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元世界王者・竹原慎二、がん闘病支えた「妻の献身」と「10の目標」

©テレビ朝日

最初に体調に異変を感じてから1年以上経って“膀胱がん”が発覚した竹原慎二さん。医師から告げられたのは、「すでにリンパ節にも転移していて、5年生存率は25%。最悪の場合は余命1年」だったという。あまりに突然のことに、一時は闘病をあきらめかけた竹原さんの不屈の魂に火をつけたのは、妻の香織さんだった…。

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◆妻と子どもと一緒にいたい一心で“生き延びる術(すべ)”を模索

「1年以上、膀胱炎だとか前立腺肥大と言われていたので、血尿が出たときもめんどくさいなあと思って。どうせ病院に行っても、わけのわからない薬を飲まされるだけだろうなあって思ったんですよ。でも、心配だから別の病院に行ったら『がんです』って言われて…」

検査手術の結果、膀胱全摘が必要と告げられた竹原さんは、帰りの車中、初めて妻の前で泣いたという。

膀胱を温存する方法がないか、セカンドオピニオン、サードオピニオンを受けるも不可能だと知って断念。膀胱を全摘するしか助かる方法はなかったという。

「僕はどちらかと言うとネガティブな人間なので、精神的にかなり落ちこみました。『もういいや』ってあきらめかけたりもしたんですけど、女房が『パパ、絶対に死なせないから』って言って、献身的にサポートしてくれて…。女房は本当に大変だったと思います。女房がいなかったら頑張れなかったですね」

-手術、治療はどのように?-

「まず抗がん剤治療をして、そのあと手術を受けることにしました。手術の方法は二つあるって言われたんですよ。

膀胱を全摘すると尿をためる器官がなくなってしまうので、おなかに尿を出すための小さな出口を作って、尿をためるパウチと呼ばれる袋を付ける方法。それともう一つは、自分の小腸を切り取って、それを袋状に縫い合わせて新しい“人工膀胱”を作るというもの。

パウチを使う方法だと、袋をぶらさげなくちゃいけないから、外見上もすぐわかってしまう。僕はみんなと一緒に風呂に入ったりもしたかったので、人工膀胱の方を選びました」

-手術を受けたのは、いつだったんですか-

「2014年6月25日に東大病院でも2例目という最先端手術。『ダヴィンチ』という手術支援ロボットを使って、患部の立体映像を見ながら遠隔操作でアームを動かすハイテク手術で11時間もかかりました。保険適用外でしたから高かったですね。250万円かかりました。

無事成功したから良かったんですけど、術後の痛みは半端なかった。地獄でした。もう1回手術をやれと言われたら、死ぬのを選ぶかもしれないというほど痛かったですね(笑)」

-外見上は全くわからないということですが、手術前と違うところは?-

「もともとの膀胱とは違うので、自分でおなかに力を入れて尿を出すようにするしかないんですよ。それが結構大変ですね。あと、尿意がまったくないので、3時間に1回は自発的にトイレに行かなくちゃいけないし…」

-それは夜中もですか-

「そうです。もう慣れましたけどね。今はもう定期的にパッと目が覚めて行っていますよ」

-奥様が食事の面でもかなり工夫されていたそうですね-

「本当によくやってくれました。全部素材からこだわって作ってくれましたね。

退院してから1年半は、ファストフード、ジャンクフードの類(たぐい)は一切禁止。市販の弁当やおにぎり、サンドイッチなども一度も食べてなかったですからね。最近はそういうものも少しは食べるようになりましたけど。

あと、僕は基礎体温が低いんですよ。35度ちょっとしかなかったんですけど、36度5分まで上がるように、室温を高く調整したり、お風呂に長く浸かるように…とか、からだに良いということはすべて取り入れてやってくれましたね」

-もうすぐ丸5年になりますが、調子はいかがですか-

「おかげさまでいいですよ。6月12日で丸5年になるんですけど、今のところ異常はないって言われています」

-本当に良かったですね。今、気をつけていることは?-

「食事ですね。月に1、2回断食をしてからだをリセットしたり、免疫力を上げるために体温を上げるようにしています。部屋の温度を上げて、お風呂にも長くつかるようにして、漢方薬を飲んだりしています。

そうしていたら、いつの間にか体温が36度台に上がっていたんですけど、また今ちょっと低い状態になっているので、気をつけないといけませんね」

©テレビ朝日

◆闘病を支えた“前向きになるための10の目標”とは…

手術後の地獄の苦しみ、つらいリハビリや免疫療法など闘病生活を乗りきるために「10の目標」をたてたという竹原さん。

(1)沖縄へ家族旅行(2)広島カープの始球式で投球する(3)ゴルフ番組に出演する(4)ホノルルマラソンを5時間以内で完走する(5)富士山登頂(6)息子が20歳になったら一緒に酒を飲む(7)娘の高校卒業式で写真を撮る(8)東京オリンピックを見る(9)ゴルフのシングルプレーヤーになる(10)ジムから男子日本チャンピオンを出す

と、過酷な闘病を支えたご家族に関する目標が多い。

目標を達成することが励みになって、がんに挑むことができたという。

-10の目標はほとんどクリアされたのですか-

「そうですね。富士山にも2回登ったし、ホノルルマラソンも2回走りましたしね。かなりしんどかったですけど、走り終わった時の達成感は半端じゃなかったですね。

10の目標は結構クリアしていますけど、ゴルフのシングルプレーヤーにというのは、まだまだですね。50歳までに実現できたらいいなあ(笑)。昨日練習に行ったらすごく良かったんですよ。でも、毎回そうはいかないですからね」

-ゴルフは奥様も一緒に行かれるんですか-

「女房もゴルフはやります。もっと女房を誘って行けば、機嫌が良くなるんでしょうけど、結構ひとりで行っちゃうから怒っていますよ(笑)」

-男子日本チャンピオンを出すということも目標に掲げていましたね-

「出したいですね。女子チャンピオンはいるんですよ。モンスターって言われている、女子世界5階級制覇チャンピオンの藤岡奈穂子という選手がいるんですけど、男子はまだいないので、何とか出したいですね」

-ジムで後進の育成のほか、テレビや講演会など幅広い分野で活動されていますが、今後はどのように?-

「今、僕は、仕事はすべて待つ身なので、これからは何か自分から積極的に仕事をやらないといけないかなって思っています。今は仕事が来てくれるからいいですけど、将来どうなるのかという不安がありますからね。何か商売でもやろうかな(笑)。

病気をしたことで命の大切さを実感しました。生きている限り、いろんなことに挑戦したいと思います」

-今回、『ロッキー』シリーズ一挙放送の特別番組に出演されていますね-

「ロッキーは現役のときにもモチベーションを上げるために試合の前に見たりしていたんですよね。今回『ロッキー』の特別番組に出演することが決まって、改めて全作品を見たんですけど、また違う意味で泣きそうになりました。

現役のときには選手目線だったんですけど、今回は自分がコーチ目線で見ているんですよ。どちらの立場から見ても感動するすばらしい作品だと思いました」

奇しくもロッキーの新シリーズ『クリード 炎の宿敵』でロッキーはがんを克服してという設定。竹原さんとオーバーラップする。

「広島の粗大ごみ」と呼ばれた少年時代から、ボクシングとの出会いで人生を変えて世界王者に、そして近年はがんとの過酷な戦いに打ち勝つなど、ロッキーさながらの人生を歩んできた竹原さんが、『クリード チャンプを継ぐ男』と『ロッキー』シリーズ全作一挙放送を記念した特別番組では自身の半生について熱く語っている。

ボクサー時代を彷彿(ほうふつ)させる不屈の闘志で奇跡の生還を果たした竹原さん。生きている喜びをかみしめて後進の育成、自身のタレント活動に熱く燃えている。(津島令子)


※『見落とされた癌』
竹原慎二著(株)双葉社

※CS洋画専門チャンネル『ザ・シネマ』にて竹原慎二さんインタビュー特別番組を放送!
『クリード チャンプを継ぐ男』『ロッキー』放送記念:竹原慎二の選択
出演:竹原慎二
放送時間:5月6日(祝・月)20:45~/5月18日(土)20:45~

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