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“平成最強の打者”を検証。鉄人・金本知憲氏のひときわ輝く「数字」

©テレビ朝日

平成30年も、もうすぐ終わり。来年5月には新年号を迎える。

プロ野球の「平成時代」を振り返ってみると“最強の打者”は誰なのか。昭和なら巨人・王貞治(現ソフトバンク球団会長)らの名前がすぐに上がるが、記録好きでなければまだピンと来ないのでは。

実は、昨日11日に「野球殿堂入りを祝う会」が盛大に催された金本知憲氏(50=阪神前監督)の数字がひと際、輝いているのだ(日米通算4367安打の「レジェンド」イチローらのメジャー記録は除く)。

「鉄人」と呼ばれたアニキは1992年から広島でプレー、2003年にFA移籍した阪神でも主軸を務め、計21年間で通算2539安打を記録した。大卒選手ながら、平成では唯一の2500本以上(2位・石井琢朗2432本、3位・立浪和義2405本)。現役最多2203本の広島・新井貴浩内野手が今季で引退したため、金本氏が“平成の安打王”ということになる(ちなみに昭和では1位・張本勲3085本、2位・野村克也2901本、3位・王貞治2786本)。

通算本塁打も476本で、平成の歴代最多。近鉄、巨人、オリックスで計13年プレーした元大リーガーの2位タフィー・ローズの464本を上回った(3位の清原和博は平成だけなら434本だが、昭和時代の91本を合わせれば計525本)。こちらも現役最多は巨人・阿部慎之介捕手の399本なので、金本氏の“本塁王”は揺るがない(昭和は1位・王868本、2位・野村657本、3位・山本浩二536本)。よって打点も、平成歴代1位の1521打点(2位は中村紀洋の1348打点、3位は小久保裕紀で1304打点)。長打とともに広島、甲子園球場を沸かせた勝負強い打撃が光る(昭和は1位・王2170打点、2位・野村1988打点、3位・張本1676打点)。

金本氏の記録は昭和のレジェンドたちにかなわないが、野球がどんどん進化するなかで、並み居る平成の強打者を押さえてトップに君臨。骨折などを乗り越えて連続出場1492試合のギネス世界記録を達成した「鉄人」は、長い野球人生で相応の実力を数字で示した。アニキを平成最強の打者として認めてもいいのでは。今オフ、阪神の指揮官を強制辞任させられる“屈辱”を味わったが、殿堂入りした強打の実績を称えてあげたい。

通算打率の方は今年、大記録が生まれた。今季メジャーから日本復帰のヤクルト・青木宣親外野手(36)は、衰え知らずの好打で打率.327をマーク。2004~11年と合わせたプロ野球の計9年間で通算.329。

今年のGWには数字基準の4000打数に達して、長年“首位打者”に君臨していた元ロッテのレロン・リーの打率.320を25年ぶりに更新している。もちろん平成では断トツの1位(2位・小笠原道大.310、3位・内川聖一.307)。メジャーの6年間(打率.285)と合わせて、日米通算2220安打。あらためて「安打製造機」青木に脱帽だ。

メジャーでは近年、データ分析の進化、そして「フライ革命」の影響で安打数や打率より、出塁率+長打率を示すOPSが評価の指標になっている。日本でも平成の次の時代は、OPSの数字をより重視するようになるだろうか。