12月23日（火）より開幕する、高校バスケ日本一決定戦｢SoftBank ウインターカップ2025｣（令和7年度 第78回全国⾼等学校バスケットボール選⼿権⼤会）。

女子では、ウインターカップ3連覇中で「U18トップリーグ」優勝の京都精華学園（京都府）、夏のインターハイを制した桜花学園（愛知県）、創部3年目でインターハイ準優勝を成し遂げた日本航空北海道（北海道）などが優勝候補に挙げられている。

そして、インターハイでは4強に入った岐阜女子（岐阜県）も優勝候補の一角だ。

ウインターカップ34回連続出場の強豪、岐阜女子。チームの司令塔、小松美羽選手（3年生）は並々ならぬ思いで今大会に臨む。

◆前十字靭帯断裂の大怪我「いちばんは、絶望」

昨年のウインターカップでは、2年生ながらチームの司令塔を担うも、ベスト8で涙をのんだ小松選手。

雪辱を誓う今年、彼女の前に大きな困難が立ちはだかった。

それは6月のこと。東海大会決勝の終了間際。小松選手はドライブで切りこんだところ相手選手と接触し、左ひざを負傷。診断の結果、左足の前十字靭帯断裂。選手生命を脅かす大怪我を負うことになった。

医師から言われたのは、「早くて（全治）8カ月、長くて1年ぐらい」という言葉。当時の気持ちを小松選手はこう振り返る。

小松：「いちばんは、絶望。（負傷した）いろんな子から聞いていて、やった瞬間はこれか、みたいな。切れたなって思って、痛みもあったんですけど、絶望のほうが大きかったです。最後のウインターカップで日本一を獲るというのを目標にずっとやってきてて、この時期に切ったらもうないなって思ったので。出れないっていう気持ちが大きかったです」

そんな小松選手を支えたのが、チームメイトの中林睦絵選手（3年生）だった。

2年前、1年生のときに小松選手と同じ左ひざの前十字靭帯を断裂していた中林選手。

中林：「ウインター（カップ）は難しいっていうのは分かっていたんですけど、実際自分も同じ怪我をして、思っていた以上に動けるっていうことを知っていたので、難しいし、簡単なことではないですけど、可能性はゼロじゃないんだよって言うのは伝えたかったですね。ひとりになるとどうしても下を向いてしまうので、そういうときは相談に乗って、一緒に頑張ろうって引っ張っていけるようにはしました」

中林選手の支えについて、小松選手は…。

小松：「リハビリしているときも、意味あるのかなとか、本当に復帰できるのかなって自分でも悩むことがあったんですけど、『絶対大丈夫だから』と、同じ怪我をしたぶん、専門的というかリハビリの仕方だったり、そういう面でも支えてくれました」

そうして取り組んだリハビリ。小松選手は、懸命の努力によって驚異的な回復をみせ、岐阜女子・安江満夫監督も「想像もできなかった」と振り返る、およそ2カ月での復帰を成し遂げた。

安江監督：「強い心を持って取り組むことが、ひとつの結果として出たということが、私、指導者として、小松を見てて私自身が再度学ばせてもらったことです」

そして小松選手は、復帰への原動力について、次のように話している。

小松：「みんなの練習とかを見ているときに、悔しくて。昨日までは動けていたのになんでこうなってしまったんだろうみたいに思っていて。歩けることすら幸せに感じたり。早く復帰したいっていう気持ちが大きくて、それが（回復の）原動力になっていたと思います」

◆復帰戦で大活躍「これがウチらの小松だぞ」

今年9月のU18トップリーグ、強豪・精華女子（福岡県）との一戦。第1クォーター開始5分、背番号6小松選手は再びコートに立つことができた。

小松選手はこの復帰戦で、いきなりチーム最多の18得点を記録する大活躍。チームに勝利をもたらした。

中林選手はこの試合、そして小松選手の活躍を、「これがウチらの小松だぞ、みたいな」と嬉しそうに振り返っている。

迎えるウインターカップ。小松選手は、次のように意気込みを語った。

小松：「いちばんの目標は、日本一。自分の力でチームを日本一に導いて、“前十字”っていう怪我をしていてもここまで動けるようになるんだとか、自分はリハビリのときに『ハードに動けなくなっちゃう』とか思っていたんですけど、そう思っている人たちにも勇気を与えて、自分もやればできるんだって思えるようなプレーをしたいと思っています」

※放送情報：『SoftBank ウインターカップ2025』
＜男子決勝＞
2025年12月29日 (月) ごご1時～、テレビ朝日系列にて生中継
＜女子決勝＞
2025年12月28日 (日) ひる12時～、BS朝日にて生中継

さらに連日の熱戦を伝えるハイライト番組『熱冬！高校バスケ デイリーハイライト』も放送＜2025年12月23日(火)～29（月）放送、一部地域除く＞