ディズニーの名曲『星に願いを』。その色褪せない魅力を米米CLUBメンバーが解説
コンサート、映画、舞台など、あらゆるエンターテインメントをジャンル問わず紹介する番組『japanぐる~ヴ』(BS朝日、毎週土曜深夜1時~2時)。
普通ではなかなか聞けない貴重な対談や、映画評論家・添野知生と松崎健夫によるマニアックな視点からの映画解説が見どころだ。
2月2日(土)放送の同番組では、3月2日(土)から開催される『“ブラバン・ディズニー!”コンサート2019』を大特集。
米米CLUBのサックス奏者で同コンサートの指揮者を務めるオリタノボッタと、同コンサートでMCを務めるミュージカル女優の綿引さやかが、ディズニー音楽の魅力やコンサートの見どころを語り合った。
◆『星に願いを』は、「四分音符だけで出来ている」
年齢差もあってか、最初はどこか遠慮がちに対談を進めていた2人だったが、2人の距離を一気に縮めたのは、ディズニー楽曲についてのトーク。
『塔の上のラプンツェル』の『自由への扉(リプライズ)』が大好きと言う綿引は、「アラン・メンケンの旋律が、ディズニーマジックを生んでいます」と話す。「ラプンツェルが初めて塔から出て、初めて地に足を付けたシーンで流れるんですけど、どんどん扉が開いていくようなワクワクがあって、いつ聴いても無条件でトキメキます」と、話す様子から本当に好きである気持ちがあふれ出ていた。
対するオリタは、「ディズニーの音楽は、そのシーンにいちばんあった音楽を提供してくれる。エンターテインメントの原点です」と話す。
物事をつい難しく考えてしまいそうになるときに聴くのが『ピノキオ』の『星に願いを』だとのことで、「シンプルという原点に立ち返らせてくれます」と話し、同曲について、「基本的には四分音符だけで出来ている曲ですけど、今聴いても色褪せないものがあります。それは曲がシンプルであればこそです」と、楽曲の魅力を分析した。
◆マイケル・ジャクソンも愛した『星に願いを』
『星に願いを』は、1940年のディズニー映画『ピノキオ』の主題歌としてその年のアカデミー賞で歌曲賞を受賞した、言わずと知れた名曲だ。
作曲者のリー・ハーラインは、ディズニー長編映画の第1作『白雪姫』の音楽も手がけ、それらの功績からディズニーに多大な貢献をもたらせた者に贈られるディズニー・レジェンドにも輝く。
これまでにルイ・アームストロング、ビリー・ジョエル、リンダ・ロンシュタット、ビル・エヴァンズなど名だたるビッグアーティストが時代を越えてカバーしていることからも、ディズニー音楽の中でもポップスとしてもっともと広く知られている曲だと言えるだろう。
また、マイケル・ジャクソンが愛した曲としても知られ、Apple Musicの「マイケル・ジャクソンが影響を受けたサウンド」というプレイリストにも同曲がセレクトされている。
日本では、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を手がけたケニー・オルテガをエグゼクティヴプロデューサーに迎えたディズニーソングのカバーアルバム『Thank You Disney』(2017年発売)で、三浦大知がカバーしたものが有名だ。
三浦は幼少期に演劇でピノキオを演じた経験があり、三浦が敬愛するマイケルも愛した曲をカバーできることに運命と喜びを感じたという。同年末に出演した『ミュージックステーション』で同曲を歌ったときには、「やばい」「聴き惚れた」などネットで話題が持ちきりになった。
オリタの言う「シンプルなメロディ」の素晴らしさとは、つまり普遍的であるということ。それを持っていれば、時を越え、海を越え、多くの人に愛され、影響を与え続けることができる。
番組では「せっかくだから」と、『星に願いを』をサックスで生演奏するサプライズを贈ったオリタ。コオロギのジミニー・クリケットが目の前で歌っているような、映画のワンシーンが目の前に甦る情感タップリの演奏に、思わず涙を流しながら感動していた綿引。
ディズニー音楽のシンプルな魅力が、また1人の人生に影響を与えた瞬間だった。(文=榑林史章)
※番組情報:『japanぐる~ヴ』
毎週土曜深夜1時~2時、BS朝日