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いちばんの思い出は「床掃除」。カリスマホスト・ローランド、その本当の内面

“いま最も注目を集めるホスト”として名前を挙げるとき、選択肢は1人しかいない。新宿・歌舞伎町のNo.1ホスト、“現代ホスト界の帝王”とも呼ばれるローランドだ。

©テレビ朝日/テレ朝POST

1泊約40万円もする高級ホテルのスウィートルームを転々とし、約4000万円のロールス・ロイスを乗り回すカリスマホスト。芸能人や世界的スポーツ選手とも親しい交遊関係をもち、誕生日イベントではたった1日で5500万円を売り上げる。

圧倒的な人気を誇り、テレビ朝日のバラエティー番組『ソノサキ~知りたい見たいを大追跡!~』でもたびたび密着されているローランド。

テレ朝POSTでは、11月27日(火)に同番組の3時間SPが放送されるのに先駆け、ローランドのファン、通称“ローランダー”たちから広く質問を募集し、厳選した質問を中心にインタビューを実施した。

清流のようなさらさらロングヘアで現れたローランド。

サングラスをかけていながらも、その雰囲気だけで取材担当記者(女性)に優しい瞳で微笑みかけていることはすぐに分かり、記者がテーブルに脚をぶつけたことにも細かく気づく紳士ぶりをみせる。

同行したカメラマンとは以前仕事をともにしていたようで、昔話に花を咲かせながら再会を喜ぶ姿は人間味にあふれていた。

◆「会いに行けない」…「会いに来い!」

――早速、切実な願いのような質問からお聞かせください。「会いに行けないので、せめてどんな香りがするのか教えて下さい!」と質問が届いています。言葉で伝えるとしたら?

「百聞は一見に如かずって言葉あるじゃないですか。『百聞はひと嗅ぎに如かず』だと思うので、会いに行けないって“できない理由”を探すのではなく、『百聞はひと嗅ぎに如かず。会いに来い!』ですね」

ちなみに、「香水はどの部分につけていますか?」と聞いたところ、答えは「浴びてます。オーラにかけてます」とのこと。通り一遍の回答はしないというのが、ローランドの最大の魅力のひとつだ。

続いて、“ローランダー”から最も多く寄せられた質問。

――ローランドさんに影響を与えたり、参考になったりした本や映画などがあれば教えてください。

「あまり人に影響は受けません。ただ、ディズニー映画はけっこう観ます。ディズニーはサービス業やエンターテイメント業界の最たる存在。映画もそうですが、ディズニーの世界観に影響を受けていて、『やっぱ夢を見せるってこういうことなんだな』と学んでいます。だから、(答えとして)強いて言うなら“ディズニー”という存在ですね」

◆ローランドにふさわしいか、ふさわしくないか

©テレビ朝日/テレ朝POST

――次の質問です。「ローランド様が、何かを選んだり決めたりするときの基準はなんですか? どういう選択の仕方を続けてきて今のローランドさんになったのか知りたいです」というものがきています。

「決める基準…。“ローランド”にふさわしいか、ふさわしくないか」

――それを決めるのは一瞬ですか?

「直感的です。何かをするにしても、何かを買うにしても、食事する場所にしてもそう。何か食べたいなって思ったとする。それが“ローランド”にふさわしいかふさわしくないか。実際いろんな目もありますし、夢を見せる側なので、それなりの責任っていうものがあります。夢を壊したくないなっていう。発言する内容もそうですし、着る服もそう。いろんな決断をするときには、『ローランドにふさわしいか、ふさわしくないか』という基準で考えることが多いです」

――様々な決断によって現在にたどりついていると思うのですが、数年前に描いていた自分と今の自分は近いものですか?

「目標やゴールに向かうというよりは、“昨日の自分に勝ちたい”という気持ちでずっとやってきました。だから、理想に近いかと聞かれると、まず理想を掲げてなかったので、そこはちょっとわからない。でも、数年前に比べたら確実に成長はしていると思います」

新しいホストクラブの立ち上げ、本の執筆、美容事業の立ち上げ、そしてチャリティーイベントの開催…。

この数年で幅広く活躍しているローランドに、さらに“ローランダー”から届いた質問「幅広く活躍されていますが、最終的には何を目指されているのでしょうか?」をぶつけると…?

「最終的に…あなた(女性記者)の旦那ですかね」

さすがのサービストークを交えながら、答えを続けた。

「未来はやっぱりわからないというか、見えないんですよ。眩しすぎて。だからサングラスをかけているっていうのもあるんですけど(笑)。将来どうしたいかっていうのは、正直自分でもわからない。強いて言えば、やっぱり『昨日の自分に勝つ』っていうことを日々の目標にしています。常により良い自分にしていくことだけを意識して生きています」

◆「自分に嫌われたくない」

©テレビ朝日/テレ朝POST

――ローランドさんに、こんな相談もきました。「生きるのがツラいです。周りと比べてしまって、“自分はなんのためにここにいるんだろう?”と思ってしまいます。自分に自信を持って生きるためにはどうしたら良いですか?」。いかがですか?

「マラソンとかでもそうですけど、目の前に人が見えてしまうのって、2番目以降じゃないですか。1番になったら、目の前に人って誰もいないと思うんですよ。だから、比べない。そこの位置にいくまで、とりあえず必死で頑張ってみたらいいと思うんですよね。これは、“なれるなれない”という話は別。1番を目指して頑張ってみるのが大事で、それ以外に解決策はないよって思います」

――ほかにも、「どうしても自分に自信が持てません。ローランド様のポジティブで自尊心の高い発言は憧れです。ポジティブの秘訣を教えてください!」という方もいました。ローランドさんは、意識的にポジティブでいようとしているのでしょうか?

「まぁ、性格って生まれつきの部分が大きかったりするじゃないですか。だから根本的に考えたら“生まれつき”。もともと明るく考えるというか楽天的なほうではあったと思うんですけど、でも自分を好きでいられる努力っていうのはしました。

例えば、僕がめちゃくちゃ太るとする。で、鏡の前に立ったとき、きっと自分のことを嫌いになっちゃうと思うんです。僕は、自分を好きな自分でいたいし、自分に嫌われたくない。好きな自分というか、理想の自分になるためにすごく頑張ってきました。自分のことが嫌いっていう人がポジティブになれるわけはないんですよ」

◆帝京高校サッカー部で芽生えた“友情”観

――ローランドさんには、女性だけでなく男性のファンもいます。「僕はローランドさんの友だちになりたいです。ローランドさんが『こいつと友だちになりたい』って思う人はどんな人ですか?」という質問もきました。

「つらいことを一緒に経験したヤツとは、友だちになれるかなって思います。友だちと知り合いの差が曖昧ななかで、僕が本当に友だちって言えるのは、学生時代の友だちです。

学生時代のヤツらになぜ“友だち”という感情を抱くかっていえば、僕は帝京高校のサッカー部にいたんですけど、むちゃくちゃ練習厳しかったんですよ。いろんな楽しい経験も共有しましたけど、やっぱりつらいことを一緒に乗り越えたって思えた瞬間に友情って芽生えるもの。そういう経験ができたら、友だちになりたいって思えるのかもしれないですね。かなり真面目な回答になっちゃいましたけど。

サッカー部のメンバーは、今でも会ってます。今年も年末に会うことになっています」

――ということは、パッと会って「あ、こいつ友だちになりたいな」ということではないんですね。

「そう簡単に友だちになりたいなって思えないですよ(笑)。LINEじゃないんだから、そんなすぐ“友だち”にはなれないでしょ」

◆親切にされたから…カンボジアに恩返ししたい

――ローランドさん、幼稚園児からも人気です!「幼稚園の年長の息子がローランド様に憧れています。幼稚園児でもローランドさんのようになれる方法を教えて頂きたいです」とのことですが…。

「男、というか人間というのは、大事なのはどれだけ生きたかじゃなくて、どう生きたかだと思うんです。だから年長さんの彼には、年齢は関係なく、『どれだけ生きたかじゃねえ、どう生きたかだ』って教えてあげたいですね」

――ローランドさんのブログやInstagramでは、保育園にロケに行ったときの写真が載っていました。ローランドさんも、やはり子供は可愛いですか。

「めちゃくちゃ思いますよ。めっちゃ可愛いです」

――チャリティーでも小さい子と交流されてますね。

「そもそも、子供が好き。子供って素直じゃないですか。素直な存在って、純粋で美しいと思ってしまう。歌舞伎町は好きですけど、ちょっとどこか不純なところもある街です。そこも魅力のひとつなんですけど、そういう不純な街にいるからこそ、純白なものを見ると癒されたり、純粋にいいなって思います。だから、子供と会うとすごく癒されるんです」

――海外に小学校を建てたいと考えているそうですね。

「そうですね。いま書籍をつくっているんですけど、その利益を使ってカンボジアに学校を建てようと思っています」

――その理由も、カンボジアに行ったときに親切にしてもらったからだそうですが。

「そうです。カンボジアに行ったとき、携帯の充電がなくてすごく困っていたんです。そうしたら、それを見て僕にポータブルの充電器を貸してくれたカンボジアの方がいました。

その恩返しじゃないですけど、幸せはシェアしたほうが長く続く。何も思い入れのないところで頑張るよりも、どこか思い入れがあるところのほうが真剣に『ありがとう』って気持ちで活動できるじゃないですか。なので、そういった意味で親切にしてくれたカンボジアという国が少しでも良くなればいいなって思います」

◆お店でのイチバンの思い出は…「開店準備と閉店作業」

©テレビ朝日/テレ朝POST

最後に、2018年内で現在勤めている「プラチナ」本店を去り、ホストとして“プレイヤー”ではなくなるローランドにこんなことを聞いてみた。

――プラチナ本店での印象に残っている思い出を聞かせてください。

「思い出はいっぱいありますけど、ひとつ挙げるとしたら、店が危機的な状況になったときのこと。それは僕に“トゲ”があった時期で、あまりにも横暴すぎて、僕が移籍した瞬間に半分ほど辞めて7人ぐらいになってしまったんです。そのときに残ってくれた7人が『日本一の店を作りましょう』と言ってくれました。

今こういう有名店になったからこそというのもあると思うんですけど、そのときの記憶って自分の中ですごく美しくて、みんなで床掃除しながら頑張ってよかったなって。僕にとって、本当にとてもいい思い出になっています。

バースデー(イベント)とかもひとつひとつ印象に残ってるんですけど、思い出をひとつ挙げるとしたら、残った7人でイチから開店準備して閉店作業したこと、ですね」

高級ホテル生活や、夜の世界にいること、そしてその美麗な外見もあり、浮世離れした印象を持つ人も少なくないであろう、ローランドという存在。

しかしその実は、強い信念をもち、大きな責任を自分に課し、苦楽をともにした仲間たちを大切にする…。そんな、少年漫画の主人公のような存在だった。多くの人に愛され、憧れられるのも“納得”としか言えない。

今後は独立し裏方に回ることもあるというローランドだが、「できる限りお客様と触れ合うようにはしていたい」と話す。その理由は…「ホストがいちばん好きで、自分が生きているなと実感する瞬間だから」。

今回ロングインタビューに応じてくれたローランド。

11月27日(火)に放送される『ソノサキ~知りたい見たいを大追跡!~』の3時間SPでは、ローランドを追跡する名物企画「ホストのソノサキ」に新展開。

ローランドに憧れてホストになった若者たち“ローランドチルドレン”の1人を、後輩思いのローランドが熱血指導する。はたして、その成果は?

さらに番組では、恐るべき人脈力を生かした“ある大事な用”のためにモンゴルへと旅立ったローランドを追跡。そのやんごとなき用事とは一体? 今回も連発されるローランドの名言にも注目だ!

※番組情報:『ソノサキ~知りたい見たいを大追跡!~』3時間SP
2018年11月27日(火)午後7:00~午後9:48、テレビ朝日系24局

<撮影:長谷英史、取材・文:千葉美紅、構成:宇佐美連三>

<質問を投稿してくれたTwitterユーザーの皆様:2.6次元少女さん、まゆさん、クラリスさん、kirakira555さん、どなちゃんいちばんさん、yuki-shiiiiinaさん、ももじゃむ2525さん他)