東京五輪で “声援”をアートに NYタイムズスクエアも彩った「サウンド・オブ・生け花」
テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。
現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。
今回、修造が応援しに行ったのが、京都大学で教授を務める土佐尚子さんだ。この方、世界に名を馳せる芸術家でもある。
◆CG加工なしで生まれる独特なアート作品
2017年には、土佐さんの手がけた作品がアメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアにある60台以上ものディスプレイに、1か月にわたり映し出された。
実に不思議なデザインであるが、これらすべてCGによる加工がされていない。
土佐さんが「サウンド・オブ・生け花(音で作られた生け花)」と名付けるこの作品はどのようにできたのだろうか?
作品を生み出した実験室に行くと、大きなレンズのカメラと4台もの照明、さらにガムテープで蓋をされた黒い箱などの不思議な設備が用意されていた。
しばらくすると、箱の中にあるスピーカーから「ドドドドド…」と重低音が鳴り、その箱に水滴を垂らすと大きく跳ね上がった。
このようにインクなどで色を付けた液体を重低音で振動させることで、生まれるのが「サウンド・オブ・生け花」だ。
この様子をハイスピードカメラで撮影することで、ニューヨークでも映し出された不思議な映像が出来上がったのだ。
◆東京五輪でみんなの“声援”をアートに
そして土佐さんは、来る2020年に向けて、この「サウンド・オブ・生け花」を使って特別な花の咲かせたいと夢を描く。
「東京2020でみんなの“声援”を形にして、巨大な『サウンド・オブ・生け花』をスタジアムに映し出すという壮大な計画です。情熱を形にしたい!」(土佐さん)
そこで、デモンストレーションとして、修造の声援で生け花を作ってみることに。
修造はオレンジなど自分の好きな色を選んでマイクの前にスタンバイし、土佐さんの合図に合わせて「君ならできる!」と叫んだ。
液体がビニールシートを越え、土佐さんにふりかかるほど熱のこもった声援で出来上がった花の形は、まさに修造そのものだった。
「パワーがありますよね!やはり人によって形が全然違いますね」(土佐さん)
長年、CGでアートを作っていた土佐さんにとって、これこそが追い求めていたものだった。
「CGアートをもう20年くらい、やってきたのですが、『想定外』というのがないんです。それで面白くないなと思っている中、自然界の物理的な世界に目を向けると『想定外』がたくさん出て来たのです。自分の予想したものを裏切るような美しさが、そこにはありました」(土佐さん)
土佐さんのできる宣言は「東京2020で情熱の声を形にしたい!」。
2020年、“音”が生んだ奇跡のアートを東京の空に――修造の目には、夢のような光景が確かに広がっていた。<制作:TOKYO応援宣言>
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系