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保健室登校でもアイドルになれた。ある愛媛の少女の“人生リニューアル“<清原梨央>

アイドルーー。一般的に、“ステージ上で歌って踊ることで、ファンを魅了する人々“と認識されている存在だ。

90年代後半から2000年代にかけて、モーニング娘。などハロープロジェクトのグループが活躍した後、AKB48やももいろクローバーZがブレイクした2010年代、“女性アイドル戦国時代”に突入。地方のローカルアイドルを含め、日本各地で多種多様なグループが結成、その数が急増した。

武道館での単独コンサート開催を目標として、ファンも応援する…というサクセスストーリーを描くケースが多いが、実際にその地に立てたのは、30グループに満たない。

◆10代でも人生はこんなに変わる。清原梨央の物語

しかし、それでもアイドルを目指す。そんな女の子たちが絶えない。秋元康プロデュースによる、『ラストアイドル』(テレビ朝日系、2017年8月に放送開始)から生まれたグループ、「Someday Somewhere」の清原梨央(きよはら・りお)もそのひとり。

©テレビ朝日/テレ朝POST 「Someday Somewhere」のメンバー、清原梨央

小学校、中学校時代には学校にうまく溶け込めず、保健室登校を続けた彼女。

高校では心機一転、地元・愛媛でスカウトされ、事務所のオーディションを受けて合格。事務所に所属したのち、「自分を変えたい」と『ラストアイドル』に挑戦し、見事デビューを勝ち取った。

さらに、2019年1月25日から公開の映画『がっこうぐらし!』ではメインキャストのひとりを務めるなど、夢を叶えて活躍を続けている。

保健室登校で過ごした彼女はなぜ、アイドルを目指したのか。

そこには人生を“リニューアル“したとでも言えるような10代の大きな決断があった。

◆保健室登校を繰り返した小中時代

2000年11月、愛媛県で生まれた清原梨央。

©テレビ朝日/テレ朝POST 当時4歳。家族に絵を描いて渡すのが好きだった

幼い頃は引っ込み思案で気分屋。ひとりで絵を描いていることが多い子どもだったという。

「部屋の中で、お母さんやおじいちゃん、おばあちゃんに絵を描いてあげるのが好きだったんです。かわいい女のコを描いて、メッセージを添えて渡す。そんなことをよくしていましたね」

部活や習い事など、特になにかに打ち込むことはなかったという。

「友だちにもあんまり執着心がなくって、みんなと遊ぶなら、家に帰っちゃうほうがいいかなって思ってました(笑)」

©テレビ朝日/テレ朝POST

「人間関係が苦手なんです」と苦笑いしながら、当時をこう振り返る。

「なかなか合う友だちがみつからないんです。人間が得意じゃないというか…。自分も人間なんですけど。私神経質で、他の人にとっては大したことないことに、深く考えちゃうんです。たとえば、友だちに挨拶したとき、向こうが気付いてないだけなのに、『無視されちゃった、なにかやらかしたかな…』って気になったり」

©テレビ朝日/テレ朝POST 当時5歳

そんな気質もあってか、小学校と中学校ではなかなかクラスに馴染めなかった。

「神経質なところが出て、学校に行けない日もありました。中学校でも、保健室に登校して、給食の時間だけ教室に行くっていうのを繰り返して。でも、友だちも先生もみんな優しかったので、自分がダメなんだっていう葛藤がありました」

©テレビ朝日/テレ朝POST 当時6歳。この後、学校を休みがちになり、保健室登校も増えていった

そんな苦悩の日々の合間、唯一癒やしてくれたのがK-POPのアイドルたちだった。

「お母さんの影響です。一番好きだったのは少女時代さん。韓国の番組を字幕ナシで見たい、と思って、中学校からは、独学で韓国語を勉強するようになりました。いまでは、読み書きも少しできますし、だいたいは理解できるようになりました」

家ではK-POPアイドルにドはまりした清原だが、自分が“出る側”になりたいとは「1ミリも思わなかった」という。

◆高校入学を機に“人生をリニューアル“

では、そんな引っ込み思案の少女が『ラストアイドル』に挑戦した背景には、どのような理由があったのか。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「高校に入るときに、今までの人生をいったんリニューアルしたいと思って、知り合いがぜんぜんいない学校に入ったんです。ちょうどそのタイミングで芸能事務所の方の声掛けで、オーディションを受けることになりました」

自分を変えたい――。そう願っていた彼女にとって、このオーディションが大きな転機となった。

「大賞は取れなかったのですが、特別賞をいただいて、事務所の方から声をかけていただきました。誘われた瞬間は、ただ泣くだけで何も言えなくなってしまいました(笑)」

◆「芸能界って甘くないんだって実感しました」

事務所に所属してすぐに映画の宣伝大使に抜擢された清原。

渋谷駅前のスクランブル交差点にある大型スクリーンで、自身が出演したCMが流れたときには感慨深かったという。

©テレビ朝日/テレ朝POST 加入前。愛媛でスカウトされオーディションに合格。芸能事務所に所属していた

「渋谷駅前のあのビジョンってみんな見てるイメージがあるじゃないですか。だから、出れるって決まった時には、『もしかしたら、これでぼーんと人気が出ちゃうかも…』って思ってました。でも、ぜんぜん甘かったですね(笑)。実際に自分も見に行ったんですけど、1回写っただけでは人生なにも変わらないんだ、芸能界って甘くないんだって実感しました」

その実感を得た頃、『ラストアイドル』のオーディション情報が舞い込んできた。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「『秋元康さんがプロデュースする”究極”のアイドルグループ』って触れ込みはすごく魅力的でした。自分を多くの人に知ってもらう機会だと思って受けることにしました」

暫定メンバーを指名して、入れ替え戦に挑戦する同番組。

地上波番組で、たったひとりで1曲通して歌って踊る。ダンス・歌ともに未経験の彼女にとっては、未知の次元だ。「事務所のマネージャーさんと一緒に、毎日カラオケに通って練習した」という。

「最初は『ただ有名になりたい』って気持ちだったのが、『支えてくれる人たちに恩返しをしたい』っていう気持ちになっていきました。小中学校のころ保健室登校で迷惑をかけた時期から成長した姿を見せたいという気持ちが強くなりました」

だが、パフォーマンスバトルでは惜しくも敗退。しかし、セカンドユニットとして、『ラストアイドルグループ』のひとつ、「Someday Somewhere」の一員となった。

◆「目線を外すって……どうやるんですか?」ただいまアイドル研修中

アイドルになった今も、初々しさは健在だ。

なにせ、清原は1年前にはアイドルになろうと思ったこともなかったのだ。

本記事の写真撮影にて、カメラマンから「目線を外してください」と言われ、「目線を外すって……どうやるんですか?」と返してしまうほど、まだカメラ慣れもしていない。現在はアイドル研修の真っ只中だ。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「ウインクとか、目線を外すとか、そんなの高度な技じゃないですか…。そんなの、私がしていいのかな…って思っちゃいます」と恥ずかしげに語る彼女だが、ステージでは堂々たるパフォーマンスを見せる。

「ステージに立っちゃえば、あんまりドキドキしないです」と、大物ぶりを感じさせるコメントだ。

2018年12月に開催された1周年記念コンサートはTOKYO DOME CITY HALL(以下、TDC)で開催された。客席が全て埋まった、最大3000人のキャパシティを誇るステージでも、清原は元気に堂々と歌って踊っていた。

◆「こんなにたくさんのかわいいアイドルがいるのに……」

1年前には引っ込み思案の少女が、大きな舞台に立つようになり、気持ちの変化はあったのだろうか。

©テレビ朝日/テレ朝POST

「満員のTDCは、本当に信じられない光景でした。ステージからは一人ひとりの顔がはっきり見えることはないんですけど、トロッコで近くに行くと、鮮明にファンの方の顔が見えたんです。『うわ〜みんな、私のことを見てる!』みたいな(笑)。いままでは、自分のことを応援してくれる人っているのかな?って自信もなかったんですけど。友だちができず、保健室登校だった中学の頃の自分には、想像もつかないことだろうと思うと、いまだに信じられないです」

さらに、握手会などのイベントでは、ただ「自分に会うために」来てくれるファンたちがいる。その存在によって、自分に自信をもてるようになったとか。

「たまに、思っちゃうんですよ。こんなにたくさんのかわいいアイドルがいるのに……、なんで私を応援してくれるのかなって。でも、せっかく自分を選んでくれたからには、『この子を好きになってよかった』って思ってもらえるように、自信を持って活躍していきたいと思うようになりました」

学校に馴染めず、悩んでいた四国の少女は、支えてくれる人たちの存在によって、前を向くようになったのだ。

さらに、アイドル活動の傍ら、映画への出演も決まった。

1月25日から全国公開される『がっこうぐらし!』では、メインキャストのひとりを務めている。

「ライブで発表されたんですけど、うれしすぎて、ボロボロ泣いちゃいました。お世話になってる人たちに、『決まりました!』って報告したら、すごく喜んでもらえたのも嬉しかったです」

歌・ダンスと同じく、もちろん演技も初挑戦。ふだんの活動とは違う苦労もあったとか。

「やることが多くって、アタマがぱんぱんになっちゃいました。セリフも覚えて、朝から夜まで撮影があったり。演技するのが初めてだったので、同じシーンを何度も撮るって知らなかったので、びっくりでした(笑)。でも、韓国語を勉強したり、覚えるのは嫌いじゃないので、めげずに頑張りました」

さらに、これまで部活動に励んだことがない弊害が、ここへきて出てしまったという。

「アクションシーンとか叫ぶシーンは、その場の勢いでばーっとできるんですけど、ふつうにしゃべるのが難しかったです。しかも、私が演じたのはみんなの後輩で、敬語のセリフが多いんです。部活をやってたら、敬語を使う事もあったと思うんですけど、いままで敬語で話した経験がほとんどなかったので、ぜんぜんできなくて…ちょっと大変でした」

この経験を経たことで、さらなる目標も見えてきた。やってみたいことを尋ねると、矢継ぎ早に答えが返ってくる。引っ込み思案で、他人に気を使いすぎるあまり、コミュニケーションをとれなかったあの頃の清原は、もういない。

「まずは、アイドルとしてステージでもっと輝けるように頑張ります。最近ライブ映像を見返して気付いたんですけど、私は体が小さいので、大きく動かないと客席からぜんぜん見えなくなっちゃうんです。その他にも、演技のお仕事もしていきたいし、バラエティのお仕事もやってみたいです!」

<撮影:長谷英史、取材・文:森祐介>

※清原梨央(きよはら・りお)プロフィール

2000年11月、愛媛県生まれ。2017年の「ネクストブレイクオーディションin四国」で特別賞を受賞。同年、映画「恋と嘘」の宣伝大使を務めた。K-POP好きで、独学で韓国語の勉強に励み、読み書きと韓国語の番組を字幕なしで視聴が可能。祖父の家がお寺のため、年末年始はお手伝いで除夜の鐘をつくこともある

※映画『がっこうぐらし』

2019年1月25日全国公開。原作は、海法紀光(ニトロプラス)と千葉サドルによる同名のコミックで、学園で共同生活を送る4人の女子高生の日常と生き残りをかけたサバイバルホラーの非日常を描いた、大人気作。コミックの累計発行部数は250万部を超え、TVアニメも圧倒的な人気を誇る。実写化にともない、『呪怨』シリーズのプロデューサーと『リアル鬼ごっこ』の柴田一成監督がタッグを組んだ。『ラストアイドル』からオーディションによって選出された阿部菜々実・長月翠・間島和奏・清原梨央の4名が、メインキャスト

※番組情報:ラストアイドル4thシーズン『ラスアイ、よろしく!
【毎週土曜】深夜0:10~0:35、テレビ朝日系(※一部地域を除く)

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