20歳の千葉百音、大躍進の裏に「世界一のコーチ」との絆 恩師とともに歩む夢舞台への道<フィギュア>
11月21日(金)、フィギュアスケート・グランプリシリーズ第6戦フィンランド大会が開幕する。
シリーズ最終戦となる同大会は、12月4日(木)からはじまるグランプリファイナルの出場を懸けた最後の戦いでもある。
これまで男子シングル3名、女子シングル3名がファイナル進出を決めており、日本勢は佐藤駿、坂本花織、中井亜美が進出決定。フィンランド大会の結果で残りの出場者が決定する。
注目は、女子シングルの千葉百音(20歳)。
昨シーズン、グランプリファイナルで銀メダル、世界選手権で銅メダルを獲得。今シーズンもシリーズ第3戦カナダ大会で見事初優勝を果たし、来年2月に開催されるミラノ・コルティナ五輪のメダル候補として期待されている。
千葉の急成長の背景には、2年前からの大きな環境の変化がある。
地元・仙台を離れ、世界で戦うために新天地に選んだのは、京都府宇治市を拠点とする木下アカデミー。
国内屈指の練習環境を誇り、オリンピック選手など次々と有力選手を輩出するここは、日本フィギュア界の”虎の穴”とも呼ばれている。
指導するのは、宮原知子をはじめ、多くの名スケーターを育てた濱田美栄コーチだ。
現在30人以上の生徒を抱え、今シーズンはジュニアを含めると8人の選手をグランプリシリーズに送り込んでいる。そんな実績と指導技術が認められ、昨年、日本人コーチとして初めて国際スケート連盟の「最優秀コーチ賞」を受賞した。
千葉は濱田コーチの指導を受けるために木下アカデミーに移籍したという。
「フィギュアスケートにすごく情熱を注いでいる先生なので、私もそれに負けじとついていけるように頑張っています」(千葉)
◆「愛をもって」築かれた師弟の絆
今年5月、さらなる飛躍を目指す千葉の姿はカナダにあった。
ケベック州にある「アイスアカデミー・オブ・モントリオール」。ここには、マリーフランス・デュブレイユら著名なコーチが集い、アイスダンス世界選手権3連覇を果たしたマディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組らトップ選手とともに練習できる環境があった。
「世界ランク上位のアイスダンスの方たちと一緒にスケーティングの練習をさせていただけて、とても光栄でした。アイスダンサーっぽく、上手に滑る雰囲気みたいなのは、だんだんわかってきたかなという感じ。ただ、自分が苦手なところがたくさんあるので、ここにいるうちにしっかりスケーティングに磨きをかけたいです」(千葉)
帯同していた濱田コーチからも時おりアドバイスを受け、練習に励む。
さらに、普段はあまり行わないダンスレッスンにも挑戦。「今までにない動きをやっていて、ちょっとでもいろんな先生方の動きを吸収し尽くして帰りたいです」と、貪欲な姿勢を見せた。
そんな1日の練習終わりに向かったのは、一緒に合宿に参加する島田麻央も含め、3人で宿泊しているホテルだった。合宿中の食事は、濱田コーチの手作りだという。
「麻央ちゃんと一緒に3人で過ごしているときは、濱田先生がお母さんのようでした。すごく距離が近い関係というか過ごし方を経て、私も先生との信頼関係が築かれたのかなと思います。(濱田コーチは)愛をもって時にやさしく、時に厳しく、太陽のような人だと思います」(千葉)
迎えた今シーズンの国際大会初戦では、銅メダルを獲得した3月の世界選手権よりも高い演技構成点をマーク。カナダで学んだ成果を見事発揮し、優勝を果たした。
濱田コーチは指導する千葉について、次のように期待を語る。
「すごく魅力のあるスケーターになってきたのではないかなと思います。(五輪は)上手い人が勝つんじゃなくて、強い人が勝つので、やっぱり強くならないといけないし、一番行きたい思いが強い人が行けるところだと思う」
勝負のシーズン、恩師とともに夢舞台への挑戦は続く。
「オリンピックに出場したいという気持ちが強いですけど、その過程で自分がどこまで濱田先生と深い信頼関係で熱く仕上げることができるか。自分がどれだけついていけるかが大事だと思うので、頑張れるところまで頑張りたいです」(千葉)
※番組情報:『フィギュアスケート・グランプリシリーズ2025』フィンランド大会
◆地上波
11月22日(土) 午後1:30~ 男女ショート、テレビ朝日(関東地区)
11月23日(日)午後1:55~ 男女フリー、テレビ朝日系列
◆テレ朝動画
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