世界王者・りくりゅうペア、戻ってきた中国のレジェンドへの憧れと喜び。ライバルと呼ぶことすら恐れ多く…「追いつきたい」
来年2月に開催されるミラノ・コルティナ五輪を控え、五輪シーズンの戦いが盛り上がりを見せているフィギュアスケート・グランプリシリーズ。
11月15日(土)に開幕する第5戦アメリカ大会には、三浦璃来・木原龍一の“りくりゅう”ペアが出場する。
今シーズンは第1戦フランス大会で2位に20点以上の差をつけて圧勝した2人。今大会でも好成績を残せば、上位6組だけが出場できる「グランプリファイナル」進出はほぼ確実となる。
CSテレ朝チャンネル2で放送された『フィギペディア』では、今年7月、彼らの練習拠点であるカナダでおこなわれたインタビューが紹介された。
◆「ライバルなんて言ったら怒られる」尊敬する存在
昨シーズン、2年ぶりに世界選手権を制して王者の称号を取り戻したりくりゅうペア。勝負の今シーズンは、あるペアの復活を強く意識している。
木原は、「五輪チャンピオンという存在の彼らが戻ってきてくれたので、もう僕たちは何も守る立場ではない。本当に気が楽になりましたし、嬉しいなと思いました」とコメント。
そのペアとは、北京五輪(2022年冬季)金メダリストの中国・隋文静(ずい・ぶんせい)と韓聰(かん・そう)の“スイハン”ペア。超大技である4回転ツイストリフトを武器に、数々のタイトルを獲得したペア界のレジェンドだ。
2023年に一度解散するも、今年6月に驚きの再結成。グランプリシリーズには第2戦の中国大会と第4戦の日本大会に出場し、いずれも3位表彰台。ミラノ・コルティナ五輪でも日本勢のライバルになるかもしれない存在だ。
ところが、「ライバルとして意識する部分はありますか?」とりくりゅうペアに尋ねると…。
木原:「ライバルじゃない!そんなこと書かないでください(笑)。ライバルなんて言ったら怒られる。足元にも及んでいないと思うので」
ライバルと呼ぶことすら恐れ多い、尊敬する存在だという。
三浦:「本当に憧れの選手で、見ていてすごく勉強にもなります。でも今シーズンは少しでも近づけるように頑張りたいと思います」
木原:「(北京五輪で)4年前はもっともっと雲の上の存在の方だったんですけど、4年間自分たちがどれだけ積み上げて彼らに追いつけたのかを今シーズンは知ることができる。そこはすごく楽しみですし、少しでも追いつきたいという思いは常に持っています」
◆「五輪シーズンは自分たちの滑りたい曲で」
五輪チャンピオンに追いつき、追い越すため、今シーズンのフリーに選んだプログラムは映画『グラディエーター』。古代ローマの剣闘士を描いた作品だ。
荒々しい戦いをイメージさせるこの曲を採用するまでには、紆余曲折があった。
三浦:「本当はこのプログラムは去年から滑りたかったものなんですけど、去年はまだまだっていうことで…」
木原:「自分たちの雰囲気に合っていないんじゃないかと思っていたんですけど、やっぱり五輪シーズンはどうしても自分たちの滑りたい曲でやりたいという思いがあったので、2人で相談して、一度決まっていた曲から決め直して作りました」
指導するブルーノ・マルコットコーチも、「過去に使ったことのない新しいスタイルや音楽を採用しています。この音楽は彼らに合っていると思います。とくにエンディングが力強いから」と評価する。
新プログラムのお披露目となった9月のチャレンジャーシリーズ・日本大会で、2人はシーズン序盤とは思えない完成度の高い演技を披露した。
注目のエンディングは、リフトで終わる斬新で力強いフィニッシュ。自己ベストまで3点ほどに迫る高得点で貫禄の優勝となった。
ハードなフィニッシュを選んだ理由について、2人はこう話す。
木原:「2人とも追い込むのが好きなので、最後まで追い込んでいこうかなと。僕たちからできるものを提案して、さらに振付師の方のアイデアをミックスしたような感じになっています」
三浦:「私が暴れてしまうとその揺れが伝わってしまうので、できるだけ動かないようにっていうのは意識しています」
シーズン初戦で上々のスタートを切った2人。グランプリシリーズもこのまま2連勝し、金メダルを目指すミラノ・コルティナ五輪へ弾みをつけたい。
※放送情報:『フィギュアスケート・グランプリシリーズ2025』アメリカ大会
◆地上波
11月15日(土)深夜3:40~ 男子ショート・ペアショート、テレビ朝日(関東地区)
11月16日(日)午後1:55~ 女子ショート・男子フリー・ペアフリー、テレビ朝日系列
11月17日(月)午後1:55~ 女子フリー、テレビ朝日(関東地区)
◆テレ朝動画
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