サッカー・森保一監督×野球・稲葉篤紀監督。2人はなぜ日本代表監督を引き受けたのか?
11月9日(金)に開幕した『2018日米野球』で、侍ジャパンを率いる稲葉篤紀監督。
稲葉監督は、MLBオールスターチームとの対戦について「“世界最強チーム”に勝ちたい。2020年の(東京)五輪につなげていきたい」と意気込みを語っている。
そんな稲葉監督と対談するのが、サッカー日本代表を率いる森保一監督だ。
森保監督は代表監督就任後に3連勝を飾っており、来年に迫る「AFC アジアカップ」に向けて弾みをつけている。
野球、サッカーと種目は異なるが、ともに“日本代表”を率いる2人の監督による対談が、『報道ステーション』で実現した。
お互いから見たサッカー界・野球界、日本代表のキャプテン像など話は尽きず、収録が終わった後でも続いた2人の談義。
対談の中では、2人がナショナルチームを背負う覚悟を決めた経緯について熱い秘話が語られた。OAしきれなかった部分も含めて、その一部をお伝えしよう。
◆代表監督を受けた経緯
――代表監督を引き受けた理由を教えてください
森保監督:(フル代表のお誘いをいただいたとき)私はすでにサッカー東京オリンピック日本代表の監督をしていて、その後、フル代表の監督を兼任してほしいと言われました。
それが日本サッカーの発展につながり、代表のレベルアップにつながると考えたので、引き受けることにしました。
稲葉監督:私は個人的な感情になるんですけど…。(現役時代に)北京オリンピックに代表選手として出させていただいたのですが、そこでメダルがとれず、そこからオリンピック競技から野球がなくなったんです。
でも、次回の東京オリンピックで野球が復活しました。監督要請をいただいたときに、(北京オリンピックの)リベンジをさせてもらうチャンスをいただけたということで今回引き受けさせてもらいました。
選手たちに金メダルをとって喜んでもらいたいと、そういう強い気持ちが生まれました。
森保監督:(金メダルは)素晴らしい目標ですね。私も東京オリンピックの監督をやることで、メキシコオリンピック以来のメダルを獲得していきたいと思っています。
私はオリンピックに出たことがあるわけではないので、リベンジではありませんが、メダルをとるためにすべてを捧げていきたいなと思います。
稲葉監督:私も当然金メダルが目標です。そのために色んな選手を見てみたいのですが、どうしても野球日本代表は、3月と11月にしか集まれる機会がないのです。
なので、その中で若い選手にもどんどん日の丸をつけて戦うことを経験してもらいたいと思っています。
その中で、最終的に若い選手と経験のある選手とを融合して、金メダルを目指せるチームをしっかりと作っていきたいですね。
森保監督:ビジョンがはっきりしているので、必ず上手くいくと思います。
◆「自分をしっかり出していく」
――それぞれが描く理想の監督像、そして監督として1番大事にしている部分について教えてください。
森保監督:チームが勝つために何が一番大切かというと、選手がそれぞれ思い切ってプレーしてくれることが大切だと思います。
なので、プレーヤーファーストとひとりひとりの選手たちが自分の力を最大限試合の中で発揮するとともに、チームとして一丸となって、組織力をもって戦えるようにということは大切にしています。
監督と選手の立場として、もちろん選手に目標やその試合の戦い方は提示していかないといけないと思いますが、選手には押さえつけて色々やらせるよりも、選手が自分からやりたいと思ってもらえるようには環境づくりをしていきたいなと思っています。
稲葉監督:そうですね、森保監督のおっしゃるとおりだと思います。
やはり個を生かすというのは、非常に大事だと思いますし、トッププレーヤーは特にひとつにまとめ上げるというのは非常に難しいことだと思いますので、目標をしっかりと持たせると、一緒の方向に向かっていくというのは本当に大事だと思います。
またその監督像というのは本当に難しくて、私はプロ野球とジャパンと併せて8人の監督の元でやってきた中で、良いものをしっかり取り上げながら、自分をしっかり出していくというのをやっていこうと思っています。
森保監督:そうですね、「自分らしく」はすごく大切かなという風に思っています。
私と稲葉さんは違いますし、もし同じ野球の監督やるにしても、アプローチの仕方は違うと思います。
私は、上辺だけで自分の心のこもっていない言葉を選手に投げかけても、選手たちはそれを分かると思いますし、本当に自分が思っていることを選手に伝えていけるようにしていきたいなと思っています。<制作:テレビ朝日野球>
『日米野球 侍ジャパンvsMLBオールスターチーム』
11月10日(土)よる6時30分~8時54分 テレビ朝日系列にて生中継
よる8時54分~ BS朝日リレー中継(※試合終了時はハイライト)