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『法医学教室の事件ファイル』シリーズ通算69本目!プロデューサー陣が語る“26年間”の舞台裏

法医学者・二宮早紀(名取裕子)と、その夫で横浜東署の刑事・一馬(宅麻伸)が衝突しながらも力を合わせて事件を解決していく『法医学教室の事件ファイル』

その最新作が、11月18日(日)に放送されることが決定した。

©テレビ朝日

1992年に連続ドラマとして誕生し、1994年以降は「土曜ワイド劇場」を中心に26年もの歴史を重ねてきた本作に、93年から携わってきた伊藤由彦プロデューサー・関拓也プロデューサー・山川秀樹プロデューサーの3人が、ドラマの裏側を語った。

◆通算69本!シリーズ26年の歴史

同作は、今回の最新作がシリーズ通算69本目となる。連続ドラマがスタートした当初、夫婦の間にはまだ子どもがおらず、早紀は第1シリーズで流産という悲劇を経験した。

しかし、第2シリーズで2人の間に、“愛介”が誕生し、回を重ねるごとに成長。現在、愛介(佐野和真)は早紀の研究室の助教・伊吹南(中村静香)と交際中で、そろそろ結婚も考える年頃になった。

「名取さんはよく、“この作品は視聴者の皆さんとともに育ってきた”とおっしゃっていますね」(伊藤P)。

登場人物が年を取らないドラマも多々あるが、『法医学教室の事件ファイル』は回が進むにしたがって登場人物たちが年齢を重ねていくスタイルを大切にしている。愛介の成長はもちろん、前作から一馬が“ロマンスグレー”になって登場したのもその証だ。

「名取さんは、いずれは“おばあちゃん”になって、息子の家庭にあれこれ茶々を入れてみたい、ともおっしゃっています(笑)」(伊藤P)とのこと。近い将来、また成長する二宮家が見られる…かもしれない。

◆常に最新のテーマ&トリックを盛り込んだドラマづくり

©テレビ朝日

今でこそ法医学を題材にしたドラマは数多く存在するが、スタート当初、“法医学者の妻と刑事の夫”という設定はとても斬新で、この作品は“法医学ドラマの先駆者”でもあった。プロデューサー陣は26年間、常に新しい法医学の知識を取り入れて制作にあたってきたと語る。

たとえば、骨髄移植により2つの血液型を持つ“キメラ体質”や、死体に湧いた虫の状況から死因などを推定する“法医昆虫学”が、物語の重要なキーワードとして描かれたことも。

ほかにも「パラシュートで死体が舞い降りてくる」「同窓会に25年前の女子高生の冷凍遺体が送られてくる」「バス爆発現場から爆死ではない遺体が見つかる」など、大掛かりなトリックも登場した。

「殺人トリックについては毎回さまざま調べますね。脚本家さんとはよく、ホームセンターや書店めぐりをします。ホームセンターでは『この道具、(凶器に)使えるんじゃない?』とか、あらゆるグッズを見てまわります(笑)」(伊藤P)。

では最新作では、どんな事件やアイテムが描かれるのか?「今回は打撲痕や熱傷、圧迫痕、凍傷…など“法医学のデパート”ともいうべき遺体の多数の謎に挑みます」(山川P)とのこと。

今回の物語は、フレンチレストランの女性オーナーの夫が、落雷による事故死に見せかけて殺害されたところからはじまる。様々な傷を持つ遺体の謎を、早紀はどう解明していくのか?

◆主演・名取裕子の要求にこたえ、リアルさも追求

©テレビ朝日

シリーズ当初から法医学的視点にこだわり、リアルさをも追求してきた本作。「以前は寒天で脳みそを再現したり、そういった人体の模型作りも美術スタッフの腕の見せどころでした。でも時代とともに制約が多くなり、最近は解剖シーンにあまりフォーカスを当てないようにしています」(伊藤P)。

しかしながら、細部へのこだわりは健在。「ほとんど画面に映ることのない“死体検案書”も法医学の先生に必ず監修、添削してもらっています。名取さんも『細かいこだわりが作品の質を上げる』とずっとおっしゃっていて、スタッフ全員、その熱意に引っ張られてきました」(伊藤P)。

また、料理上手で知られる名取は、食卓シーンの“相談役”でもあるという。「『このシチュエーションだったらもう少し夜食に近いメニューがいいんじゃない?』とか、『冬だから鍋料理をみんなで囲もう』とか、名取さんならではのこだわりを生かしています」(関P)。

最新作でも、三大珍味のコノワタやフレンチ食材など、料理が物語の重要なポイントに…! いったいどんなこだわりが秘められているのか、注目だ。

◆最新作は、早紀と一馬に離婚の危機が!

そんな名取は近年、メダカの飼育にハマっていることを公言しているが、「名取さんはとことん物事を突き詰めていくタイプ。そこが早紀ともそっくりですし、メダカにもつながっているんです」(関P)。

「かつて名取さんは図書館に通って法医学の本を読みあさっていましたよ。我々制作サイドよりも知識を持っているので、こちらも追いつくように勉強しなくちゃならなくて大変でした」(伊藤P)と、名取の探求心に敬服し続けてきたことも明かした。

26年間に渡って、名取とスタッフが侃々諤々、意見を交わしながら築き上げてきたシリーズ。しかし、今回はなんとシリーズ最大の危機――なんと“離婚”の2文字が二宮夫婦の頭上にチラつくことに。

「これまでにも二宮夫婦にはたくさんの危機がありましたが、26年の歴史の中で“離婚届”が飛び出すのは初めて。僕自身はヒロイン夫婦が離婚なんてありえないんじゃないか、と思っていたのですが、名取さんも宅麻さんも面白がって演じてくれています」(伊藤P)。

「どこのご家庭でも同じかと思いますが、夫婦って、わかっているようでわかりあえていないところがある。それが最新作のテーマです」(山川P)。

はたして、二宮夫妻は熟年離婚の危機を乗り越えることができるのか!? そして、混迷する事件の謎を解き明かすことができるのか?

※番組情報:日曜プライム『法医学教室の事件ファイル スペシャル』
2018年11月18日(日)午後9:00~午後11:05、テレビ朝日系24局