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「赤字は年間700万」の時も…お金がかかる競技、フィギュアスケートの苦労。元五輪選手も活動費賄えず「引退」考えた

11月21日(金)深夜に放送されたスポーツバラエティ『オフレコスポーツ』には、フィギュアスケート・ペアでソチ五輪に出場した高橋成美がゲスト出演。

フィギュア界のお金事情について語った。

高橋はまず、フィギュアスケート選手が大会で活躍するともらえる賞金について解説。自身がグランプリファイナルに出場した2011年の例を挙げ、「このシーズンでの賞金総額は600万円を超えています」と明かした。

しかし、同時に話題に上がったのは、フィギュアスケート選手の高額な活動費だ。

「まず衣装。これがだいたい1着15万円くらいですね。ショート・フリー・エキシビション・予備として最低限4つ準備します」「靴もお金がかかるもののひとつ。実はエッジと靴は別々で売られていて、靴の部分が大体10万円ぐらい、刃のエッジの部分が12万円します」(高橋)

さらにコーチへの指導料も自分で払わなければならないといい、「私たちの場合はジャンプのコーチ、スケーティングのコーチ、表現のコーチ、サブコーチといったチームになって見てくれたので、みなさんにお支払いすると年間570万円かかりました」と明かした。

これにリンク代120万円、プログラムの振り付け代やトレーニング費用を合わせると、総額は960万円。1年間の活動費はおよそ1,000万円に達するという。

MCの近藤千尋が「賞金がだいたい600万って言っていたじゃないですか。ちょっと(収支)合わなくないですか?」と聞くと、高橋は「もう赤字は当たり前です」とサラリ。

さらに「ペアって折半するんですよ。600万の半分で300万円です。だから自分に入ってくるお金は300万なのに、出ていくお金は1,000万かかるんですよ。マイナス700万。スケートってそんな感じなんですよ」と驚きの内情を明かした。

「割に合わないなって思った時ありません?」との質問に、「あります。すごくあります」と実感を込めて語る場面も。

それでも「いい演技した時の歓声とか達成感、きらびやかな感じ。親を見ると泣いていて、コーチも泣いていて、『この瞬間のためだった。これがもう人生なんじゃないか』と思うと、忘れちゃいますね」と、競技を続けた理由を笑顔で語った。

◆スポンサーがいなかったら「引退してた」

このように、フィギュアは賞金だけでは赤字になるため、競技を続けるのに不可欠なのがスポンサーの存在だという。高橋は現役時代、スポンサー探しも自分で行い、苦しい経済事情を助けられた。

「もしスポンサーがいなかったらどうしてました?」と質問されると、「引退したと思います」とキッパリ語る。

「高校生の頃なんですけど、伸び悩んでいてお金ばっかりかかるし、試合では結果出せないから、『私スケートやって誰を喜ばせてんの』ってなったんです。そのタイミングでスポンサーさんとのお話があって、まずお金の部分を中立に持っていってもらったら、心も健康になってきて、やっと勝てるようになったんですよ」(高橋)

苦しい時に助けてくれたスポンサーへあらためて感謝し、「スポンサーさんがいなければ、きっとスケート続けられてなかったでしょうし、スケート人生そのものがもしかしたら嫌な思い出になってたかもしれないと思います」と話した。

番組内ではそのほか、活動費を集めるために選手が行う意外な方法についても話している。お金がかかる競技だからこその苦労と、競技への愛を熱く語る高橋のトークは必見だ。

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※番組情報:『オフレコスポーツ』(バラバラ大作戦

毎週金曜 深夜2:43〜、テレビ朝日(※関東ローカル)