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嘘から生まれた、あの世紀のラブソング。―デイヴィッド・フォスター、小林克也と名曲秘話語る

1月23日(水)に放送される音楽番組『ベストヒットUSA』(BS朝日、毎週水曜よる11:30~)に、グラミー賞を16度獲得している世界最高峰のプロデューサー、デイヴィッド・フォスターがスタジオゲストとして登場する。

©BS朝日

カナダが生んだ音楽界の巨匠、デイヴィッド・フォスター。これまでホイットニー・ヒューストンやアース・ウインド&ファイアー(以下、EW&F)など数々の大物アーティストを手掛け、手掛けたアルバムのトータルセールスは5億枚以上に及ぶ。

今回、ホイットニー・ヒューストン『I Will Always Love You』EW&F『After The Love Has Gone』など歴史的名曲の制作秘話を語ってくれた。

◆『ボディガード』のあの名曲、選んだのはケビン•コスナーの秘書!?

MCの小林克也が、「今日は大変な大物ゲストを迎えております。“様”をつけたほうがいいかもしれない。デイヴィッド・フォスター“様”です。“様”をつけるのは尊敬の証なんですよ」と興奮しながら迎えたデイヴィッド・フォスター。

現在は、「ニューヨークのブロードウェイを制覇したい」とミュージカルのヒット作を出すことを目指しているという。

そんなデイヴィッド・フォスター(以下、D)に、小林克也(以下、小)が名曲誕生に関するエピソードを聞いた。

小:「それでは。あなたの偉大な作品について話をしよう。ホイットニー•ヒューストンの主演映画『ボディガード』の主題歌『I Will Always Love You』(1992年)についてだ」

D:「あの歌には面白い歴史がある。簡単に説明するよ。当初あの映画で使う予定だった曲は、『What Becomes of a Broken Hearted』というR&Bの曲だったんだ」

小:「ホイットニーが選んだの?」

D:「違うんだ。誰の判断かは分からないが、とにかくその曲でホイットニーのためにデモを2つ作った。だけど、撮影現場で彼女に聴かせたら『微妙ね…』って言われてね。確かにいい曲だが、ホイットニーには合わない。

するとちょうどその時『What Becomes Of The Broken Hearted』がビルボードにチャートインした。歌ったのは…そう、ポール•ヤングだ。それで(主演の)ケビン•コスナーに『ポール•ヤングがヒットさせた曲はできない』と言った。そしたらケビンは『他の曲を考える』って言ってね。後で聞いた話だと、彼の秘書が『I Will Always Love You』を提案したそうだ。誰が考えたにせよ、それは名案だった」

小:「誰が見抜いていたの? ホイットニーがあんな風に歌うなんて」

D:「それは私だよ。聴いた瞬間に自分の中で想像がついたんだ。“ドンッ”というブレイクの後に“and I…”と伸びるホイットニーの歌声がね。デモを聴かせたら、『最高よ!早く歌いたい』と言ってくれた。元はカントリーの曲なんだよ。実は私は原曲を知らなかった。

当時はインターネットなんてなかったから、アシスタントをレコード屋に向かわせて『I Will Always Love You』を買ってきてもらった。だけどそれは、リンダ•ロンシュタットのバージョン(1975年)。要するに私は、ドリー•パートンのオリジナルバージョン(1973年)をそれまで知らなかったんだ。

やがて、ホイットニーのレコーディング中にドリー•パートンに電話した。彼女は友達だし、プロデュースしたこともあったからね。『ドリー、きみの曲をレコーディングしているんだけど…リンダ•ロンシュタットのバージョンは最高だね!』と言うと、『まさかリンダ•ロンシュタットのバージョンしか聴いてないの?』と言う。『うん、それしか知らない』と返すと、『ダメよ!リンダのバージョンは2番までしかないの!3番がないと困るわ』って。

でも私は、『ごめん、もう完成したんだ』と返す。それでも彼女は、『どうしてもダメ!絶対に3番を入れて!』と言い張って…。それでスタジオに戻って、3番を録ることになったのさ。でもそれが本当によかったんだ。3番は曲全体のフィナーレだったからね」

小:「それがあの素晴らしいエンディングにつながるんだね」

◆即興演奏から生まれた世紀のラブソング

小:「さて次は、EW&Fの名曲『After The Love Has Gone』(1979年)についての話をしよう。世紀のラブソングであり、失われた愛を歌った名曲だ」

D:「ある時、モータウン・レコードのベリー・ゴーディ・ジュニアに制作中の別の曲を聴かせたんだ。あまり出来が良くなくて、彼はイラついていたよ。それで私は嘘をついた。『実はもっと曲があるんだ』って。ベリー•ゴーディは『どんなの?』と聞いてきた。それで、ピアノに向かい座った。すると、いきなり降りてきたんだ、あの曲がね。ベリーは『今の曲は何だ?』と反応した。それは私が即興で作ったサビだったんだ。

そのあと友人に、この曲をEW&Fに聴かせるように言われた。彼女は(リーダーの)モーリス•ホワイトと私を会わせたんだが、モーリスに曲を聴かせる時は凄く緊張したよ。でも結果、彼がレコーディングしたいと言い出し、私の胸は高鳴った。『本当に?いつレコーディングする?』と聞くと、『今夜だ』と言う。それがEW&Fとの素晴らしい関係の始まりさ。このアルバム(※79年『I Am』)のほとんどの曲を共作したんだ」

小:「今日知ったんだけど、この曲はEW&Fのコンサートで最も多く演奏された曲なんだそうだよ。彼らに愛された曲なんだね。2位は『September』ということだ」

D:「それは驚きだ!『September』も名曲だね」

このほか、アリアナ•グランデ、ドレイク、ジャスティン•ビーバーなど、最近の音楽のトレンドについて思うことも語ってくれたデイヴィッド・フォスター。世界最高峰の音楽プロデューサーの貴重な出演。洋楽好きは必見だ!

※放送情報:『ベストヒットUSA』デイヴィッド・フォスター特集
2019年1月23日(水)よる11:30~11:54、BS朝日で放送

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