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トヨタ、1・3・4位で3台とも上位に!【WRC:ラリー・グレートブリテンDAY2結果】

現地時間の10月5日、WRC(FIA世界ラリー選手権)第11戦「ラリー・グレートブリテン」のデイ2が開催された。

©TOYOTA GAZOO Racing

金曜日は合計8つのSSが行われ、その結果は以下の通りだ。

1位オット・タナック(トヨタ)、2位は28秒8遅れでティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)、3位は31秒3遅れでヤリ‐マティ・ラトバラ(トヨタ)、4位は35秒9遅れでエサペッカ・ラッピ(トヨタ)、5位は38秒2遅れでセバスチャン・オジェ(フォード)、6位は48秒8遅れでクレイグ・ブリーン(シトロエン)と続いている。

6位までが1分以内という僅差の戦いをリードしているのは、3連勝中のタナック。SS2からSS4まで3本連続でステージトップを獲得してリードを奪うと、その後もSS7とSS8でステージトップを獲得し着実にそのリードを広げていった。

2位にヌービル(ヒュンダイ)、4位にオジェ(フォード)と、やはりチャンピオンを争う3台が上位に入ってきている。

そして好調ぶりを見せているのがトヨタのラトバラ。ステージトップはSS6の1本のみだが、4本のSSで2位に入っており、ラリー・グレートブリテンとの相性の良さが感じられた。

非常に滑りやすい路面にどのドライバーも苦労しているが、昨年の覇者であるフォードのエルフィン・エバンスは、SS6までに総合2位とタナックにプレッシャーを与える存在だったが、SS7へと向かう途中にエンジンからミスファイヤ(エンジン内で燃料を点火するタイミングがずれてパワーが落ちたり点火できなくなってしまう症状)が発生。

途中止まりながらなんとかステージスタート地点へと向かうが、11キロ手前で完全にマシンがストップしリタイアを選択した。そして、SS9では同じくフォードのティーム・スンニネンが木にぶつかる形でストップ。これによってフォードは2台のマシンがリタイアとなった。

こうなると、ドライバーズチャンピオンと同じく激しく争っているマニュファクチュアラーズタイトルの行方にも大きく影響が出る。

トヨタは1位・3位・4位と上位を占めており、フォードは5位のオジェだけ。ヒュンダイは2位・7位・9位とこちらは十分争える状態にある。マニュファクチュアラーズタイトル争いは、この週末次第ではトヨタとヒュンダイの2強争いへと移行していく可能性が高そうだ。

©TOYOTA GAZOO Racing

この日トップに立ったタナック(トヨタ)は、「今日は本当に良い1日だった。どうやら、僕たちは滑りやすい低グリップ路面状態に合ったセットアップを見つけられたようだ。3台ともすごく競争力があるからね。でも、まだ2日あるよ」と、チームの準備が良かったことを喜んだ。

©WRC

2位のヌービル(ヒュンダイ)は、「マシンのセットアップ状態はステージが進むごとに良くなってきている。ただ、路面状態も良くなってきているのも確かだ。おかげで、マシンのコントロールも良い状態になっているからね。2本ステージトップを取ったけど、それでも今日はこれが精一杯だ。トヨタ、とくにタナックはかなり速いからね」と、調子は上がっているがトヨタのセットアップには追いついていない悔しさがにじみ出た。

©WRC

5位のオジェ(フォード)は、「もう少し良くできると思ったのだけど、まだまだタイムが出ない。午後は路面状態がすごく滑りやすかった。正直、今日は僕たちにとって良い1日ではなかったけれど、まだまだ挑戦していかなくちゃいけないね。マシン自体は決して悪くないんだ」と、今ひとつ調子に乗り切れていない状態だと語った。

そして、好調のトヨタのなかでいまだ心からの笑顔が出ないラトバラは、この日を振り返ってこう語った。

「決して悪くはないんだ。ただ、僕の胃が上下左右に激しく揺れるような状態でね、トイレが近かった。もう大丈夫だけどね(苦笑)。今日はすごく疲れたよ。マシンは良いよ。ただ、体調がそんな感じで僕自身の集中力が欠けてしまって小さなミスをした。シケイン手前でブレーキが十分じゃなかったとかね。でも、マシンはどんどん良くなっている。とくに明日は事前のレッキで良い感じをつかめているから楽しみにしているよ」と、じつは体調が万全でない状態ながら3位をキープし、明日はトップをも狙える位置に来ていることを明かした。

土曜日はSS10からSS18までの9つのSSが行われる。SS10は午前7時22分にスタート。日本時間は6日の午後3時22分スタートとなる。

朝早くから夜までと長い1日を走るラリー・グレートブリテン。天候次第では大きく順位が変わる可能性があるだけに、注目したい1日だ。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

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