあるという。
そして来る2020年の春、世界30の国と地域が集まる『インフィオラータ』の国際大会を、日本へ初めて誘致した人物でもあるのだ。
◆「みんなで作って、みんなが笑顔になれる」
『インフィオラータ』について、藤川さんは「みんなで作るもの」と強調する。
「アーティストが作るアートじゃないんです。僕らはマエストロと呼ばれていて“指揮者”なんです。僕らが指導しながら一般の方々が作るのです」(藤川さん)
下絵の上に花びらや砂をまいて、仕上げていく『インフィオラータ』。制作には、子どもから大人まで誰でも参加できる。
この歌舞伎の絵の場合、15人がかりでおよそ5時間かけ、華やかで立体的な作品を完成させた。
「みんなで作って、みんなが笑顔になれるんです。みんなが主人公になれて、それがプロデュースして1番嬉しかったことですね」(藤川さん)
藤川さんには東京2020に向けて、実現したいことがあるという。
「東京2020が決まった時に、大きな夢が生まれました。『インフィオラータ』の起源は、聖体記念日に司祭が町中を歩く儀式で、町の人がお迎えする時にフラワーシャワーをまいていたのですが、それが絵に変わり“花のじゅうたん”になりました。
オリンピックで聖なる方といえば、“聖火ランナー”です。聖火ランナーが走る道を、花でお迎えするために、みんなで“花のじゅうたん”を作って、その上を聖火ランナーが走ったら良いのではないかと。みんなで参加できるし、1つのレガシーになると思いました」(藤川さん)
藤川さんのできる宣言は「花の力で、みんなを主役にしたい!」。みんなを笑顔にする花の力を目の当りにした修造は、藤川さんの挑戦に熱いエールを送った。
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系