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メドベージェワ、“女王”奪還へ!練習拠点を変える異例の決断「もっと上手くなりたい」

10月26日(金)から始まったフィギュアスケートの『グランプリシリーズ・カナダ大会』

同大会には、ロシアのエフゲニア・メドベージェワが出場する。

©テレビ朝日

メドベージェワは、精密なジャンプと、卓越した表現力を武器に、シニア1年目の16歳で、グランプリシリーズと世界選手権を制覇。さらに翌シーズンはすべての大会で優勝。ショート、フリー、トータルの得点で世界歴代最高得点を更新する圧倒的な強さを見せ、“絶対女王”として君臨してきた。

そして今年2月、金メダル大本命として臨んだ平昌オリンピック。会心の演技を見せ、頂点を極めたかのように見えたが、ロシアの後輩・アリーナ・ザギトワに敗れ、銀メダル。メドベージェワの目には涙があふれていた。

銀メダルとわかったとき、心が痛み、涙が出ました。金メダルと信じてくれた人たちを失望させたことが悔しくなりました

オリンピックの大舞台で手放した女王の座。その心には痛みと共に、湧き上がる思いがあったという。

すぐに私は次の4年間、フィギュアスケートから逃げないと決意しました

オリンピック後、幼い頃から師弟関係を築いてきたエテリ・トゥトベリーゼ コーチの元を離れる決意をする。

もっともっと上手くなりたいです。自分の人生を変えます

新天地に選んだのは、カナダ・トロントだった。

ロシアのトップ選手が母国を離れ、海外に練習拠点を変えるのは異例のこと。競技人生を左右する決断を下した18歳は、羽生結弦やキム・ヨナなど金メダリストを育てたブライアン・オーサー コーチに指導を仰ぐことにしたのだ。

以前のロシアではジャンプの練習に多くの時間を割いていたが、新天地では一転。滑り方や体重のかけ方など、スケーティングの基礎ともいえる練習を繰り返していた。さらに、氷上練習後には、ジムで、専属トレーナーをつけ、スタミナ強化や怪我をしない体作りを徹底して行っていた。栄養士による食事のアドバイスも取り入れているという。

10月23日(火)に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日)では、カナダでスケート漬けの日々を送るメドベージェワに密着。彼女の今シーズンにかける意気込みを聞いた。

©テレビ朝日

ーーロシアでの練習とカナダでの練習、違いを教えてください。

メドベージェワ:「環境が違います。そして、人の性格、練習のアプローチの仕方や戦略も違う…。ともに練習している人たちもロシア人とは異なる接し方をしてきますね」

ーーブライアン・オーサーコーチは、練習でどんなことを注意していますか?

メドベージェワ:「初日から、スケーティングの技術的な練習に多くの時間を割かれました。『正しい立ち方や体の重心をどう移動させるのか』『右足と左足のどちらに重心をどれだけかけるのか』といったようなことです。

ただ、練習中に何かひとつのことを注意されて、それができるまでずっと繰り返すということはありません。

練習では、スピン、ジャンプを入れたスケーティング、高さやスピードなど、すべてに焦点を当てながら練習を進めています」

©テレビ朝日

ーー今シーズンのショートプログラムの魅力を教えてください。

メドベージェワ:「今シーズンのショートプログラムは、ナタリー・コールの『Orange colored sky』で、これまでのものと全く違います。私が今まで一度もやったことがない新しいスタイルです。正直言って、最初は少し無理だと思いました。

頭ではわかっていても、体が動きについていかないのではないかと不安でした。新しいことに挑戦するのはいつも大変ですが、同時に面白いです」

ーーメドベージェワ選手が一度もやったことがない新しいスタイルというのは?

メドベージェワ:「スピードが速いです。リズムがとても速いことが今までの私にはない点です。

この曲を初めて聞いたときに、デヴィッド・ウィルソン(振付師)に、「速くて追いつかない!』と言いました。昨シーズンがショパンとアンナ・カレーニナだったように、これまではドラマチックなプログラムが多かったです。今シーズンのプログラムはジャズやブルースの速いテンポだったので、「出来ない…」と言いました。でも「いや、君ならできるよ!」と言われて、やってみることにしたんです」

ーーフリーはどんなプログラムですか?

メドベージェワ:「今回はタンゴです。メンタル的な面から言っても、私にとってフリーは大切なプログラム。

ブライアンと将来のプランについてかなり長い間話したとき、「新シーズンにやりたいプログラムは何?」と聞かれたんです。私はすぐに「リベルタンゴをやりたい!」と答えました。だからリベルタンゴをやることに決まったんです。かなり難しいですが、とても大好きです。

たまに振り付けの動きに間に合わないこともありますが、新しいスタイルということもあって面白い。タンゴをやるのは初めてで、子供のころにもやったことがないんです。自分の多角的な部分を見せる機会ができたことを嬉しく思っています。

みんなが望んでいるように上手にできていないかもしれませんが、できるようになるためにたくさん頑張る必要があります。“奇跡”は存在しませんからね」

©テレビ朝日

ーー最後に『グランプリシリーズ』への意気込みを聞かせてください。

メドベージェワ:「新しい考え方に、新しい自分、今は生まれ変わった気分です。

現時点で私にとって大切なことは、高すぎる目標を立てないこと。

今シーズンは、この新しい自分で最大限の滑りを見せたいです。それは、自分が期待するほどいいものではないかもしれません。

それでも新しい環境に慣れていきたいですし、少しずつ慣れていくことはできると思っています」

※番組情報:テレビ朝日系『フィギュアスケートグランプリシリーズ世界一決定戦2018』
<カナダ大会>
主な出場選手:
男子 宇野昌磨、友野一希、ブラウン(アメリカ)
女子 樋口新葉、松田悠良、山下真瑚、メドベージェワ(ロシア)
10月28日(日)よる9:00- 男女フリー

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