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『カメ止め』の上田慎一郎監督が、映画学校に入学しなかった理由「映画監督になりたいというよりも…」

都内の2館のみでの上映から、SNS等で口コミが広がり、ついに観客動員数200万人を突破した映画『カメラを止めるな!』。

同作の略称『カメ止め』は「2018ユーキャン新語・流行語大賞」の候補語30にノミネートされるなど、社会現象になっている。

また、国内にとどまらず、海外でも60カ国以上の映画祭で上映され数々の賞を受賞するなど、その勢いはとどまることを知らない。

そんな大ヒット作の監督を務め、一躍“時の人”となったのが、上田慎一郎監督だ。

©CREATOR’S BASE

上田監督は11月29日(木)、「ミレニアル世代」に向けたオンラインサロン『クリエイターズベースbyテレビ朝日』のイベントに登壇し、トークショーと監督考案のワークショップを行う。

そのイベントを前に、上田監督インタビューの第1弾として、監督自身の経験から「アイディアを実現するヒント」について、ミレニアル世代に向けて語っていただいた。

◆大反響に「喜びが追い付かない」

――映画『カメラを止めるな!』の反響を受けて、現在の心境は?

上田監督:公開から5か月が経ちますが、イベント開催やDVD発売が控えていることもあって、有難いことに取材やイベント出演など慌ただしい日々が続いています。

そんな慌ただしい中で、流行語大賞の候補語にノミネートされ、Webグランプリの「Web人of the year」、報知映画賞など数々の賞をいただくなど、“喜びが追い付かない”状態です。

――流行語大賞候補の『カメ止め』の略語は制作チームで考えられたとお聞きしましたが

上田監督:『カメラを止めるな!』という言葉自体が長いのと、Twitterでハッシュタグをつける際に「!」がハッシュタグから出てしまうので、略語を作ることになりました。

かわいらしく、語感が良いものでということで、公開前に『カメ止め』という略語を作って、自分たちで発信して浸透させようとしていました。

◆「映画監督になりたいというよりも、映画を作りたい」

©CREATOR’S BASE

――学生の時からずっと映画を作られていたのですか

上田監督:そうですね。

中学生の時には、父のハンディカムで放課後に友達と毎日のように映像を撮ったり、高校生の時には文化祭のクラスの出し物として映画を作ったりしていました。

映画を見て撮っての繰り返しで、体で学んだ感じでした。

――映画学校に入って、助監督になり、監督になるというのがいわゆる「王道」なイメージがありますが、その道を選ばれなかった理由は

上田監督:映画監督になりたいというよりも、映画を作りたいが先にあって。映画を作ることは自主でもできるので、学校に行こうという発想にはなりませんでした。

あとは、高校生の時に、映画や舞台で成功体験が積み重なっていて、すぐ映画監督になれる気がしていたので、映画学校に行って学んでという過程を踏む必要はないと思っていたというのもあるかもしれません。

最近は、自主映画が認められて、監督になる人も増えているのではないかなと思いますね。

◆「できそう」なことには燃えられない

©CREATOR’S BASE

――ご自身で数々の映画を世に出していく中で、作品を評価される「怖さ」はありましたか?作品を出したいけれど、評価されるのが怖いと感じている若者もたくさんいると思うのですが

上田監督:中学・高校の時に作った作品の周りの評価が良かったので、自分の作品にある程度の自信はありました。

でも、不安や恐怖が全くないわけではないので、世の中に出す前に、妻や親友など身近な人に見てもらうように心がけているところはあります。そうして、まずは身近な人に作品を見せることで、ある程度自信を持って作品を出せている気がしますね。

気軽に作品を見せられて、忌憚のない意見を言ってくれる人がそばにいるとすごく良いのかなと思います。

怖くて作品を出せないでいる人というのは、一人で抱え込んでいる人が多いのではないかなと。

企画書やプレゼンも「こんなん出したらどう思われるかな」とか作品の出来を考えている時間は非生産的だと思うので、まずは行動を起こした方が良いと思います。

――作品のアイディアを持っていても、実現させることが一番難しいと思うのですが、アイディアを実現させるために意識していることは

上田監督:前提を言うと、僕は「できそうだな」ということには燃えられません。逆に「こんなことできるの?無理でしょ、不可能だよ」と言われると燃えられます。

特に映画は、手が届かないことに挑戦をすることが醍醐味だと僕は思っていますね。

出来そうなことをやるのは、ただの作業だと思っていて。出来そうにないことを出来るようにするためにはアイディアや工夫が必要になってきて、そこがクリエイティブな部分だなと思うので、それがあった方が良いと思っています。

正直、工夫やアイディアは10のうち1に過ぎないと思うのですが、後は地道な努力ですね。特別なことはしていないと思います。

気持ち的に重要なのは、極端に言えば「出来なくてもいい」と思うことかもしれません。出来なかった部分も含めて映画作品の味になっていくことがあるので。

――最初から完璧を求めてしまうのは良くないと

上田監督:そうですね。ただ、挑む時は「絶対実現させる」という気持ちでやっていく必要はあると思います。

表現が難しいのですが、やっている時に「失敗してもいい」とは思っていなくて、むしろ「絶対に成功させてやる」と思っている中で本当に失敗しているだけなんですよね。

<撮影:高橋進一、文・構成:栗坂美祐>

※『クリエイターズベース』次回イベント
「自分を止めるな!~選んだ道を必死で正解にする生き方~」
登壇者:上田慎一郎
日時:2018年11月29日(木) 19:30~21:30(開場19:00)
映画『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督によるトークショー&ワークショップが、六本木にて開催されます!
詳しくは、『クリエイターズベース』の公式サイトまで。

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