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補助犬の同伴拒否ゼロへ 普及活動に尽力する女性の想い

テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。

都内某所、そこで修造を待っていたのは「補助犬」の普及活動をする橋爪智子さんと、3名の補助犬ユーザーと犬たちだ。

©TOKYO応援宣言

補助犬は、目が不自由な人の「目」となる盲導犬、耳が不自由な人の「耳」となる聴導犬、さらに手足が不自由な人のための介助犬の3種類。いずれも、国の認定試験を受けている。

©TOKYO応援宣言

犬は、リラックスできる環境ではしばらく寝ているのだが、眠りが浅いため、仕事が発生するとすぐに起きることができるのだという。

そこで、聴覚に障がいがある松本江理さんが聴導犬の仕事を見せてくれることに。

キッチンタイマーを鳴らすと、聴導犬が起きて、松本さんにしきりに音が鳴っていることをアピール。見事、キッチンタイマーが鳴っていることを伝えた。

©TOKYO応援宣言

ただ、この聴導犬には「音を知らせる」仕事以外にも、もう1つ重要な役割があるという。

「聴覚障がいは、外見では見えない障がいと言われています。ですが、聴導犬が横にいる事で、“見える障がい”に変えてくれる。これも、聴導犬の存在意義の1つでもあります」(橋爪さん)

そして、橋爪さんは2020年が補助犬をより知ってもらえる大きなチャンスになると強く思っている。

「普段、障がいがある方々の事を知る機会はあまりないと思うのですが、東京パラリンピックが決まったことで、障がいのある人のことや障がい者スポーツを知るいい機会だなと感じました」(橋爪さん)

◆補助犬同伴で乗車拒否、6割が経験

「補助犬」への理解は現在、まだ十分ではない。現在、全国に1074頭の「補助犬」がいるが、そのユーザーの6割が同伴拒否を受けたという調査結果もある。

26歳の時に事故にあい、車いす生活となった介助犬ユーザーの西澤陽一郎さん。この場所に来るまでに、なんと3回もタクシーの乗車拒否にあったという。

©TOKYO応援宣言

「ドライバーに『乗るんですか?』と言われて、『はい、乗ります!』と答えると、『犬も、一緒なの?』と聞かれたので、『一緒です、補助犬です』と答えたのですが、『犬はちょっとダメです!』と断られてしまいました」(西澤さん)

2002年には、補助犬に関する法律が制定。訓練を終えた補助犬はユーザーとペアで試験を受け、国から認定されることで、飲食店、交通機関などの同伴が認められるようになったが、20年近く経った今でも、ユーザーにとって厳しい現状が続いている。

そんな中、橋爪さんは「補助犬」の同伴拒否をなくすべく、企業や宿泊施設などへの啓蒙活動に取り組んでいるのだ。

©TOKYO応援宣言

◆盲導犬にもらった“大きな贈り物”

ここで、修造がある疑問を橋爪さんにぶつける。

「今、時代はどんどん先に進んでいます。もう『補助犬』ではなくて『補助コンピューター』とか、そういう方が良いという意見もあると思います。」(修造)

これに対し、橋爪さんは犬だからこそ「愛情」を込めて接することができると話す。

「そもそも人と犬の信頼関係が、きちんとできていないと『補助犬』としての認定を受けられません。そしてロボットではないので、人は犬に対して愛情を込めて接します。そして犬にとってユーザーさんは、一番大好きな存在になっているんです」(橋爪さん)

55歳で後天性の目の病気にかかり視力を失ったセアまりさんは、盲導犬からある“大きな贈り物”をもらったという。

©TOKYO応援宣言

「私に笑顔を思い出させてくれたんですね。私が後ろ向きになっていた時に、犬は“ピュンピュン”しっぽを振って歩くんですよね。そうすると、自分の足にしっぽが当たって、この子達の幸せが私にも伝わってきて、私自身もとてもハッピーになれました。逆に、犬がハッピーでないと、私達もハッピーになれません。だからそこが機械とは違うかなと思います」(セアまりさん)

橋爪智子さんのできる宣言は「補助犬と幸せに暮らせる日本へ!」。

「補助犬」への見方、接し方が大きく変わる出会いをした修造。2020年をきっかけに、さらに多くの人に知ってもらいたい!と、強く感じたのだった。<制作:TOKYO応援宣言>

©TOKYO応援宣言

 

※番組情報:『TOKYO応援宣言
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系