佐野岳『仮面ライダー』主演俳優で随一の身体能力!気分転換は「ハンモック持って公園へ」
第24回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」(2011年)でグランプリを受賞後、舞台、映画、テレビで順調にキャリアを重ねてきた佐野さん。自分にしかできないことを増やすべく、アクション、殺陣、英語、茶道など、さまざまなことに挑戦し始める。
2012年には『第1回 究極の男は誰だ!? 最強スポーツ男子頂上決戦』(TBS系)に出場。3大会(第1回、第5回、第6回)で総合優勝を果たし、関係者によると、仮面ライダーシリーズの歴代主演俳優で最も身体能力が高いと称されている。
◆スポーツバラエティー番組出場のきっかけは事務所の先輩
-芸能人スポーツ番組に出ることになったのは、どういう経緯だったんですか-
「僕はああいう番組に出てみたいと思っていたんです。そしたら事務所の先輩に出演依頼の話が来たらしく、『岳も運動神経良いから』っていうことで推薦して頂いたんです。まさか優勝することが出来るとは思っていなかったですが。
番組の反響が大きく、すごく印象はついたと思います。もちろん好きですし、やっていて楽しいんですけど、それなりの覚悟がいるなと思いました」
-それにしても総合優勝3回というのはすごいですね。普段からからだは鍛えてらっしゃるんですか-
「鍛えるというよりは、維持しているという感じですね。たまに走ったりもしますし、筋トレは肉がついてきたりとか、落ちてきたりすると元に戻すという感覚です。
でも、役柄でふくよかな役が来たときにあまり筋肉がありすぎてもまずいですし、逆に痩せなくてはいけない役のときには筋肉が邪魔になったりすると困るので、基本的にはこの体形を維持して、役どころに合わせて体形をコントロールできる役者になりたいなって思っています」
-健全なイメージでありながら役柄では結構闇を抱えた役もやられていて、いいバランスだと思いますが-
「そうですね。だからバッと変わるよりは徐々に徐々に折り合いをつけながらやっていけたらいいなと思っています」
-今後、スポーツバラエティー番組に出る予定は?-
「それは事務所と一緒に考えてという感じです。見せ方というか、得意な分野があるということは大切ですけど、それだけではダメだと思っているので。スポーツに関しては、もうみなさんある程度知ってくれていると思うんです。だから、もうちょっと違うところ、また新しい部分を見せていけたらと思っています」
-意外なところで?-
「そうです。でも、まだその時期には早いのかなあとか、そうする時期とか、タイミングとかが絶対あると思うし、やりたいだけではできない世界なので、引き出しは多いほうがいいので。そこは最近折り合いをつけながら、葛藤しながら、話し合いながら決めていければと思っています」
◆最新主演映画でふたつの世界の自分を演じて
2017年からテレビドラマ5作品、映画9本、舞台2本に出演。12月22日(土)には主演映画最新作『ふたつの昨日と僕の未来』が公開される。『仮面ライダー鎧武/ガイム』の久保田悠来さんと5年ぶりの再共演も話題になっている。
※映画『ふたつの昨日と僕の未来』
現実世界とパラレルワールドを奔走しながら自分の生き方を見つけていく青年の姿を描くヒューマンファンタジー。マラソンランナーとしてオリンピックを目指していたがケガで断念し、市役所に勤めながら無気力な日々を過ごしていた海斗(佐野岳)は、ひょんなことから現実世界とは別のパラレルワールドへ。その世界の海斗はオリンピックの金メダリストとして街の英雄になっていた…。
-劇中の現実世界では挫折した自分、もうひとつの世界では成功した自分ですが、佐野さんは現実世界で成功していますね-
「そう思っていただけるのはありがたいですが、別世界というと、やっぱり上を見てしまいますね。『もっともっと売れている世界があればいいのに』って思ってしまいます」
-佐野さんのようにコンスタントに主演作品があってもですか-
「主演作品があるということは本当にありがたいことだと思っています。そのなかで得るものはすごく多いですし、何回か主演をさせてもらっているからこそ、前回と同じ芝居のやり方とか、アプローチの仕方だとだめだなということもわかっているので、今回はまたちょっといろいろ試しながらやらせていただきました」
-監督の反応は?-
「基本的にはずっとゆだねてくださったので、僕の考えていた演技を尊重してくれることが多かったです。だからこそ、臆することなく海斗と言う役を演じられたかなと思っています。
あと、二つの世界を行き来するなかで、そのときの海斗はどちらの世界にいるのかという戸惑い、反応の仕方が難しかったです。
別世界のことに触れた瞬間、それがわかっているのか、わかってないのか、顔の表情や表現方法について、監督とかなり話し合いました。ふたつの世界の記憶が混在するなかで、これはどっちの海斗なんだっていうところのあんばいは、監督が基本的にはわかりすぎなくて曖昧で良いとおっしゃってくれたことが結構印象的でした」
-物語のはじめのほうは本当にやる気のない雰囲気で-
「そうですね。いろいろやらせてもらいました。よだれとか垂らして(笑)。居眠りシーンなんてかなりひどいですよね。『いやぁ、あんな顔してたんだ』と思って、自分でも驚きました(笑)」
-この作品では『仮面ライダー鎧武/ガイム』の久保田悠来さんと再共演されていますが、いかがでした?-
「久保田さんとの共演は二度目なので、お互いに安心して芝居ができた感じがします。プライベートでも会う仲ですが、ふたりで『作品で再会できるのが一番だね』と話していました。撮影終わりには久保田さんをモデルに自分のカメラで写真を撮らせてもらったり、一緒に食事に行かせていただいたりして楽しかったです」
-撮影で印象に残っているシーンは?-
「太鼓祭りのシーンですね。圧巻でした。太鼓台を二台も出していただけて、エキストラも最終的には5000人近く集まってくださいました。本当に皆さん協力的で太鼓台のリーダーでエキストラとして参加してくださった方も、スタッフさながらに若手に指示を出していたりとかして、本当に助けてくださって感謝の気持ちでいっぱいです」
-ロケ地となった愛媛では先行公開されていて、もうすぐ全国公開。主演ということでプレッシャーもあると思いますが-
「それはもちろんあります。本当にみんなで作り上げた作品なので、おこがましい話ですけどもそれを背負うという意味では、やっぱり軽くは無いので、しっかり先頭に立ってPRできたらなぁという思いがあります。
お客さんに渡ったときに初めて作品が完成すると思っているので、一人でも多くの方に見てほしい。自分の演技や出演した作品が誰かに少しでも影響を与えられたらすごく幸せだなと思います」
-きょうはすごい数の取材が入っているようですね-
「いやいや、そんなことないです。さっきマネジャーに、『売れてる人はこの何十倍もやるんだよ』って言われたばかりです。僕はまだまだだなあって(笑)」
◆気分転換に行くときはまるで不審者?
-昨年から今年にかけては特に出演作品も多く、かなり忙しい日々だと思いますが、ストレスを解消法はありますか?-
「最近はよく公園に行きます。自立式のハンモックを買ったので、それを持って。持ち運びのハンモックなのでレジャーシートとあまり変わらないんですよ。寒いんですけど、あったかい格好をして、あったかい飲み物を買って行きます」
-公園にはどのくらいの時間いるんですか-
「殺陣の練習とかもするので、結構長い時間いますね」
-周囲に気がつかれませんか?-
「大丈夫です。帽子もかぶってますし、バレそうになったらマスクもするので(笑)」
-不審者に間違えられそうですね-
「いや、本当にそうですよ、たまに変な目で見られます(笑)。でもやっぱり人が少ないところを選んでいるので、今のところ、何とか大丈夫みたいです。結構広い公園ですし、あまり人が来なくて落ち着ける自分のスペースを見つけたので、本を読んだり、ギターを弾いたり…。荷物パンパンで行っています(笑)」
-気分転換の仕方も健全ですね-
「どこにも行けないってなったときに、最終的に公園という感じになっちゃいましたね(笑)」
-今後はどのように考えていらっしゃいますか-
「今年デビューして7年目になるんですけど、一番芝居に対して気持ちが熱くなってたり、楽しく感じたりしているときに、主演作品に出会うことができて、本当に恵まれていると思います。
その反面どんどん欲も出てきて、色々とやりたい役も出てきましたし、この役をやるためにはどういうことをしなければいけないかとか、そういうことがようやく見え始めてきた年でした。
来年からは自分の理想に近づけていければなと思います。毎回新しい自分とかを見せていって、少しでも人を驚かせたいし、最終的には『この役を佐野岳にやらせたい。佐野岳じゃなきゃこの役はできないよね』と言われるようになりたいですね」
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将来的にはハリウッドで忍者役もやってみたいと目を輝かせる。身体能力の高さにおごることなく、自分と向き合い努力を続ける姿勢に限りない将来性を感じる。(津島令子)
メイク:富永智子
スタイリスト:菊池陽之介
※映画『ふたつの昨日と僕の未来』
12月22日(土)シネマート新宿ほか全国順次ロードショー。
監督:大森研一 出演:佐野岳 相楽樹 菅野莉央 久保田悠来 神保悟志
主題歌:水樹 奈々『サーチライト』(キングレコード)