フィギュアスケートは、なぜ面白いのか?松岡修造氏が語る“他のスポーツにない魅力”
明日4月11日(木)に開幕する「世界フィギュアスケート国別対抗戦2019」。
2009年に始まった国別対抗戦は、男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスの4種目の総合成績で争う、まさに“フィギュアスケート最強国決定戦”だ。
前回大会で見事3大会ぶりの優勝を果たしたチーム日本には、初出場の紀平梨花、平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨らが、今大会連覇をかけて、世界に挑むことになる。
その「国別対抗戦」で、メインキャスターを務めるのが松岡修造氏だ。
プロテニスプレーヤーとして活躍していた松岡氏だが、実はフィギュアスケートについては現役時代から見に行くほどのファンだったという。
いったい、彼をそこまで惹きつけるフィギュアスケートの魅力とは何なのか。2005年からフィギュアスケートを取材してきた松岡氏に話を聞いた。
◆フィギュアスケートは「舞台に似ている」
――まず、国別対抗戦のポイントを教えてください
松岡:世界上位6カ国で世界最強国を決める戦いです。選手それぞれが日本代表として日の丸を背負い、チーム日本としての雰囲気をまとっているというのが本大会の特徴と言えるでしょう。
――テニスの印象が強い松岡さんですが、フィギュアスケートは以前から注目されていたのでしょうか?
松岡:僕は現役のテニス選手のころから、見るという意味でフィギュアスケートがすごく好きだったんですよ。小さい頃からよく舞台に連れていってもらっていたので、舞台に似た特徴を持つフィギュアスケートにはすぐに興味を持ちました。
――「舞台に似ている」とはどういうことでしょうか?
松岡:演じる力や人間としての魅力に注目が集まる点です。たとえば僕がフィギュアスケートを見る場合、選手たちの氷上でのジャンプ技術よりも、その選手が氷上で何を表現するのかということに注目して見ています。
――技巧性だけではなく表現力に注目するのはファンもそうかもしれません。そして人々はそれに魅了されるのかもしれませんね
松岡:野球やテニスも、確かに人々を魅了させます。しかし対戦相手がいるスポーツですので、どんな動きをするのかは選手本人も含めて誰も予想できません。
一方で、フィギュアスケートは、選手本人は自分がどんな動きをするのか分かった上で、氷上を舞う。選手たちの演技の“完成度”に注目が集まる点で、他のスポーツと大きく異なると思うのです。
◆フィギュア取材を通して感じる、「選手の人間的成長」
――松岡さんは長年フィギュアスケートを取材してきて、選手の成長も見てこられたと思います。やはり、選手たちが年を重ねていくに連れて、変化は感じますか?
松岡:感じますね。技術はもちろん、選手たちの精神面の成長を見られるのはすごくうれしいです。たとえばテニスは「あの選手に勝てるようになったね」という感想を抱くことがありますが、フィギュアは「自分を表現できるようになったね」という感想になる。前述したように、その本人の内面的変化に、深さとおもしろさが備わっているのです。
ただ、ここまで人間的成長を楽しめるのがフィギュアの魅力と言いましたが、一つ強調させていただきたいのは、「フィギュアスケートは勝負である」という自覚をもって選手は戦っているということ。つまり、「勝っても負けても自分の演技ができればいい」という考え方ではありません。
これが、フィギュアスケートがスポーツであるという根拠にほかなりません。本大会でも、選手たちは勝つためにリンクを舞うというのは間違いないのです。
世界トップ6カ国で争われる「国別対抗戦」。フィギュアスケートならではの魅力とその熱い戦いに改めて注目しながら観戦をすると、新たな発見があるかもしれません。
※番組情報:『世界フィギュアスケート国別対抗戦2019』
2019年4月11日(木)よる6:30~9:00「男女ショートほか」、テレビ朝日系24局(※一部地域を除く)
2019年4月12日(金)よる7:00~8:57「男子フリーほか」、テレビ朝日系24局(※一部地域を除く)
2019年4月13日(土)よる6:56~8:54「女子フリーほか」、テレビ朝日系24局
2019年4月14日(日)よる6:30~7:58「エキシビション」、テレビ朝日系24局