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広島、チームの絆でV3達成!大瀬良大地&鈴木誠也にベテランが与えた影響

©テレビ朝日

プロ野球の広島が、リーグ3連覇を達成した。本拠地・マツダスタジアムでの優勝決定は27年ぶり。「鉄人」衣笠祥雄さん(享年71)の訃報が伝わった4月24日から首位に立って以降、一度もその座を譲らず独走した。

衣笠さん、「ミスター赤ヘル」の山本浩二氏(71)らの黄金時代でも成し得なかった、巨人以外の球団では初のV3。潤沢な資金の球団と違って大型補強に頼らず、期待の若手を鍛え上げ、生え抜き中心で勝ち取ったところに価値がある。それだけ選手の絆は強く、投打の主役もチームに帰ってきた大先輩の背中を追いかけて飛躍した。

プロ5年目の大瀬良大地投手(27)は、既にリーグトップの15勝を挙げて優勝に貢献。最多勝の初タイトルが見えてきた。2013年のドラフト1位に殻を破るきっかけを与えてくれたのは、「男気」の黒田博樹氏(43)だ。

MLBヤンキースから復帰して、2016年に25年ぶりVを置き土産に現役を引退した同氏に、大瀬良は自身の投球を相談した。動作解析の専門家・手塚一志氏を紹介してもらい、球に力が伝わるフォーム改造に着手(今季、2段モーションが解禁されたことも追い風に)。テークバックなど体の使い方から、入浴方法、体調、食事管理まで黒田氏に学んだ。

「黒田さんはしんどいときもファイティングポーズを取ってきた人。それが他の選手に伝わり、相手に向かう力になった」(大瀬良)。中継ぎの負担を減らすため、続投志願したのを何度も見ている。心身ともに「男気」を継承。エースとして9回完投を目指す姿が、黒田氏とダブるようになってきた。

大瀬良は球界一、優しい性格として知られる。昨年8月には、打席で制球難に苦しむ阪神・藤浪晋太郎投手(24)から左肩に死球を受けると、笑顔で「大丈夫、大丈夫」と返した。ベンチに戻ると緒方孝市監督に「いい人はユニホームを脱いだところでやってくれ」と叱責されている。

対して黒田氏は2015年4月、バントの構えで藤浪にぶつけられそうになり、尻モチをついて激怒。バットを持って「オラッ!」と相手に歩み寄った。試合後、「謝ってもらおうと思ってはいない。次に対戦するときは、思い切り腕を振って、投げてくればいい。僕も頭に当ててしまったことがあるし、いろいろ経験してきた。それを乗り越えないと強くなれない」と内角を攻める覚悟を語った。

チームを勝たせる気迫、そして同じ投手としてエール。いい人・大瀬良はまだその域に達していないだろうが、今季はマウンド上で引き締まった表情を見せるようになった。

4番を打つ鈴木誠也外野手(24)も、今季限りで引退する新井貴浩内野手(41)の影響を受けてきた。新井は阪神から出戻ると、V1の2016年はリーグMVPを獲得。いじられ役として、上下関係なくナインを盛り上げてきた。今季は春季キャンプの故障で出遅れたが、復帰した途端にチームの快進撃が始まった。

その存在感は、若き主砲・鈴木のお手本だ。昨年は8月に左足首を骨折して、優勝の胴上げはスタッフに支えられて参加したが、今年はここまで打率.321、30本塁打の活躍。3番を打つ丸佳浩外野手(.324、38本)とダブルの「3割30本」も射程圏内だ。V3を果たして、次はチーム、ファンのため、そして新井に34年ぶりの日本一を捧げる。

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